エーザイ、抗てんかん剤「イノベロン」がEUの医薬品委員会から販売承認勧告を取得
抗てんかん剤「イノベロン」、
EUの医薬品委員会(CHMP)より販売承認勧告を取得
エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)の英国子会社エーザイ・リミテッド(本社:ロンドン、社長:ポール・フーパー)は、11月16日(英国時間)、抗てんかん剤「イノベロン」(一般名:ルフィナマイド)について、欧州医薬品審査庁(EMEA)において医薬品の科学的評価を担当する医薬品委員会(CHMP:Committee for Medicinal Products for Human Use)より、レノックス・ガストー症候群(LGS:Lennox-Gastaut Syndrome)の併用療法としての販売承認勧告を取得しました。
「イノベロン」は、小児の早期から発症する重篤なてんかんであるLGSに有効性を示すことから、2004年10月、欧州委員会(EC:European Commission)より、LGSのオーファン指定の承認を取得しており、これに基づき当社は、2005年3月に販売承認申請を行いました。今回の販売承認勧告は、これに対して中央審査方式に基づいて、CHMPより販売承認を推奨する旨の通知を受けたものです。
当社は欧州において、現在発売中のアルツハイマー型痴呆(認知症)治療剤「アリセプト.」、抗てんかん剤「ゾネグラン」とともに、神経領域の製品ラインの充実を図り、より一層、患者様の多様なニーズの充足とベネフィット向上に貢献できることを期待しています。
以 上
[参考資料:イノベロン、CHMP推奨の製品概要およびLGSの解説]
1.イノベロンについて
「イノベロン」は、ノバルティス社が創出した、幅広い抗けいれん作用を有する新規構造を持つ抗てんかん剤です。当社は、2004年2月にノバルティス社と本剤に関するグローバルなライセンス契約を締結しています。
2.CHMP推奨の製品概要
1)製品名:イノベロン(英文正式名称:InovelonR)
2)一般名:ルフィナマイド(英文表記:rufinamide)
3)剤 形:100mg錠、200mg錠、400mg錠
4)適応症:レノックス・ガストー症候群(4才以上)の併用療法
3.レノックス・ガストー症候群(LGS)とは
全般てんかんの重篤な状態で、脳出血、脳炎、脳の発育不全、脳の代謝異常など種々の脳障害により、小児の早期から発症します。発育遅延、行動障害、および持続して筋肉が収縮する強直(きょうちょく)発作を主体とする一方、複数の発作型を示すのもレノックス・ガストー症候群の特徴です。例えば、一部の筋肉が短時間不随意に収縮するミオクロニー発作や、短時間意識が消失する欠神発作などがあります。薬物療法でコントロールが難しい場合は、まれに外科手術が行なわれることがあります。
現在、欧州(オーストリア、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、イタリア、アイルランド、スペイン、スウェーデンおよびイギリス)におけるLGSの患者数は約11,000人と言われていますが、完治することはきわめて希とされており、新薬の開発が望まれている疾患のひとつです。