NTTとNTTコム、スーパーハイビジョンで「紅白歌合戦」を生中継
スーパーハイビジョンで「紅白歌合戦」を生中継
~東京・大阪間光伝送実証実験~
日本電信電話株式会社(東京都千代田区、社長:和田紀夫、以下「NTT」)とエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社(東京都千代田区、社長:和才博美、以下「NTT Com」)は、日本放送協会(以下「NHK」)と共同で、スーパーハイビジョン(※1)映像をNTTの光伝送(IP)によって生中継いたします(別紙参照)。具体的には、NTT Comの高品質・高信頼の専用線「ギガストリーム」(※2)で東京・大阪間を接続し、NTTの多重化光伝送(IP)技術を用いて、12月31日に実施される「紅白歌合戦」のライブ中継を行います。またその中継は、NHKの大阪放送局内のスタジオで一般視聴者に公開いたします。
今回の生中継は、スーパーハイビジョン映像を圧縮して帯域制御等をすることで、特殊な回線を利用することなく長距離伝送を可能にしており、これは世界初の試みです。
[本実験の背景と概要]
昨今、欧米でもハイビジョン放送がようやく商用化され、またデジタルシネマも更なる普及が見込まれています。離れた場所でオリンピックなどの各種イベントを臨場感に富む高精細映像で視聴したいというニーズは高く、そのためには、高品質な映像・音声を容易に伝送できるしくみの実現が期待されています。
スーパーハイビジョンの映像信号は、約24Gbpsのビットレートで、音響信号は、約28Mbpsあります。今回は、NHKが試作した映像符号化装置(※3)によって約600 Mbpsに圧縮した映像信号と、非圧縮の音響信号を、NTTの技術によって多重化およびIPパケット化して伝送します。これは、NTTサイバースペース研究所が開発したハイビジョン用の多重化IP装置を8台組み合わせ、それぞれから出力される信号をIP化し、帯域制御を効率よく行うことで実現しています。さらに、100%帯域保証、低遅延、低ゆらぎで実績のあるNTT Comの専用線(ギガストリーム)を使用することで、画面分割された映像やミックスされた音響でも相互に同期のとれた高品質な映像・音響に再現します。
[今後の予定]
今回の実証実験での結果を踏まえ、高度な圧縮技術や伝送技術の研究開発を進めるとともに、専用線サービスの更なる高品質化・広帯域化を目指します。
[注釈]
(※1)スーパーハイビジョン
NHKで将来の放送を目指して研究開発されているテレビで、水平、垂直方向の画素数がおのおのハイビジョン(1920×1080画素)の4倍(7680×4320画素)であり、画面内の総画素数がハイビジョン(約200万画素)の16倍(約3200万画素)の映像と22.2マルチチャンネル音響からなる超高臨場感テレビ。
(※2)ギガストリーム
インタフェースはEthernet、SDH、SONETを、品目は0.1Mbps~10Gbpsを揃えた、お客様回線毎にEnd to Endで伝送路を専有する高品質・高信頼の専用サービス。稼働率99.999%の高い信頼性により金融機関の勘定系ネットワークに、遅延や揺らぎが少ないので映像や音声伝送ネットワークに、セキュリティが高いので公共系ネットワークにも採用されている。帯域保証100%のType-Gと一部帯域保証型及び通信量に応じて料金が決まる従量型のType-Fの2タイプを揃えている。
(※3)映像符号化装置
本装置内には、NTTサイバースペース研究所が開発したMPEG-2 HDTV CODEC LSI「VASAチップ」を搭載している。
http://www.ntt.co.jp/news/news02/0210/021015.html