昭和電工、超高輝度4元系LED素子の生産能力を増強
超高輝度 赤~黄色LED素子生産能力の増強について
昭和電工株式会社(社長:高橋 恭平)は、今般、液晶バックライトや車載向けに需要が拡大する超高輝度4元系LED(*1)素子の生産能力を現状の月産30百万個から1億個に増強をすることを決定いたしました。
投資の主な内訳は、エピタキシャルウェハー(*2)製造用MOCVD炉(*3)や素子化設備の増強とこれにともなうクリーンルームの増床です。投資金額は約15億円の予定です。2007年2月より製造設備の設置工事を開始し、2007年第3四半期には月産1億個の生産能力体制を確立いたします。
超高輝度4元系LEDは、現在、主にディスプレーや車載用途、信号機などに使用されていますが、さらに液晶バックライトやセンサー用光源(*4)等への用途開発が進んでおり、今後5年間は年率約40%での成長が期待されています。本年に入り海外のお客様からの受注が急増しているとともに、国内のお客様についても既に品質について高い評価をいただいていることから、2007年以降本製品の採用がさらに進むことが見込まれます。当社は、今般の能力増強により、こうしたお客様からの供給のご要請にお応えしてまいります。
当社は、独自技術による超高輝度4元系LED素子について、最高輝度レベルの赤・黄・オレンジ等多色での品揃えや大型チップ、特殊サイズなどお客様のニーズに合わせた供給体制を整えております。
当社は、超高輝度4元系LED事業を当社の将来をけん引する成長事業と位置づけ、経営資源を投下し強化を行っております。輝度のさらなる向上に努め、急速な拡大が見込まれる液晶バックライトと車載用途において、お客様のご期待にお応えする性能向上を実現すると共に、将来、実用化が見込まれている照明用超高輝度4元系LED素子の開発を加速してまいります。当社は、2007年における本製品の売上げを20億円超、2008年にそれを倍増することを目標としております。
(*1) 4元系LED:アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、リン(P)の四つの元素の化合物から構成されるLEDの通称。元素組成の調整により赤、オレンジ、黄色、黄緑色のLEDが製造できる。
(*2) エピタキシャルウェハー:LEDの機能を発揮するため、単結晶基板上に導電性や組成の異なる数オングストローム(Å)から数百ミクロン(μm)の半導体単結晶薄膜を複数層積層したもの。
(*3) MOCVD炉:有機金属気相成長(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)炉。エピタキシャルウェハーを製造するための装置
(*4) センサー用光源:遮蔽センサー(人や物の通過を検知)やデジタルカメラのオートフォーカスに使われる光源
以上