横河ディジタルとイーソル、マルチコアプロセッサを使うソフトウエア開発向けに連携
マルチコアプロセッサを使うソフトウェア開発向けに
横河ディジタルコンピュータのJTAG ICEとイーソルの開発環境が連携
~ 上位アプリケーションからファームウェアまでの、広範なレベルの開発をサポート ~
横河ディジタルコンピュータ株式会社(本社:東京都府中市、代表取締役社長:小林龍雄、以下横河ディジタル)とイーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:澤田勉、以下イーソル)は、マルチコアプロセッサ向けのよりよい組込みソフトウェア開発環境を構築することを目的とし、横河ディジタルのJTAG ICE「advicePRO」とイーソルのT-Kernelベースシステム開発スイート「eBinder」を連携させるための開発を進めていることを発表します。イーソルのマルチコアプロセッサ対応T-Kernel「eT-Kernel Multi-Core Edition」をサポートしています。まずは、ARM11コアを最大4個まで搭載できるMPCoreに対応した製品を、2007年初めにリリースする予定です。なお、2006年11月15日~17日に、パシフィコ横浜で開催される「組込み総合技術展Embedded Technology 2006」の両社のブースにて、デモを展示します。
車載機器や情報家電など、次世代組込みシステムのさらなる高機能化、高性能化の要求を実現するために、マルチコアプロセッサの検討が本格的になってきました。マルチコアプロセッサの能力を最大限に引き出すためには、ソフトウェアが果たす役割が重要になってきます。イーソルは、ソフトウェアの核となる、マルチコアプロセッサ対応T-Kernel「eT-Kernel Multi-Core Edition」を開発しました。既存のシングルコアプロセッサ向けのソフトウェア資産を再利用する場合でも、移行を進めやすいテクノロジーを搭載しています。その開発にeBinderとadvicePROを利用することで、より高機能なソフトウェア開発環境を提供します。
次世代の組込みシステムは、ユーザインタフェースやさまざまなアプリケーション機能など、上位ソフトウェアの開発比率がますます高まる一方で、BSPの立ち上げや、ファームウェアなどの下位ソフトウェアのデバッグや動作検証などの作業は、組込みシステムの特性上必然的に発生します。eBinderとadvicePROを連携させることで、ひとつのユーザインタフェースから、eBinderが提供する上位のソフトウェア開発に特化した機能やツール群と、advicePROが提供するハードウェアブレーク機能やフラッシュメモリ上のプログラムのデバッグ機能などJTAG機能をシームレスに使うことができるようになります。
さらに、eBinderとadvicePROを連携させて使用するメリットとして、advicePROを、eBinderとマルチコアプロセッサ搭載ターゲットボードとを接続する通信手段として使うことができます。ターゲットボード上にデバッグ用の通信ポートを確保できない場合でも、advicePROが通信機能を提供するので、デバッグ用のシリアルインタフェースなどを用意する必要がなく、最小限のハードウェア資源だけで開発を進めることができます。横河ディジタルとイーソルは、今後採用が本格化するマルチコアプロセッサ向けのソフトウェア開発環境の構築について、より現場に即したよりよい環境の構築を目指して、密に協力していきます。
横河ディジタルコンピュータ株式会社 代表取締役社長 小林龍雄のコメント
「イーソル社とはすでに“eBinder”と“advicePLUS”の連携の実績があり、ハードウェアからRTOSを含めたシステム統合評価までの幅広い評価フェーズで使用可能な開発環境を提供しております。昨今の組込み業界のキーワードとなる“マルチコアプロセッサ”に対しても、“短期開発”と“品質確保”といった、相反する要求に応えるために、今後も“eBinder”との連携を加速し、マルチコアプロセッサを採用されるメーカー様を支援してまいります。」
イーソル株式会社 取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸氏のコメント
「シングルコアプロセッサ向けのeBinderとadvicePROの連携機能はすでに実現しており多くのユーザ様にお使いいただいています。以前からの横河ディジタル様との協業をさらに発展させ、マルチコアプロセッサに向けたソリューションを提供していきます。すでに連携動作の実績があるeBinderとadvicePROならではの充実した機能や信頼性と、両社の緊密な協力による強力なサポート体制をもって、まだ市場での実績や経験が少ないマルチコアプロセッサを利用する開発をバックアップしていきます。」
【横河ディジタルコンピュータ株式会社概要】
横河ディジタルコンピュータ株式会社(本社:東京都府中市府中町1-9 京王府中1丁目ビル、 代表取締役社長:小林龍雄)は、マイクロコンピュータや周辺システムの設計、開発に広く関わる事業を展開してまいりました。 特にインサーキットエミュレータ(ICE)分野では、トップクラスの実績を有し、携帯電話、情報家電、自動車、産業機器など最先端の開発現場で数多く使用していただいております。国内ばかりでなく海外でも高く評価されており、米国シリコンバレーに支店、中国、韓国、東南アジア、ヨーロッパなどにも販売代理店を置きワールドワイドな製品の提供ができるようになっております。また、T-Engineに代表される各種プラットフォームやWindows CEなどの開発スタータキット、さらには組込み開発分野における開発プロジェクトのプロセスを改善するためのコンサルティングやツールの提供にも力を入れており、組込み分野を熟知している当社の経験や知識を活かした理想的な開発環境として提供しています。
