清水建設、業界で最大規模・クリーン度の総合クリーンルーム研究施設を建設
建設業界で最大・クリーン度で世界最高水準の総合クリーンルーム研究施設を建設中
―最新のデバイス工場に不可欠な先端クリーン化技術の研究開発に活用する予定-
清水建設(株)<社長 野村哲也>は現在、建設業界で最大規模・クリーン度で世界最高水準の総合クリーンルーム研究施設(仮称)を自社の技術研究所敷地内に建設中です。本施設は地上6階建てで,研究目的に応じて3つの研究用クリーンルームを備え、来年春から稼動を開始する予定。当社は、最新のデバイス工場の建設などに不可欠な先端クリーン化技術の研究開発に、本施設を積極活用。顧客企業と緊密な連携をとりながら、生産プロセスに最も適したクリーン環境の実現にスピーディに対応していく考えです。
なお本施設についての内容は、12月6日から3日間幕張メッセ国際展示場で開催される「セミコン・ジャパン2006」へ出展する予定です。
電子デバイスなどの最新工場では、クリーンルームが生産機能の中核を担っています。そこで不可欠なクリーン化技術は、製造技術が目まぐるしい進歩を遂げるなか、日々、高性能化・ローコスト化が求められています。当社は80年代からクリーン化技術の研究開発に着手。以降、技術的成果を着実にあげてきましたが、昨今の最先端の顧客ニーズにより的確に対応するため、新たな研究施設の建設に今回、着手したものです。
本施設は、研究目的に応じて3つのクリーンルームを設けます。その概要は以下のとおりです。
1.大空間クリーンルーム(モックアップクリーンルーム(仮称))
室内高さ14m、建設業界では最大空間を誇るクリーンルームです。半導体などのデバイス製造ラインは、新鋭化・大型化する傾向にあり、このため大型クリーンルームの重要度が高まっています。本クリーンルームは、最新鋭の製造マシンなどを実際に据付し、実物大の実験を行うことが可能。顧客企業と一体となって、実際の生産ラインと同条件で研究開発することで、顧客企業にとって最重要課題である生産性の向上などに貢献していきます。
2.スーパーナノクリーンルーム
ナノレベルの超清浄な環境が必要な生産施設向けに、ハイレベルなクリーン環境を実現し、研究が進められるクリーンルームです。クリーン度は「クラス0」*、世界最高の水準です。「塵・埃」はもちろんのこと、「ガス状汚染物質」を1ng/m3 以下に、さらには「水分」までをも制御する試みです。超高性能ケミカルフィルターなど、様々な要素技術を駆使することで、このようなクリーン環境を実現します。
3.バイオロジカルクリーンルーム
医薬品工場や医療施設等に必要なバイオ関連のクリーン化技術の実証実験を行います。除菌装置など、微生物対策用に特殊設備を備える予定です。
なお本施設には、最新のクリーンルーム向けに、新規開発の地震対策と微振動対策を両立させた免・制震システムを初採用。その検証を行います。
以 上
*クリーン度「クラス0」
JIS表示で、例えばクラス1の場合は1m3中、粒径0.1μm以上の微粒子が10個以下。今回の「クラス0」は同粒子が1個以下であることを表します。
*参考資料あり。