アナログ・デバイセズ、産業用など向けBlackfinファミリー「ADSP-BF54x」を発表
アナログ・デバイセズ、最新のBlackfin(R)ファミリー
「ADSP-BF54x」を発表
~新しいレベルのシステム性能と組込みセキュリティ機能を提供~
アナログ・デバイセズ社(ニューヨーク証券取引所:ADI)は、Blackfin(R)プロセッサの最新シリーズとなる「ADSP-BF54x」ファミリーを発表します。同ファミリーは、「ADSP-BF542」「ADSP-BF544」「ADSP-BF548」「ADSP-BF549」で構成されます。Blackfin ADSP-BF54xファミリーは、増加したI/O機能と調和のとれたメモリ帯域幅、オンチップ・メモリ、CANおよびMOSTシステム・ペリフェラル機能を特長とし、産業用および自動車用マルチメディア/車内ネットワーキング・アプリケーション向けに、高い性能とコスト効率を提供します。さらに、ADSP-BF54xファミリーは、Lockbox(TM)セキュア・テクノロジも組み込んでいるため、開発者にとって製品の差別化を図るために貴重な知的財産となるソフトウェア・コードの保護が可能です。
アナログ・デバイセズ社コンバージェント・プラットフォーム&サービス・グループのゼネラル・マネージャ、ジョン・クロトー (John Croteau)は、次のように述べています。「このたび投入した最新のBlackfinプロセッサ・ファミリーは、これまで以上に高性能で、接続のしやすいエレクトロニクスの設計に必要となる様々な機能を開発者に提供します。カー・エレクトロニクス・メーカーや産業用機器メーカー、特にフィールド・アップグレード機能を必要とするアプリケーションを設計している企業にとって、最適なプロセッサです。
Blackfinプロセッサは、マルチメディア信号処理と制御処理サポートをあわせて提供するため、これらのアプリケーションを開発する上で卓越したプロセッサといえます。特に自動車用アプリケーションにおいては、Blackfinプロセッサの特長であるソフトウェア・フレキシビリティは不可欠な要素です。車のコンセプトができあがってから実際に車が出荷されるまでにかなりの時間がかかり、その間にメディア・フォーマットや通信規格が変わってしまうからです」
新しいADSP-BF54xファミリーは、最高600MHzのスピードで動作し、システム・ペリフェラル機能集積のニーズに適合するように、Blackfin内部のバス帯域幅を2倍の532Mバイト/秒にしています。この内部帯域幅は、最大260kバイトのオンチップ・メモリと整合しています。さらに、高性能処理の補完用に豊富なペリフェラル機能を集積しているので、外付け部品の必要性を最小化し、システム・コストおよび開発リスクを低減できます。集積PHY付き高速USBオン・ザ・ゴー(OTG)、ATAPIコントローラとNANDフラッシュ・コントローラは、ADSP-BF54xファミリーが提供するペリフェラル・オプションの一例です。ADSP-BF54xファミリーは、最大152個の汎用I/Oポートもサポートしており、さらにMXVR(MOSTネットワーク・メディア・トランスファ)インターフェースを提供しているためMOSTネットワークを通して、自動車用テレマティクスやインフォテインメント・システムを容易に車体に組み込むことができます。
ADSP-BF54xファミリーは、他のBlackfinプロセッサと同様、CROSSCORE(R)ソフトウェアおよびハードウェア開発ツールによってサポートされています。この開発ツールには、すでに業界で高い評価を得ているVisualDSP++(R)統合開発デバッグ環境(IDDE)、エミュレータ、そしてEZ-KIT Lite(R)評価用ボードが含まれています。
産業用アプリケーションに注力
新しいBlackfinファミリは、フィールド・アップグレード機能、ローカル・ストレージ、およびディスプレイ機能が不可欠となる多種多様な産業用アプリケーションに最適です。ターゲットとする市場は、ファクトリ・オートメーション、ワイヤレス計測機器、ワイヤレス通信用無線機と交換機、セキュリティ・システムなどで、Blackfin ADSP-BF54xの信号処理性能と豊富なペリフェラル機能セットにより、これらの最終アプリケーションにおける差別化が可能となります。
自動車用テレマティクスとインフォテインメント・システムにおけるリーダシップ
今日のマルチメディア・コンテンツ規格は刻々と変化しており、カー・エレクトロニクスが車の出荷前の段階で時代遅れになってしまう可能性があります。このため、自動車用テレマティクスとインフォテインメント・システムにおいては、これまでとは異なる処理プロファイルが用いられています。新しいコードとピン互換のBlackfin ADSP-BF549は、卓越したシステム性能と豊富なペリフェラル機能の集積により、CAN(コントローラ・エリア・ネットワーク)とMOST(メディア指向システム・トランスポート)機能を内蔵しており、オーディオ/ビデオ後部座席エンターテインメント・システム(RSE)、デジタル・ラジオ、ドライバ・アシスタンス・システム、ナビゲーション・ヘッド・ユニット、ハンズフリー電話などの多種多様なアプリケーションに対応できるプラットフォームとなっています。
