富士キメラ総研、調査資料「2006 液晶関連市場の現状と将来展望 Vol.3」を発表
『2006 液晶関連市場の現状と将来展望 Vol.3』
~2006年、日韓台のLCD設備投資額が、1.735兆円規模に~
FPDの生産状況、設備投資の状況で、WW市場で韓国、台湾のパネルメーカーによる寡占化が進展している。スケールメリットを生かし、生産設備の増強するために設備投資が活発化している。
マーケティング&コンサルテーションの株式会社 富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町2-5 TEL:03-3664-5839 社長:表良吉)では、『2006 液晶関連市場の現状と将来展望 Vol.3』(A4版全276頁)をまとめた。本調査資料は、ディスプレイ(その他デバイスも含む)ならびに主要部材メーカーのケーススタディを行い、部材の調達傾向及び垂直統合化の動向の把握と、FPD産業全体の傾向を明らかにすることを目的とした。
調査対象品目は、1)パネルメーカー・・・30社(LCD・・・15社、PDP・・・5社、LCOS・・・2社、ePaper・・・3社、2)部品材料メーカー・・・30社、合計60社を対象としている。
FPDの生産状況、設備投資の状況で、WW市場で韓台のパネルメーカーによる寡占化が進展しており、特に近年では、韓国・台湾のシェアの上昇が顕著となっている。
LCDの生産状況では、生産シェア順では、台湾、韓国、日本の順になっているが、面積単価の高い中・小型パネル分野では日本は優位性を保つ。LCDの前工程は、主に日本、韓国、台湾、中国に集中している。後工程は中国が中心であるが、近年は、現地TVメーカー向けの提供、関税回避、東欧地域での税制優遇政策などを目的として、東欧地域での後工程が強化されている。また設備投資では、大型ラインの設備投資では出遅れているが、投資額では台湾が韓国を上回っている。2005年、日韓台の設備投資額(主要17社の合計)は、2004年1.5兆円、2005年には1.735兆円の実績となった。2006年は、ほぼ横ばいとなる、1.738兆円を計画している。
国別で見ると、日本メーカーでは、2005年の生産実績は2.3兆円の実績となり、2006年には微増の2.4兆円を計画している。特に液晶の先駆けであるシャープは独自の技術、販売チャンネルを持っていることから、テレビ、携帯電話、ゲーム機などで市場を伸ばしている。
韓国メーカーでは、テレビ用途のパネル生産が上昇している。サムスンは40in、LG.Philipsでは32/42inに生産に注力している。2005年、韓国全体での生産実績は2.3兆円(前年度日128.7%)となった。サムスンでは、台湾メーカーとの競合を避けるために、先行して大型ラインの投資を行なっている。50インチ以上をターゲットとした第8世代の新工場が建設を進めており、2007年Q3の稼動を目指し、月産5万シートの生産能力を予定している。
台湾でのLCD生産実績は2005年で2.44兆円の実績となった。2006年に、AUOはQDIを吸収しており、台湾のLCDメーカーの中でも突出した規模になる。
*参考グラフあり。
PDPの生産・設備投資の状況は、2005年以降の急性な単価の下落により、パネルメーカーの収益は悪化している。特にLCDと競合する、32inや37inなどの生産中止や、減産が相次いだ。撤退するパネルメーカーも出始め、業界再編による寡占化が進展している。その一方で、LCDとの競合や単価下落が進展する中で、各PDPメーカーは、42inHDや50inHDなど高解像度品にシフトしている。松下、サムスン、LG.EIの3社は、月産10万枚規模の大型設備投資を行なっており、2005年にはLGで12万枚規模のラインの増設が行なわれた。2006年にはサムスンが月産8万枚規模、LGが18万枚規模のラインの増強を計画しており、2007年以降も松下、LG、サムスンによる大型投資が行なわれると予測している。