日本TI、次世代DVDプレーヤ向けオーディオDSPを発表
日本TI、次世代DVDプレーヤ向けオーディオDSPを発表
~Aureus(TM) DSPにドルビーデジタルCompatible Outputテクノロジーを搭載
最新のミキシング機能や、トランスコーデック機能に対応~
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、同社の高性能オーディオDSPプラットフォームである Aureus(TM)(読み:オーリアス)ファミリの『TMS320DA710』と『TMS320DA708』(以下『DA710』と『DA708』)最新版を発表しました。新たにドルビーデジタルCompatible Outputテクノロジーを搭載し、高速なメモリ・インターフェイスを備え、演算性能も大幅に強化されました。
現在、ホームシアター・システムは次世代DVD対応に移行しつつあります。こうした状況を踏まえて、新製品『DA710』と『DA708』は、新たにドルビーデジタルCompatible Outputテクノロジーを搭載し、HD DVDやブルーレイなどの次世代DVDの再生において、ドルビーデジタルで圧縮されたサラウンド・サウンドを実現しつつ、デジタル・オーディオ入力系統(S/PDIFや光学系など)を備えたドルビーデジタル対応オーディオ/ビデオ・レシーバ全般との互換性も確保しました。
本件に関する詳細は www.ti.com/performanceaudio7 (英文)から参照できます。
新『DA710』と『DA708』の対象アプリケーションは、単品オーディオ、ビデオ、HD(高品位)テレビ、家庭用メディア・サーバ、車載オーディオ、デジタル・オーディオ対応ミニコンポ、次世代DVDプレーヤなど、マルチチャネルでのデコード処理と高速エンコード処理を必要とするAV製品全般です。
次世代DVD機器における革新的なオーディオ機能を実現
新製品『DA710』と『DA708』をはじめとするTIのAureusファミリは、次世代DVDプレーヤにおけるオーディオのミキシングと再エンコードなど、最新の各種アプリケーションでの使用に最適です。TIは、ドルビーデジタルCompatible Outputテクノロジーなど多くの技術に対応したマルチチャネル・オーディオ・エンコーダの量産出荷により、コンシューマ機器メーカが簡単に、かつコスト効率よくドルビー・デジタルサラウンド・サウンドの再生を実現できるよう支援します。
ミキシング機能は、デュアル・オーディオ・ストリームをサポートする次世代型光学ディスク・プレーヤで必要となる機能です。たとえば映画のサウンドトラックの場合、プライマリ・オーディオ・ストリーム(もともとのサウンドトラック)に、インターネット経由でダウンロードしたセカンダリ・オーディオ・ストリーム(制作現場のコメント、広告コンテンツなど)をミックスするといった全く新しい使い方が実現します。『DA7xx』DSPなら、サンプリング・レートが異なる場合でもプライマリ・オーディオ・ストリームとセカンダリ・ストリームのミキシングが行えるだけでなく、さらに画面上で操作できる「ボタン・サウンド」のための第3のオーディオ・ストリームとのミキシングも可能です。ミキシング以外にも、ヴァーチャル・サラウンドやヘッドホン・サラウンドなど、さまざまな音響効果を追加可能です。
なお日本TIでは、今回発表した新製品のほかにも、ドルビーTrueHD、ドルビーデジタルプラス、ならびにDTS-HDオーディオをサポートするソリューションや、次世代型光学ディスク・プレーヤ向けの包括的なオーディオ・ソリューションなども提供しています。
高速メモリ・インターフェイスを搭載
オーディオ・アルゴリズムや高度な処理機能の多くはメモリの帯域幅や容量に大きく依存し、外部メモリの搭載を必要とします。例えば、残響や仮想化などのエフェクトをかけるためには長い遅延バッファが必要であり、内蔵メモリだけでは処理が不十分になりがちです。新製品では、SDRAMのアクセス・スピードが最大で133MHzまで高められるとともに、プロセッサのスピードも『DA710』では300MHzと275MHz、『DA708』では266MHzとなりました。外部メモリ・アクセスが高速になれば遅延バッファの処理レイテンシを低く抑えることができ、コーデック・パフォーマンスとオーディオ品質が総合的に向上します。
メモリ・インターフェイスのアクセス・スピードが向上すると、プログラムやアプリケーション・アップデートの時間も全般的に短縮されます。新しいアルゴリズムや新機能をサポートするなど既存製品のプログラムをアップデートした場合、新しいコードやデータはDSPの内部ROMではなく、外部メモリに配置させます。メモリ・アクセスのパフォーマンスが向上することで、ボトルネックになりがちな外部メモリにマッピングしたコードやデータの読み出し・書き込みにおけるパフォーマンスが改善されます。
供給、パッケージ、価格について
新製品は既にドルビーデジタルCompatible Outputの認証取得を完了しており、本日より販売します。
133MHzのメモリ・インターフェイスを持つ新しい『DA710』デバイスは、256ピンのBGAパッケージで提供します。1万個以上受注時の単価は、300MHz動作の『DA710』が参考価格で21.63ドル、275MHz動作の『DA710』が同じく16.05ドルです。また133MHzのメモリ・インターフェイスを備えた266MHz動作の『DA708』はRFPパッケージで提供します。1万個以上受注時の単価は参考価格で13.52ドルです。
なお『DA710』と『DA708』では特に車載アプリケーション用として、動作温度範囲を広げ、Q100認証を取得した品種も提供します。車載アプリケーション用『DA710』は275MHz動作、同『DA708』は250MHz動作です。いずれも、133MHzのSDRAMインターフェイスを備えています。
Aureusデバイスは、新しいHD規格だけでなく、ドルビーやDTS、SRS Labs、THX、マイクロソフトなどが提供する業界標準のデコーダやポストプロセッサについても、さまざまな開発ツールとコーデックを提供しています。またTIエフェクト・ライブラリとTIパーフェクト・プレイバック(オーディオ・システムの構築に必要な圧縮オーディオのエンハンサ、フレームワークおよびI/Oソフトウェア)も提供しています。
※AureusはTexas Instruments社の商標です。その他、すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。
【テキサス・インスツルメンツおよび日本テキサス・インスツルメンツについて】
テキサス・インスツルメンツ(本社:米国テキサス州ダラス、社長兼CEO:リッチ・テンプルトン、略称: TI)は、グローバルな半導体企業であり、デジタル家電、ワイヤレス市場などに向けたDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)とアナログICを中核とするトータル・ソリューションを提供しています。そのほか、E&PS(教育関連)事業を展開、世界25ヶ国以上に製造・販売拠点を持っています。
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は、テキサス・インスツルメンツの子会社で日本市場における大手の外資系半導体サプライヤです。資本金は362億5,000万円です。大分県日出、茨城県美浦に生産工場があり、茨城県つくばと神奈川県厚木にテクノロジー・センターがあります。
TIに関する情報はインターネットでも発信しています。( http://www.tij.co.jp )
【読者向けお問い合わせ先】
日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
プロダクト・インフォメーション・センター(PIC)
FAX:(0120)81-0036 URL: http://www.tij.co.jp/pic/
以上