日本郵船、船員の船上教育ソフト「NYK-STARS」を開発
船員の船上教育ソフト(NYK-STARS)を開発
当社はこのほど、当社船員の船上教育ソフト"エヌワイケイ・スターズ("NYK-STARS":NYK-Shipboard Training and Assessment Recording System)をシンガポールの当社関連会社エヌワイケイ・シップマネジメント社(NYK SHIPMANAGEMENT PTD LTD)(注1)と共同開発しました。
当社の船員研修は、船上でのOJT(実務研修)とそれを補完する陸上での座学で構成されています。この度開発したソフトは、船上でのあらゆる作業を3D画像やビデオを通して学習できるように作られたソフトで、船上でのOJTを支援するために開発されました。複数名で連携して行うタンカーの荷役作業など、事前に本ソフトを活用して繰り返し学習することで、OJTにおける学習効果を高め実務を確実に身につけさせるとともに実際のOJTにおける事故等も未然に防ぐ事を目的としています。
本ソフトは、乗船研修を行うキャデット(注2)用の他、タンカー、LPG、コンテナ、自動車、バラ積の各船毎に航海士用として開発(機関士用は開発中)されており、通常のパソコンを使って船上で使用する事ができます。各ソフトには理解度を測定するテスト機能が付加されており、訓練生の習熟度を確認しながらOJTを進められるのも特徴です。
当社グループは2010年に船隊を約930隻まで拡充する計画で、船員についても約200名を毎年採用・育成して行く予定です。これに合わせて乗船訓練など実習の場も順次拡充しており、先般LNG船1隻とコンテナ船3隻に20人規模のキャデット部屋増設を決定しました。この度開発した船上教育ソフトは、拡充した施設での船員訓練をソフト面から支えるものです。当社はハードとソフトの両面からバランスのとれた訓練体制を構築し、今後とも当社船隊の安全運航を徹底していきます。
<NYK-STARS一覧>
1.キャデット向け自主研修ソフト (CADET-STARS)
2.航海士向け自主研修ソフト
1)自動車運搬船用 (PCC-STARS)
2)大型原油タンカー用 (VLCC-STARS)
3)大型バラ積船用 (BULKER-STARS)
4)液化石油ガス(LPG)運搬船用(LPG-STARS)
5)コンテナ船用 (CONTAINER-STARS)
3.機関士向け自主研修ソフト (ENGINE-STARS)※今年度末完成予定。
(注1)エヌワイケイ・シップマネジメント社(NYK SHIPMANAGEMENT PTD LTD):
2001年9月設立。船舶管理業、船員派遣、船員教育業務等を行う当社関連会社。
本社:シンガポール
支店・出張所:ハンブルグ(ドイツ)、ロンドン(イギリス)
(注2)キャデット:
船舶職員(航海士、機関士)の資格を取得する為に、実際の船に乗船して実習する実習生のこと。当社は、各国の商船学校在学中または卒業後の学生をキャデッとして当社運航船で乗船実習させ、資格を取得した後に当社運航船の航海士、機関士として採用している。
以上