( http://www.yokogawa-digital.com/ )
【イーソル株式会社の概要】
イーソル株式会社は1975年の創業以来、「コンピュータエンジニアリングを通じて社会に貢献する」、という理念のもと、組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、トータルソリューションを提供します。
イーソルはT-Engineフォーラムの幹事会員として、T-EngineおよびT-Kernel関連の技術開発、サービス提供を強力に進めています。取り扱っている組込みソフトウェア製品には、T-Kernel/μITRONベースシステム開発スイート「eBinder」のほか、T-Kernelの拡張版「eT-Kernel」、μITRON4.0仕様準拠「PrKERNELv4」のリアルタイムOSをはじめとするRTOS/ミドルウェア製品群「eParts」のラインアップがあります。
2004年1月に米国オレゴン州に子会社 eSOL, Inc. を設立し、日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに「eBinder」、「eParts」の販売活動を広げています。
( http://www.esol.co.jp/embedded/ )
【補足資料】
■advicePROについて
「advicePRO」は、当社従来製品「advicePLUS」の高機能・拡張性と、「advicePOCKET」のコストパフォーマンスとの、両方の長所を併せ持った製品として位置付け、高速・大容量をキーワードに基本性能の向上を実現しました。また、最小構成から必要な機能をオプションとして選択する構成となっており、開発フェーズや開発規模に合わせてツールを導入することができます。
( http://www.yokogawa-digital.com/advicePRO/ )
■eBinderについて
eBinderは、T-Kernel、μITRONをコアとするシステム向けの開発スイートです。従来のT-Kernel/μITRONソフトウェア開発に不足していた、優れた開発環境を提供します。リアルタイムOSを使ったシステム開発のためにゼロから設計された開発ツール・機能群を使うことで、リアルタイムシステム特有の問題を容易に解決でき、リアルタイムOSを最大限に活用できます。eBinderは、C/C++コンパイラを含む各種開発ツール群と、あらゆる組込みソフトウェアのベースとなるターゲットプラットフォームを構成するモジュール群があわせて提供されます。マルチコアプロセッサ対応機能や、JTAG ICEとの連携機能、大規模なソフトウェア開発向けに有用な機能も豊富に提供しています。
( http://www.esol.co.jp/embedded/ebinder.html )
■eT-Kernel Multi-Core Editionについて
eT-Kernel Multi-Core Editionは、マルチコアプロセッサを使う組込みシステムのためのリアルタイムOSです。デジタル情報家電や車載機器、モバイル機器など次世代の高機能な組込みシステムに最適です。初めてマルチコアプロセッサを利用する場合でも、既存のソフトウェア資産の再利用や、柔軟なシステム設計を可能にする工夫など、マルチコアプロセッサ向けのソフトウェア開発を進めやすいテクノロジーが搭載されています。SMP型プログラムとAMP型プログラムを、ひとつのシステム内に混在可能で、シングルコアプロセッサ向け既存ソフトウェアの再利用を促進すると同時に、マルチコアプロセッサのメリットを最大限に生かした高スループットの新規ソフトウェアの開発が容易です。
( http://www.esol.co.jp/embedded/et-kernel_multicore-edition.html )
* advicePLUS、advicePOCKETおよびadvicePROは、横河ディジタルコンピュータ株式会社の登録商標です。
* eBinder、eParts、PrKERNEL、PrKERNELv4、PrFILE、PrCONNECT、PictDirectはイーソル株式会社の登録商標です。
* eT-Kernel、PrHTTPD、PrMAIL、PrSNMP、PrUSB、PrPCCARDはイーソル株式会社の商標です。
* TRON は"The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
* ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
* μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
* TRON, ITRON, T-Engine, T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称であり、特定の商品ないしは商品群を指すものではありません。
* その他記載されている会社名、製品名は各社の商標又は登録商標です。
【当ニュースに関するお問い合わせ窓口】
■横河ディジタルコンピュータ株式会社
advice事業部
〒183-8516 東京都府中市府中町1-9 京王府中1丁目ビル3F
TEL:042-333-6202 FAX:042-352-6107
E-mail: info-advice@yokogawa-digital.com URL: http://www.yokogawa-digital.com/
■イーソル株式会社
エンベデッドプロダクツ事業部
TEL:03-5302-1360 FAX:03-5302-1361
E-mail: ep-info@esol.co.jp URL: http://www.esol.co.jp/embedded