NECと三菱マテリアル、ZigBeeとGPSを組み合わせた鉱石品質管理システムを開発
世界初、ZigBee(tm)とGPSを組み合わせた鉱石品質管理システムを開発
~三菱マテリアル長坂鉱山で10月より本格稼動~
日本電気株式会社((注1)、以下 NEC)、NECエンジニアリング株式会社((注2)、以下 NECエンジニアリング)ならびに三菱マテリアル株式会社((注3)、以下 三菱マテリアル)は、ZigBee(tm)(注4)対応の無線システムとGPS(Global Positioning System、(注5))を組み合わせた世界初となるシステムの開発に成功し、三菱マテリアル岩手工場にセメント原料用石灰石を供給する長坂鉱山において、採掘した鉱石の成分品質をリアルタイムかつ効率的に管理する「鉱石品質管理システム」として本年10月より本格稼動いたしました。
鉱山においては、鉱石中の成分品質が採掘場所によって異なるため、従来は含有率の集計等を手作業で行っており、品質管理における作業の迅速化・正確性の向上・品質の安定化が課題となっておりました。新システムは次の手順により、採掘した鉱石品質をリアルタイムかつ効率的に管理することを可能にしました。
(1)石灰石を採掘する重機に、次世代の無線通信規格として期待されるZigBee(tm)対応の無線センサーとGPS機能を搭載した機器を設置し、採掘位置を測定
(2)測定された採掘位置と積載時刻について、石灰石を運搬するダンプトラックに搭載したZigBee(tm)対応機器を経由して集計サーバに送信
(3)集計サーバが受信した石灰石採掘データと、採掘場所の石灰石成分基礎データを連携し、採掘された石灰石の品質をリアルタイムに解析
ZigBee(tm)は、無線LANのようにアクセスポイントを必要とせず、端末同士で通信するアドホックネットワークを構築できるという特長を有しており、鉱山のように無線基地局やアクセスポイントの設置が物理的に困難な場所において、その活用が期待できます。
本システムの構築にあたり、三菱マテリアルは、現場作業や石灰石品質管理のノウハウおよび開発フィールドをNECとNECエンジニアリングに提供し、実用化を進めました。
三菱マテリアルは新システムの導入により、品質管理業務の標準化・省力化を図るとともに、品質の安定した製品の供給に努めてまいります。
また、NECは本システムの構築実績をもとに、ZigBee(tm)とGPSを組み合わせた技術を用いて、建設・土木・鉱山などで効率的な生産管理や品質管理を実現するシステムを今後とも開発・強化してまいります。
以上
(注1)本社:東京都港区 代表取締役 執行役員社長 矢野 薫
(注2)本社:東京都港区 代表取締役 執行役員社長 井上 憲治
(注3)本社:東京都千代田区 取締役社長 井手 明彦
(注4)無線センサーネットワークを実現するための基盤となる次世代無線ネットワークの国際規格。省電力な低速無線通信で、プロトコルを単純化し機能を限定することによってデータサイズを抑え、低コストでのネットワーク構築を可能とした。インフラを構築することなく端末間が自律的にネットワークを構築するアドホックマルチホップメッシュネットワークを構築できるという特長をもつ。
(注5)無線通信機能をもつ小型のセンサーを様々な場所に置き、センサーが感知した情報を収集できるネットワークのこと。
*ZigBee(tm)は、Koninklijke Phlips Electronics N.V.の商標です。
この他、文中に記載されている社名および製品名は各社の商標または登録商標です。
<本件に関するお客様からのお問い合わせ先>
日本電気株式会社第二製造ソリューション事業部ソリューション推進部
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