エシキャット・ジャパン、パワーデバイス用半導体SiCエピタキシャルウェハーを販売
パワーデバイス用半導体SiCエピタキシャルウェハーを販売開始
独立行政法人 産業技術総合研究所(理事長 吉川 弘之)の技術移転ベンチャーである有限責任事業組合エシキャット・ジャパン(茨城県つくば市、代表 渡辺 純一、以下「エシキャット」)は、本年11月より、低損失パワーデバイス用半導体材料として期待されているSiC(シリコン・カーバイド)エピタキシャルウェハーの販売を開始いたしました。
今般販売を開始したのは、単結晶SiC薄膜について世界最高水準の均一性と結晶性を実現した高品質エピタキシャルウェハーであり、Si(シリコン)面を用いた2インチ及び3インチサイズのものです。併せてC(カーボン)面基板を用いたエピタキシャルウェハーについても、お客様のご要望によりサンプル供給を行います。
SiCエピタキシャルウェハーを用いた半導体は、現在主流のSi半導体をしのぐ性能を持ち、電力・自動車・鉄道・家電などさまざまな分野に利用されている電力変換用スイッチングデバイスや、通信用の高性能・大電力高周波デバイスなどのパワーデバイスへの応用が期待されています。これまでは高品質のSiCエピタキシャルウェハーを安定的に供給できるメーカーが国内には無く、SiCの特性を活かすデバイス開発や産業育成の阻害要因となっていました。
エシキャットは独立行政法人産業技術総合研究所(理事長 吉川 弘之)、財団法人電力中央研究所(理事長 白土 良一)、昭和電工株式会社(代表取締役社長 高橋 恭平)の各々が有する独自技術及び共同研究成果を活用し、パワーデバイス用SiCエピタキシャルウェハーを量産・販売することを目的として2005年9月20日に設立された有限責任事業組合です。
なお、エシキャットは2006年11月9日と10日の2日間、高崎シティギャラリー(群馬県高崎市)において、応用物理学会が主催する「SiC及び関連ワイドバンドギャップ半導体研究会」講演会の併設企業展示会に出展致します。
以上
【 ご参考 】
・「エシキャット」概要
組織名 有限責任事業組合エシキャット・ジャパン(ESICAT Japan, LLP)
設 立 2005年9月20日
代表 CEO 渡辺 純一
事業概要 高品質SiCエピタキシャルウェハーの研究開発および製造・販売
・有限責任事業組合(Limited Liability Partnership:LLP)
有限責任事業組合契約に関する法律(平成17年法律第40号)に基づき設立される組合。米国のLLP(Limited Liability Partnership)に類似の制度であるため、「日本型LLP」と呼ばれる。組合債務に対する組合員の責任が出資額を限度とする有限責任であること、法人税の課税対象とならないことなどが特徴。法人格は認められない。