IRジャパン、車載用の保護回路内蔵パワーMOSFETシリーズ4品種をサンプル出荷
インターナショナル・レクティファイアー
車載用の保護回路内蔵パワーMOSFETシリーズ4品種をサンプル出荷
~ ハイサイド用で高精度電流検出機能を内蔵 ~
パワー・マネジメント(電源管理)技術で世界をリードするインターナショナル・レクティファイアー・ジャパン(IRジャパン)株式会社(本社:東京都豊島区、江坂文秀代表取締役社長)は20日、高精度の電流検出機能と保護回路を内蔵する電源電圧14V系の車載用IPS(インテリジェント・パワー・スイッチ)4品種のサンプル出荷を開始しました。4品種ともハイサイド用(*1)の「IR331x」シリーズの製品です。保護回路を内蔵したパワーMOSFETをIPSと呼びます。
用途は、照明モジュール、グロー・プラグ制御、HVAC(*2)システムのPTC(正温度係数)ヒーター、エンジン冷却ファンの駆動、室内ファンの制御などです。
IR331xシリーズの電流検出機能は、全動作温度範囲(-40℃~150℃)で最大負荷電流時に精度±5%以内の正確な帰還電流を提供するので、低い負荷電流での検出精度を向上できます。PWM(パルス幅変調)制御の用途では、この帰還電流を使って、マイコンやASIC(特定用途向けIC)が負荷電流を制御します。電流帰還の帯域幅が100kHzなので、ローサイド・スイッチで高周波PWM信号を発生する回路にも適し、さらに単方向DCモーター駆動の用途では保護機能と負荷電流検出機能を実現できます。
この電流検出機能を使う代表的な例には、バルブやランプの断線検出や、過負荷状態の早期警報などがあります。4品種のうちのIR3316Sは、IR3310Sの低速スイッチング版で、EMI(電磁干渉)雑音に敏感な車載用途で雑音の軽減に役立ちます。
このほか、温度上昇や過電流のときに出力を遮断する機能や、逆極性に対する保護機能も内蔵しているため、配線ハーネスの簡素化と高信頼性化が可能です。多くの用途で、ヒューズなどの保護部品が不要になります。過電流遮断機能は、電流値を設定可能なので、負荷や用途の条件に応じて最適化できます。また、ソフトスタート・モードが低周波スイッチング用に内蔵されています。
バッテリの逆接続状態のときは、内蔵の保護回路がMOSFETをオンさせることで、ボディ・ダイオード(内蔵ダイオード)に過剰な電流が流れて発熱するのを防ぎます。ESD(静電放電)保護やアクティブ・クランプ回路なども備えており、厳しい車載動作条件での安全な動作と保護機能が保証されます。
パッケージが表面実装用のD2Pakの製品のサンプル価格は、IR3313SとIR3316Sが530円、IR3314Sが450円、IR3315Sが390円(いずれも税込み)の予定です。データシートと画像データはIRジャパンのホームページ( www.irf-japan.com )から入手できます。
●表 車載用の保護回路内蔵パワーMOSFET(ハイサイドIPS)4品種の概要
(※ 関連資料を参照してください。)
< 用語説明 >
*1)ハイサイド:
大電力スイッチング回路の出力にパワーMOSFET 2個を直列に接続してハーフブリッジ回路を構成した場合の上側の回路のことです。上側の回路をハイサイド回路、下側の回路をローサイド回路と呼びます。
*2)HVAC:
自動車の社内の環境制御システムのことです。暖房(heating)、換気(ventilation)、エアコン(air conditioning)の略称です。
< インターナショナル・レクティファイアー(IR(R))社について >
IR社はパワー・マネジメント(電源管理)技術のリーダーです。IR社のアナログIC、アナログ/デジタル混在IC、最先端デバイス、電源回路やモーター制御回路の部品やシステムは、コンピュータ、インバータ・モーター搭載の白物家電製品、照明器具、車載用電子機器、宇宙航空用電子機器など幅広い分野において、機器の小型化、省エネ化、高機能化に貢献しています。本社は米国カリフォルニア州エルセグンド。
注:IR(R)は、International Rectifier Corporationの商標または登録商標です。
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