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ニュースリリースのリリースコンテナ第一倉庫

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2024'11.08.Fri
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2007'05.06.Sun

富士通研究所、多面的な環境負荷評価を実現する環境データベースを構築

多面的LCAのための環境データベースを構築
~部品からソフトウェア・サービスまで多面的な環境負荷評価が可能に~


 株式会社富士通研究所(注1)は、ハードウェアを構成する素材や部品から、システム構築やサービスにおける「人の移動量」や「オフィススペース」などの項目まで、計2,000種類について、CO2(二酸化炭素)やNOx(窒素酸化物)排出など17項目に渡る、多面的LCA(注2)に向けた環境データベースを構築しました。これは、地球温暖化に加え、酸性化や資源消費など多面的な環境負荷評価の基準(原単位)データとなります。

 本データベースを適用することにより、ハードウェアからソフトウェア・サービスまで、富士通株式会社(以下、富士通)の全製品群に対する詳細な環境負荷評価が可能になります。


【 開発の背景 】

 近年、「サスティナブル社会(持続可能な社会)」、「LOHAS(Lifestyles Of Health And Sustainability)」、「グリーン製品」などの言葉が多方面で見られるように、お客様の購入製品に対する環境面での関心が高まってきています。

 これまで、富士通ではハードウェアからソフトウェア・サービス製品までCO2排出量による環境負荷評価を行ってきました。特に、ソフトウェア・サービス製品においては、環境貢献ソリューション認定制度(注3)を導入し、環境貢献の効果を定量評価する先進的な活動を進めています。

 しかし、これまでの製品の環境負荷評価は地球温暖化に影響を与えるCO2排出量のみの議論が多く、資源消費、動植物への影響なども考慮した多面的な環境負荷評価の要望が高まっていました。


【 課 題 】
 製品の多面的な環境影響を評価する手法としてLIME(注4)があります。LIMEは、CO2だけでなくSOx(イオウ酸化物)やNOxなどの環境負荷が温暖化やオゾン層破壊などに与える影響を科学的に分析し、さらに人間の生活基盤や生態系といった保護対象(人間健康、社会資産、一次生産、生物多様性)ごとに被害量を算定し、最終的に金額などの単一指標に換算します。近年、本手法をハードウェア製品に適用するケースが見られるようになってきました。

 しかし、富士通の主要なビジネスであるシステム構築やアウトソーシングなどのソフトウェア・サービス分野においては、この指標を算出するために必要となる多面的な環境負荷の原単位データがなく、これまではLIMEを適用することができませんでした。


【 開発した技術 】
 当社は、ハードウェア製品を構成する部品や素材に加え、ソフトウェア・サービス評価で重要となる「物の消費量」、「人の移動量」、「オフィススペース」などの8要因(注5)を含む計2,000種類について、最新の産業連関表をもとに、CO2やNOx排出など17の環境負荷項目の原単位データベースを構築しました(図1)。これをLIMEに適用することにより、ハードウェアからソフトウェア・サービスに渡る全製品群に対し、多面的な環境負荷評価が可能になりました。特に、ソフトウェア・サービスのさまざまな環境負荷を統合化し、社会コストとして算出したのは業界で初めてです。


【 今 後 】
 今回構築したデータベースは、富士通の環境活動における基盤として、今後次のような活用を図っていく予定です。

 ●ハードウェアからソフトウェア・サービスに渡る全製品群の環境負荷、環境効率などの算出
 ●各種製品の環境貢献アピールの指標


以 上


【 注 釈 】

注1 株式会社富士通研究所:代表取締役社長 村野和雄、本社 神奈川県川崎市。
注2 多面的LCA:環境負荷項目として、従来のCO2排出量だけではなく、NOxやSOxなどを含めた各種物質の排出量と、さらに、原油、鉄などの各種資源消費量までを含めて評価するLCA(ライフサイクルアセスメント)。
注3 環境貢献ソリューション認定制度:2004年4月より開始。ITソリューション製品導入による環境貢献効果(CO2排出量削減効果)を定量的に評価し、一定基準(現在は15%)を上回る商品を「環境貢献ソリューション」として認定する制度。
注4 LIME:Life cycle Impact assessment Method based on Endpoint modelingの略。独立行政法人産業技術総合研究所ライフサイクルアセスメント研究センターがLCA国家プロジェクト(経済産業省、NEDO、産業環境管理協会)と連携して開発した手法。
注5 8要因:ソフトウェア・サービス製品において環境に影響に与えると考えられる、富士通が独自に設定した8項目。「物の消費量」、「人の移動量」、「物の移動量」、「オフィススペース」、「倉庫スペース」、「IT・ネットワーク機器電力使用量」、「ネットワークデータ通信量」、「廃棄物発生量」の8つ。


【 本件に関するお問い合わせ 】
 技術に関するお問い合わせ
 株式会社富士通研究所 基盤技術研究所 環境材料ステーション
 電話:046-250-8361(直通)
 E-mail:env_st@labs.fujitsu.com

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