住友商事と富士電機、ニュージーランド国有電力会社から地熱発電所建設工事を受注
住友商事 富士電機と共にニュージーランドMighty River Power社向け地熱発電所建設工事を受注
住友商事株式会社(本社:東京都中央区、社長:岡 素之)はニュージーランド国有電力会社Mighty River Power(Chief Executive :Doug Heffernan、以下、MRP)より地熱発電所建設請負工事契約を受注しました。
住友商事は2006年10月、ニュージーランド国MRP社より、出力約90MW(ネット)のカウェラウ地熱発電所の土木据付込み一括請負工事契約を受注しました。昨年12月に世界の主要地熱発電機器メーカーおよびコントラクターが参加して行なわれた国際入札で、住友商事は富士電機システムズ株式会社(本社:東京都品川区、社長:矢内 銀次郎)と組んで応札し、その技術競争力で高い評価を得て受注に至りました。建設場所は同国北島のほぼ中央に位置するタウポ湖の北東カウェラウ地区で、主機である地熱蒸気タービン・発電機・復水器等を富士電機システムズが製造・納入し、完工は2008年9月末の予定です。住友商事がニュージーランドにて発電所の土木据付込み一括請負工事契約を受注するのは今回が初めてとなります。
地熱発電所は再生可能エネルギーである地熱エネルギーを活用した汽力発電設備である為、CO2排出量が少なく地球環境保護の面で利点があり、且つ、昨今の化石燃料の価格高止まりによりその経済性は他発電方式に比して相対的に向上しています。ニュージーランド等の地熱資源保有国では、これら利点を生かし地熱発電プラントの建設計画が進行しています。
ニュージーランドは人口約400万人で、発電設備容量も8,000MWと、電力のマーケットとしてはそれほど大きなものではありませんが、1990年代から本格化した電力セクターの構造改革で、長期的視野に立った新規電源開発の遅れを招き、年2-3%程度で継続的に伸び続ける電力需要を、如何に賄うのか懸念される状況にあります。水力資源が豊富なニュージーランドでは、発電量のうち60%以上を水力に頼っていますが、環境への配慮から大型水力発電所の建設は最早望めず、特に電力需要の伸びが著しい北島では、同島が抱える豊富な地熱資源が注目されつつあります。
このような環境下、MRPでは総発電量に占める地熱エネルギーの比率を2005年時点の約15%から、2010年には30%強まで引き上げることを目標として掲げ、北島中央部の地熱源の開発に取り組んでいます。今回受注したカウェラウ地熱発電プロジェクトは、その計画の一環であり、この地域内の他数箇所でも地熱資源の開発を進めています。
地熱発電は、地下に掘削した坑井から噴出する腐食性物質を含む天然蒸気を使用し、タービンを駆動するため、腐食対策など豊富な経験に支えられた高度な技術の集積が要求されます。本プロジェクトの主機の製造メーカーである富士電機システムズは地熱発電用蒸気タービンにおいて世界のトップクラスのシェアを誇っており、本プロジェクトにおいても同社の技術力及び経験が大いに生かされる事が期待されています。
住友商事は過去、富士電機システムズと共にインドネシアで単機容量世界最大(110MW)のワヤン・ウィンドゥ地熱発電所建設を請負ったのを始め、昨年受注したインドネシア国営電力会社PLN向けラヘンドン2号地熱発電所(スラウェシ島)建設を現在契約履行中です。その他フィリピン、米国、中南米、アイスランド等で地熱発電所建設、設備納入実績が多数あり、これら実績がMRPよりも高く評価されています。
住友商事は、環境負荷の少ない再生可能エネルギーである地熱発電への取り組みを更に強化すると共に、今回の受注および他国での過去の豊富な契約実績と経験を基盤に、今後のニュージーランドにおける地熱発電プロジェクトの継続受注に向けより一層注力していきます。
以 上