テクノマセマティカル、TI製デジタル・メディア・プロセッサ向けに高速ビデオデコーダソフトを提供
テキサス・インスツルメンツ製デジタル・メディア・プロセッサ向けに
H.264、MPEG-4高速デコーダソフトウェアを提供開始
―国内初、ワンセグ規格の高品質動画再生をTMS320DM290で実現―
株式会社テクノマセマティカル(本社:東京都品川区、代表取締役社長 田中正文 東京大学客員教授)は、先に開発した数学的手法を駆使した革新的演算アルゴリズム「DMNA」(Digital Media New Algorithm)を使用して開発した、高速ビデオデコーダソフトウェア製品をテキサス・インスツルメンツ製デジタル・メディア・プロセッサTMS320DMシリーズへ携帯電話向けに最適化して提供を開始しました。
携帯電話端末は、メインディスプレイのフルカラー化、大型・高精細化が進んでおり、地上デジタル放送や高速通信の普及に伴う、高画質映像コンテンツの再生ニーズが高まっています。一方で、端末コストを抑えつつ、様々な映像規格・フォーマットに対応するため、ソフトウェアによる映像機能の実現(高度な映像処理性能)およびソフトウェア資産の効率利用等(スケーラビリティ)が求められています。
テクノマセマティカルのDMNAを用いた高性能ソフトウェア製品は、高品質と低いプロセッサ負荷を両立しており、国際標準の圧縮・伸張規格を中心に様々なマルチメディアフォーマットに対応しています。特に携帯電話やデジタルスチルカメラ等の携帯型機器の分野で多くの採用実績があり、加えて昨今では、高画質・大画面対応等が求められる据置き型映像機器の分野にも、ライセンス実績を拡大しています。
このたび当社は、欧州、アジアの携帯電話メーカーを中心に、広く採用が進んでいるテキサス・インスルメンツ製デジタル・メディア・プロセッサTMS320DM290(※1)に最適化したH.264、MPEG-4ソフトウェアの提供を開始しました。当社は、同プラットフォーム向けにH.264(ワンセグ規格で採用)のエンコーダ/デコーダソフトウェアを実用レベルまで高速化して提供する、初めての国内事業者となります。これにより、下記のメリットが得られます。
・最新の動画圧縮・伸張規格をストレスなく処理(QVGA 20fps相当(※2)のH.264デコード性能)
・ハードウェアアクセラレータと内蔵CPUコアの協調による低消費電力動作
・TMS320DMシリーズをはじめとしたTI製プロセッサファミリーとの高い親和性
・経験豊富な日本人技術者による柔軟かつスピーディな対応
日本テキサス・インスツルメンツ株式会社ASP事業部AV DSPビジネス・デベロップメント部DSCセルラーメディアグループシニアマネージャー松迫恭二氏のコメント
「テクノマセマティカルの高速ビデオエンコーダ/デコーダソフトウェアは、TMS320DMシリーズならびに多くのTIプラットフォームと親和性が高いことを確認いたしました。今回、同社のビデオデコーダソフトウェアがTMS320DM290向けに最適化して提供されることで、国内はもとより海外市場での携帯電話向けビデオアプリケーションの普及が促進されます。」
今後、テクノマセマティカルは、DMNAを核とした国際標準規格対応の動画・静止画圧縮・伸張ソフトウェア製品をTMS320DMシリーズをはじめとする、テキサス・インスツルメンツのプロセッサ製品に最適化して提供してまいります。端末の高機能・高性能化と開発効率の向上を両立するための携帯電話向けマルチメディア圧縮・伸張ソリューションをぜひご活用ください。
本件発表に伴う平成19年3月期(平成18年4月1日~平成19年3月31日)業績への影響については現在精査中であり、修正の必要がある場合は、速やかにご報告いたします。
(ご参考:動作環境例)
プロセッサ TMS320DM290(動作周波数:90MHz)
処理内容 H.264デコード(Baseline Profile)
画像サイズ QVGA(320画素×240行)
フレーム速度 20フレーム/秒
* 革新的なアルゴリズムDMNAとは、画像や音楽の圧縮伸張処理で使われているDWT(離散ウェーブレット変換)、DCT(離散コサイン変換)、算術符号、ME(動き検出)、デブロッキングフィルタ等の負荷が重い演算処理を下記の手法を組み合わせることで、演算の負荷を大きく減らし、画質や音質を損なうことなく高速処理することを可能にする計算手法です。
1. 因数分解を活用して、計算を簡略化し、演算回数を大幅に削減させます。
2. 折り返し理論を活用して、数値空間を狭くし、演算回数を削減します。
3. 演算式を階層化し、優先度を付けて必要な計算だけを実行します。
4. 複雑な計算式を、階層化することによって簡易化します。
5. それぞれの関数を、効率的に変換します。
株式会社テクノマセマティカルについて
テクノマセマティカルは、2000年6月に東京都品川区に設立、2005年12月に東京証券取引所マザーズ市場に上場しました。東京大学客員教授で工学博士の田中正文によって設立された、数学の専門家とエレクトロニクス技術者が結集したアルゴリズムスペシャリスト集団です。
同社のミッションは、数学的手法を用い、独自アルゴリズムを駆使した差別化技術で、低消費電力、高速、高画質、高音質の圧縮伸張等のソリューションを、成長著しいモバイル機器やデジタル家電等に提供、お客様の成功を実現し、夢と感動を与え続けることです。
http://www.tmath.co.jp
(※1)TMS320DM290: テキサス・インスツルメンツのデジタル・メディア・プロセッサ。主にカメラ付携帯電話に採用されている。動作周波数は90MHz。
(※2)QVGA 20fps: 画像サイズ320 画素×240 行を毎秒20 枚処理する。
※本文中に記載の社名及び製品名は、各社の商標または登録商標です。