島津製作所、直接変換方式FPD搭載型の新型X線血管撮影システムを発売
超高精細画像の視認性をより向上させ、
心臓や頭部などの血管内治療を強力にサポート
―直接変換方式FPD搭載型の新型X線血管撮影システムを発売―
島津製作所は、微細血管まで鮮明に映し出せる直接変換方式フラットパネルディテクタ(FPD)を搭載した血管撮影システム*「BRANSIST safire(ブランシスト サファイア)」を11月22日から発売します。本システムは、心血管専用から頭部・腹部・下肢などの各種血管造影まで、シングルまたはバイプレーンシステムで用途に合わせて構成できます。
また、本システムは、直接変換方式FPDによる超高精細画像の視認性をより高めるデジタル画像処理機能を搭載するとともに、スムーズな検査と血管内治療**のために操作性を向上させました。
近年、心臓や頭部をはじめとする多くの疾患の治療方法に血管撮影システムを使用して行う血管内治療が多く採用され、急速に広まってきています。血管内治療の際に用いられるガイドワイヤなどの治療器具や、ステントなどの治療材料は、その改良が進み、より細く、小さく、薄くなってきました。それに伴って血管内治療も進歩、発展し、患者負担が軽くなる一方で、それらをX線で捉え画像化することが難しくなり、治療作業についても、より繊細にそして複雑化してきていることから、視認性の高い画像に対する要求が更に高まり、それを実現する血管撮影システムが求められています。
当社は、血管内の検査、治療に欠かせない鮮明な画像とスピーディな操作性を持ち、血管内治療時に用いられる微小な治療器具、治療材料においても視認性の高い画像が得られる新型X線血管撮影システムを拡販し、医療現場を強力に支援していきます。
*血管撮影システム(シングルプレーン、バイプレーン)
血管撮影システムは、X線管とFPDを両端に備えるCアーム、検査台、画像処理装置、画像表示モニタなどで構成される。シングルプレーンはCアームが1台、バイプレーンはCアームを2台備えるシステム。バイプレーンシステムは、一度の造影剤投与により、2方向からの透視、撮影が行えることから、患者と医療スタッフの検査負担を軽くし、よりスムーズな検査と治療が可能。いずれも主に循環器内科、脳神経外科、放射線科などで使用される。
**血管内治療
X線画像で血管の位置を確認しながら、血管内の患部にカテーテル(医療用細管)を導き、血管の狭窄や動脈瘤などの血管異常の有無を検査し、発見された場合に血管拡張用の微細管治療器具、治療材料、薬剤などを用いて、血管内で狭窄箇所を広げたり、瘤を取り除くなどの治療を行う手法。外科的な治療ではなく、比較的患者への負担が少ないことから、近年、医療の現場で広く用いられている。
【新製品の特長】
1.直接変換方式FPDが超高画質を実現
X線を光に変換せず直接電気信号化する直接変換方式FPDを採用することで、極めて鮮鋭度に優れた画像が得られます。また、直接変換方式FPDのピクセルサイズが超高精細150μmを実現しており、微細血管やデバイス(ステント、ガイドワイヤ)などの視認性を飛躍的に高めています。
2.超高精細画像をより視認性の高い画像にするデジタル画像処理機能
当社のX線画像処理技術における長年の実績により改良を加えた「Power-RSM filter(パワー アールエスエム フィルター)」は、直接変換方式FPDによる超高精細画像を最大限にひきだし、画像の粒状性とコントラストの均一性を向上させ、血管やデバイスの視認性をより高めています。血管内治療の際に用いられる細く、小さく、薄い微小な治療器具、治療材料を鮮明に映し出し、動画像でリアルタイムに処理することができるため、複雑化した血管内治療を強力に支援します。
3.スピーディーな画像表示で、検査、治療の効率アップ
最新のデジタル技術とともに、マルチプロセッサーを搭載していることで、動画、静止画を問わず参照画像を瞬時に選択し表示します。ジョイスティックタイプの画像コントローラーで簡単に必要な画像をスピーディに表示できるため、操作や表示待ちの時間に対するストレスを軽減します。また、検査・治療でシステムを使用している時も、同時並行で画像読影、画像保存、ネットワーク転送などが行えることから、医療現場の作業効率も向上します。
4.当社独自の優れた操作性、スピーディな応答性能
Cアームは、ワンハンドグリップのコントローラーで直感的に操作でき、シングルプレーンでは最高25°/秒、バイプレーンでは最高15°/秒の高速ポジショニングが可能です。特に2つのCアームを複雑に組み合わせて撮影するバイプレーンシステムでのポジショニングも、側面側Cアームを独自に上下させセンタ位置を常に保つ機能や、Cアームの角度を変える場合も関心領域に合わせて側面側Cアームが自動追従する「Cyber Chase機能」の搭載により、手間をかけずに素早いポジショニングが可能です。
5.徹底した被ばく低減
高感度性能をもつ直接変換方式FPDに、効率よく被ばく量を低減できる低線量パルス透視と、画像に関与しない余分な軟X線を除去するMBH(Multi Beam Hardening)フィルタをバランス良く組みあわせ、システム全体でX線被ばく量を低減しています。
【新製品の概要】
製品名:血管撮影システム BRANSIST safire(ブランシスト サファイア)
価 格:3億円~(税込)
※システム構成により価格は異なります。
販売計画:年間50台
【製造販売認証番号】
218ABBZX00105000
据置型デジタル式循環器用X線透視診断装置 [血管撮影システム BRANSIST safire]