フリースケール、家庭内ネットワーク機器向けにGigabit Ethernet内蔵の通信プロセッサーを開発
フリースケール、低価格版の家庭内ネットワーク機器向けにGigabit Ethernet内蔵の通信プロセッサPowerQUICCを開発
パワフルな高集積PowerQUICCにより、4本のHDストリームを同時に暗号化/配信可能な低価格のデジタル・メディア・サーバを実現
フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン株式会社(本社:東京都目黒区下目黒1-8-1、代表取締役社長:高橋恒雄)は、豊富なマルチメディア・コンテンツの複数ストリームを家庭内で安全に配信・処理できる低価格プロセッサを求める市場の声に応えて、フリースケール・セミコンダクタが、セキュリティ機能搭載のMPC8313E PowerQUICCIIPro通信プロセッサを開発したと発表しました。
MPC8313Eは、Gigabit Ethernet、USB2.0(High Speed)、および先進のパワー・マネジメント技術を独自に組み合わせることで、レジデンシャル・ゲートウェイ、IEEE(R) 802.11nアクセス・ポイント、デジタル・メディア・サーバ、ネットワーク・アクセス、プリンタなど、さまざまなコンスーマ用アプリケーションに理想的なプラットフォームを提供します。
このコストパフォーマンスに優れたプロセッサは、著作権保護、QoS(Quality of Service:サービス品質)、使いやすさといった、デジタル・ホーム・テクノロジに求められる多くの重要な条件を満しています。また、家庭内の複数の機器でデジタル・コンテンツを容易に管理、再生、印刷、および共有を可能にするDLNA対応製品等の開発にも最適です。
フリースケールの副社長兼デジタル・システム・ディビジョンのジェネラル・マネージャー リネール・マッケイは次のように述べています。「音声、映像、そしてデータ・コンテンツを配信できる手ごろな価格帯のコンスーマ機器を求める声は世界中で高まっており、それに応えるためには、Gigabit Ethernetを備え、コストパフォーマンスが最適な高集積なプロセッサが必要です。MPC8313Eプロセッサは、コストと集積度のニーズに応えるだけではなく、業界最先端のセキュリティ技術を提供します。」
MPC8313Eは、低価格でさまざまな高速ペリフェラルをシステムに実装することができます。MPC8313Eは、Gigabit EthernetとUSB2.0コントローラおよびUSB PHYに加えて、最大333MHzで動作する32ビットのDDR1/DDR2メモリ・コントローラ、32ビットのPCIコントローラ、16ビットのローカル・バス、および4つのダイレクト・メモリ・アクセス(DMA)チャネルを備えています。MPC8313Eのセキュリティ・エンジンは、フリースケールの豊富な暗号化技術をベースに開発されました。(MPC8313Eの「E」は暗号化機能をチップ上に搭載していることを意味します)。
IDCの半導体部門シニア・アナリストIdaRose Sylvester氏は、次のように述べています。「デジタル・メディア・サーバ、コンスーマ向けNAS、レジデンシャル・ゲートウェイ、および関連アプリケーションの普及に伴って、『家庭内ネットワーク』での処理性能の向上と安全なコンテンツ配信が求められるようになりました。キャリアクラスのネットワークおよびセキュリティ・アプリケーションの開発で培ったシリコン技術を、価格要求の厳しいコンスーマ市場に応用できる企業は、この市場での競争で優位に立つことができるでしょう。」
Power Architecture(TM)テクノロジをベースとした最新世代のe300コアを装備したMPC8313Eプロセッサは、最大333MHzで動作し、最高700MIPSの性能を実現するため、機能が豊富なアプリケーションや高性能ペリフェラルの要求にも十分に対応できます。このプロセッサは、メモリ管理ユニット(MMU)と、16KBのL1命令キャッシュおよびデータ・キャッシュを搭載しています。
PowerQUICCIIプロセッサの後継であるMPC8313Eは、システム開発に必要な部品点数を減らします。また、最大限のコード再利用、主要ペリフェラルの統合、コストパフォーマンスに優れたリファレンス・デザインの提供、そして強力なサードパーティ・エコシステムによる開発ツールおよびアプリケーション・ソフトウェア・サポートの提供により、新製品の市場投入がスピードアップします。
さらに、統合されたセキュリティ・エンジンが、高負荷な暗号化処理をCPUと切り離して行うため、MPC8313Eの暗号化技術はスループット性能には影響しません。
セキュリティ処理ユニットは、DES、3DES、Advanced Encryption Standard(AES)、セキュア・ハッシュ・アルゴリズム(Secure Hash Algorithm:SHA-1)、およびMD-5アルゴリズムの処理をハードウェアでスピードアップしています。
MPC8313Eは、産業制御および試験/測定アプリケーションの基本となるIEEE 1588タイミング・プロトコルをサポートします。また、LAN制御およびスイッチング・アプリケーションには、Gigabit Ethernetコントローラ用のSGMIIシリアル・インタフェースで対応します。MPC8313Eがサポートする他のアプリケーションとしては、ライン・カード・コントローラ、ブロードバンド・ルータ、インテリジェントNIC、統合アクセス・デバイス、802.11nワイヤレスLANアクセス・ポイントなどがあります。
MPC8313Eは、厳しい電力規制にも対応し、ACPI標準もサポートします。また、スマート・ウェイクアップなどの電力管理機能を備えており、300mW未満という非常に低いスタンバイ電力を実現しています。
MPC8313Eは、516ピンのPBGAパッケージで提供されます。また、90nmプロセス技術を採用し、コア電圧は1.0V、I/O 電圧3.3Vです。
MPC8313Eプロセッサおよび関連アプリケーション・ソフトウェアの設計、開発、および検証は、すべてインドのノイダにあるフリースケールのデザイン・センタで行われています。
プリンティング市場向けに最適化された派生製品「SC8311E」
フリースケールでは、プリンティングおよびイメージング市場専用に設計されたSC8311Eも併せて発表します。MPC8313EをベースとしたSC8311Eは、最先端かつフル機能のレーザ・プリンタを低価格で開発可能とするコストパフォーマンスに優れたSoC(System On Chip)製品です。SC8311Eは、先進の低電力機能によって、欧州や日本の市場で新たに導入される省エネ規制に対応します。
価格と供給
MPC8313Eのサンプル出荷は、2007年第1四半期に開始される予定です。また、2007年の第2四半期より量産が開始される予定です。1万個発注時の1個あたりの参考価格は15ドル(USD)となっています。
【 フリースケール・セミコンダクタについて 】
フリースケール・セミコンダクタ・インクは、自動車用、民生用、産業用、ネットワーキングとワイヤレスマーケット向け組込み用半導体のデザインと製造の世界的リーダーです。2004年7月にニューヨーク証券取引所に上場しています。
フリースケールは、テキサス州オースチンを本拠地に、世界30カ国以上の国で、半導体のデザイン、研究開発、製造ならびに営業活動を行っています。
フリースケールはS&P500(R)のメンバーであり、世界的な大手半導体メーカーです。
2005年度の売上高は58億ドル(USD)でした。
詳細は、 http://www.freescale.com をご覧ください。
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