NTT-AT、STP技術により低温での封止膜形成が可能な研究開発用転写成膜装置を開発
MEMSが形成された基板に低温で張り合わせるSTP技術による
封止膜、平坦化膜を形成する研究開発用転写成膜装置を開発
来春より、装置とフィルム、表面処理剤を併せて本格販売を開始
NTTアドバンステクノロジ株式会社(以下:NTT-AT、本社:東京都新宿区、代表取締役社長:石川 宏 (いしかわ ひろし))は、NTTマイクロシステムインテグレーション研究所の研究成果を基に、大日本スクリーン製造株式会社(以下:大日本スクリーン、本社:京都府京都市)技術開発カンパニー(社長:津田 雅也 (つだ まさなり))と共同で、特殊なフィルム上に樹脂材料を塗布し、基板上に高温処理が出来ないデバイスがある場合でも封止膜の形成が可能となるSTP(Spin-coating film Transfer and hot-Pressing)技術を応用した研究開発用転写成膜装置を開発しました。併せて、安定に封止膜を熱処理できるオーブンやフィルム上に封止膜を安定に塗布するための表面処理剤(旭硝子株式会社(以下:旭硝子、本社:東京都千代田区との共同開発))も開発し、2007年4月より提供を開始する予定です。それに先立ち、デモサンプルの提供を開始します。
また、本装置を11月7日(火)~9日(木)に、東京国際フォーラムで開催される「マイクロマシン展」で紹介します。
センサや高周波デバイスに用いて、製品の小型化や高性能化に欠かせないMEMS(Micro Electro Mechanical System)の形成には、可動部を保護する封止膜が必要となりますが、従来の陽極接合では処理温度が高いことや印加電圧が高いことによるデバイスへの影響が懸念されています。この度、NTT-ATでは、大日本スクリーンと共同で、特殊なフィルム上に封止膜となる樹脂材料を塗布し、これをMEMSが形成された基板に低温で張り合わせる(写真参照)STP技術のための研究開発用転写成膜装置を開発しました。これにより、陽極接合とは異なり100℃程度でも膜形成できるため、基板上に高温処理ができないデバイスがある場合でも適用が可能となります。また、形成した封止膜は、ダイシング時でも十分保護膜として作用します。さらに、STP技術を用いて、LSIデバイスの平坦化絶縁膜形成を行うこともできます。
■搭載している機構と特徴
本装置は、以下の機構を搭載しています。
●フィルムを均一に張るためのテンション機構
●張り合わせが可能な真空処理機構
●接着を可能にするプレス機構
また、以下の特徴があります。
●基板とフィルムが対向に位置している(基板はフェースダウン)。
●処理温度が低いため、1枚の張り合わせ時間が短い(数分)。
■予定価格
本装置は、3,000万円程度を予定している。
また本製品の販売に併せて、安定に封止膜を熱処理できるオーブンやフィルム上に封止膜を安定に塗布するための表面処理剤(旭硝子との共同開発)も開発しました。装置、フィルムと併せて販売する予定です。