システム性能の強化が機能統合されたアプリケーションを促進
アウディ社(Audi AG、ドイツ インゴルシュタット)のインフォテインメント・デベロップメント担当ディレクター、ペーター・コ
ールシュミット(Peter Kohlschmidt)氏は、次のように述べています。「オーディオ、ビデオやハンズフリー通信では、ますます強力な処理能力が求められるようになっており、システムの性能は車載エレクトロニクスを実現する上で極めて重要な要素となっています。
Blackfinプロセッサが、当社のオーディオ・ヘッド・ユニットに適していることはすでに実証されています」
Lockbox(TM)セキュリティ機能が知的財産を保護
Blackfin ADSP-BF54xファミリーには、新しいLockbox(TM)セキュア・テクノロジが組み込まれています。このテクノロジより、開発者は、認証によりコードとデータの完全性を保証し、さらにシステムの一部またはすべてを暗号化して機密保護を行うことができます。これにより、開発者は自分自身の製品の知的財産を保護できるだけでなく、メディア・プレーヤのような機器に要求されるデジタル著作権管理(DRM)コンテンツ保護のためのプラットフォームの提供も可能となります。Lockboxソフトウェア・ベース・システムのプログラマブル機能により、システム設計者は各自に適した暗号化アルゴリズムを選択することができるようになります。
価格と供給について
ADSP-BF542は、400MHz、533MHz、と600MHz品があり、単価は11.95ドルから15.65ドルです。ADSP-BF544は、400MHz品と533MHz品を供給しており、単価は13.25ドルから15.35ドルです。ADSP-BF548は、533MHz品と600MHz品があり、単価は15.95ドルから17.95ドルです。ADSP-BF549は、533MHzで、単価は18.58ドルです。すべて10,000個受注時の価格で、米国における参考価格です。
詳細は、ウェブサイトhttp://www.analog.com/processors/blackfin/をご覧下さい。
将来の機能統合された機器はBlackfinクラスの処理を要求
アナログ・デバイセズのBlackfinプロセッサは、マルチフォーマットのオーディオ、ビデオ、および画像処理、マルチモードのベースバンドとパケット処理、リアルタイムのセキュリティやコントロール処理といった、機能のコンバージェンスが不可欠なアプリケーション向けに、業界最高の性能とパワー効率を提供する新しい種類の16/32ビット組込みプロセッサです。Blackfinは、マイクロコントローラ(MCU)とデジタル信号処理(DSP)機能を、1つの集積チップに統合した強力でスケーラブルなソフトウェア・プログラマブル・アーキテクチャが特長で、デジタル・ホーム・エンターテインメント、ネットワークやストリーミング・メディア、車載用テレマティクスおよびインフォテインメント、デジタル・ラジオやモバイルTVといった多様なコンバージェント・アプリケーションに採用されています。
アナログ・デバイセズについて
アナログ・デバイセズ(ADI)は、半導体市場において40年という長い間成長を続けてきましたが、その成長を支えてきたのが技術革新、高性能、および卓越した技術力を受け継いできた企業文化です。ADIは、データ・コンバージョンおよびシグナル・コンディショニング技術の世界的リーディング企業として、業界で高い評価を得ており、実質的にあらゆる種類の電子機器分野を網羅する世界各国の60,000社以上の顧客にサービスを提供しています。アナログおよびデジタル信号処理アプリケーションに用いられる高性能集積回路の世界的なリーディング・メーカーとして、40年以上の歴史を誇るADIは、本社をマサチューセッツ州ノーウッドに構え、従業員数は8,900名です。マサチューセッツ州、カリフォルニア州、ノース・キャロライナ州やアイルランド、フィリピンに製造拠点があります。アナログ・デバイセズの普通株はニューヨーク証券取引所に上場しており、ADIはS&P 500インデックスに挙げられています。
www.analog.com
※Blackfin、CROSSCORE、VisualDSP++、およびEZ-KIT Liteはアナログ・デバイセズ社の登録商標です。Lockboxはアナログ・デバイセズ社の商標です。ここに挙げたその他の商標はすべてそれぞれの所有者の財産です。
画像データをご用意してあります。ご希望の方は、お手数ですが(analogpr@kyodo-pr.co.jp)までご連絡下さい。
製品に関する読者からのお問い合わせ先
アナログ・デバイセズ株式会社
techsupport.japan@analog.com