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ニュースリリースのリリースコンテナ第一倉庫

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2024'04.25.Thu
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2007'05.16.Wed

東レ、可視光で硬化する炭素繊維複合材料用の新規感光性マトリックス樹脂を開発

可視光で硬化する炭素繊維複合材料用の新規樹脂を開発
― 安全かつ短時間の成形が可能に 次世代成形技術として期待 ―


 東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:榊原定征、以下「東レ」)はこのたび、可視光で硬化する炭素繊維複合材料(Carbon Fiber Reinforced Plastic、以下:CFRP)用の新規感光性マトリックス樹脂の開発に成功しました。本樹脂を用いることで、将来的には航空機の二次構造材や補修・補強用パーツなど、薄型設計のCFRPを安全かつ簡便に成形できることから、次世代のCFRP製造技術を実現する革新材料として期待されます。当社はこの「可視光感光性マトリックス樹脂」を用いた新規成形加工技術の確立を目指して、引き続き実用化に向けた開発に取り組んでいきます。

 CFRPは、樹脂を加熱して硬化させる方法で一般的に成形されていますが、成形品として硬化するまでに長時間(約2時間)を要することから、反応時間を短縮することでコストダウンを図れる材料が求められてきました。東レは、熱硬化性樹脂を改質することで硬化時間を飛躍的に短縮した「ハイサイクル成形法」の実用化に取り組む一方で、将来技術として大型のオートクレーブ(加熱装置)を必要としない、エネルギー線による硬化反応を用いた感光性マトリックス樹脂の適用についても検討を進めてきました。今般、電子ビームや紫外線などのエネルギー線のうち、安全で特殊な光源を必要としない「可視光」を利用して僅か数分間で硬化する画期的な新規マトリックス樹脂の開発に成功しました。

 これまで可視光は、電子ビームや紫外線に比べてエネルギー量が小さいことから硬化反応に限界があった他、熱硬化性樹脂に対して炭素繊維との接着性が劣ることから、CFRPの成形に適用することは実用上不可能とされてきました。今回開発した「可視光感光性マトリックス樹脂」は、当社独自の樹脂硬化反応制御技術とマトリックス樹脂設計技術の融合により、これらの技術課題を解決したものです。まず、電子ビームや紫外線に反応する光重合開始剤に可視光域で大きなエネルギー吸収を持つ光増感剤を組み合わせることで、可視光においても光重合開始剤が有する高い反応性を引き出すことに成功しました。さらに、これまで培ってきたマトリックス樹脂設計技術を応用してポリマーの最適設計を図ることで、厳しい材料スペックが要求される航空機用CFRPと同等の力学特性も実現しました。

 本樹脂は、経済産業省が2003年度より推進している国家プロジェクト「次世代航空機用構造部材創製・加工技術開発」(財団法人次世代金属・複合材料研究開発協会との契約に基づき富士重工業株式会社と協力して実施)の一環として開発したものです。本樹脂を適用した次世代成形技術が確立されれば、航空機用途をはじめ、土木・建築の補修補強用途、電気・電子機器、自動車部材用途への展開が期待できます。感光性という特徴を活かし、まずは薄型設計のCFRP(航空機の二次構造材など)や補修・補強用パーツへの適用から検討を始め、将来的には大型構造材(同、一次構造材など)への展開も視野に入れて、実用化開発に取り組んでまいります。

 CFRPは、同強度のスチールに対して重さ約半分(アルミの3分の1)、5倍の引張強度を有する先端材料として、需要の本格拡大期を迎えています。特に航空機分野では、軽量化による燃費改善に最も高い効果を発揮できる本命素材としての評価を得て、米ボーイング社の新型旅客機B787では主翼や胴体等、機体重量の半分以上に本格採用されます。東レはコーポレートスローガンである “Innovation by Chemistry”を実践することにより、炭素繊維及び成形加工における革新技術を追求し、CFRPのさらなる普及を目指します。


以上

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