NEC、携帯電話など組込み機器向けソフトの統合開発ツールを販売開始
組込み機器向けソフトの統合開発ツール
「SystemDirector Developer's Studio Embedded」の発売
NECは、携帯電話やデジタル家電などの組込み機器向けソフトの統合開発ツール「SystemDirector Developer's Studio Embedded」を製品化し、本日より販売活動を開始いたしました。
新製品は、設計、実装、デバッグ(検証)というソフトウェア開発の各工程を一貫してサポートしており、一連の作業を途切れなく実行しプロジェクト全体の効率的な開発と品質の向上を実現いたします。
また、新製品の各機能は急速に普及しつつあるオープンソース(OSS)の開発環境Eclipse(エクリプス)に対応し、Eclipseのプラグイン(機能拡張ソフト)という形式で提供いたします。これにより、開発者は既に習得し、手馴れたEclipseの操作感、インターフェイスを用いて新たに組込み機器向けのソフトウェアの開発環境を構築することができます。
組込み機器向けソフト開発には、ターゲットとなる機器をエミュレート(仮想実行)してデバッグを行うための装置が必要となります。今般、NECでは、株式会社コンピューテックス(本社:京都市東山区、代表取締役社長:山田 登)と協業し、同社のJTAGエミュレータ(注1)「PALMiCE(パームアイス)」並びにデバッガ・ソフトウェア「CSIDE(シーサイド)」との連携を実現いたしました。これにより、機器を含めたトータルな開発環境を提供いたします。
新製品の価格は、100,000円(税抜)からであり、出荷開始時期は11月10日であります。
NECでは、このたびの新製品について今後3年間で3000ライセンスの出荷を見込んでおります。
新製品の特長は以下の通りであります。
1. 開発環境Eclipseに対応し設計、実装、デバッグを一貫サポート
新製品は、コンパイラやデバッガなどソフト開発に必要なツールを統合的に提供するオープンソースの開発環境Eclipseに対応したNEC製プラグインや、あらかじめEclipseとの連携に関する動作検証を行なったオープンソースのプラグインを追加することが可能である。これにより上流から下流まで組込みソフトウェア開発のライフサイクル全般をサポートする。具体的には、国際標準のシステム設計図表記法であるUML2.0に準拠したUMLエディタ「SystemDirector Application Modeler UML Editor」(注2)との連携や、C言語のソースプログラムに関する誤りや命名規則違反チェック機能、既存のソースコードのインポート時の文字コード判別を可能とするプラグインを開発して提供する。
また、オープンソースのプラグインとしてはEclipse上でC言語やC++言語を利用したソフトウェア開発を可能とするプラグインや、オープンソースの構成管理ツールである「Subversion」と連携可能なプラグインを組み合わせて提供する。
2. コンピューテックス社のデバック環境と連携
新統合開発ツールはコンピューテックス社のJTAGエミュレータ「PALMiCE」およびデバッガ・ソフトウェア「CSIDE」をEclipse環境から利用可能にするプラグインを提供する。これにより組込み機器向けソフトのデバッグが可能になるとともに、デバッガ、JTAGエミュレータとEclipseを連携できるため効率的な組込み機器向けソフトのデバッグを可能とする。
また、UMLエディタのデータから自動的にソースを生成するオプション製品「SystemDirector Application Modeler C Generator」や、実行プログラム性能や挙動を解析する「mevalet」と組み合わせることで、開発の効率化を一層促進いたします。
なお、組込みソフトウェア開発要員育成を図るため、NECラーニング(注3)のUML教育には「SystemDirector Application Modeler UML Editor」を使用しております。
携帯電話やデジタル家電などに搭載される組込みソフトウェアの開発には、機能向上を実現するために開発規模が肥大化したり、製品サイクル短縮化によって開発期間もより短縮されるという傾向があり、ソフトウェアの品質確保・向上が課題となります。このため、組込みソフトウェアの開発を効率化し、品質の向上を実現する統合的な開発ツールが求められており、このたびの新製品はこうした市場のニーズに応えたものであります。
なお、NECでは、本年11月15日から17日までパシフィコ横浜で開催する「Embedded Technology 2006」と、12月6日から8日まで東京ビッグサイトで開催する「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2006」に本製品を出展いたします。
以上
(注1) JTAG(Joint Test Action Groupの団体名の略称)接続でCPU内蔵のデバッグ機能をつかったエミュレータ。
PALMiCE、CSIDEは株式会社コンピューテックスの登録商標です。
(注2) SystemDirector Application Modelerホームページ
http://www.nec.co.jp/cced/SDAM
(注3) NECラーニング http://www.neclearning.jp/
<本件に関するお客様からのお問い合わせ先>
NEC 開発環境技術本部
電話:(03)3456-6338
E-mail: info@agsd.jp.nec.com