三菱樹脂、透明蒸着ハイバリアフィルム「テックバリアAX」を発売
テックバリア「X」シリーズに新製品
アルミ箔に匹敵する優れたバリア性能を実現した透明蒸着ハイバリアフィルム「テックバリアAX」を発売
三菱樹脂株式会社は、透明蒸着ハイバリアフィルム「テックバリア」シリーズにおいて、酸素バリア性能ならびに水蒸気バリア性能をそれぞれ従来品の約2倍に向上させた新グレード「テックバリアAX」を開発し、2007年1月1日に発売します。 アルミ箔に匹敵する最高レベルのバリア性が求められる精密電子機器・部品、医薬・医療品の搬送用包装フィルムや食品包装フィルムとして拡販し、5年後10億円の売上を計画しています。
透明蒸着ハイバリアフィルム「テックバリア」は、PETフィルム等の基材フィルムにシリ カ※を均一に蒸着することで、優れたガスバリア性を付与した高機能フィルムです。アルミ箔を使ったフィルムに比べて、金属探知器での検査や電子レンジ対応が可能であること、内容物の視認ができるなどの優れた特長を持ち、食品包装を中心に用途が拡大しています。当社は、シリカ蒸着フィルムのトップメーカーの一社で、日本を中心に世界各国へ販売を行っています。
今般発売する「テックバリアAX」は、蒸着技術と特殊コーティング技術の改良により、酸素透過度(cc/(m2・day・atm))が0.3、水蒸気透過度(g/m2・day)が0.15とバリア性能を従来品の約2倍に向上させています。また、シリカ蒸着面にプロテクションコートを施しているため、印刷やラミネート加工によるバリア性能の劣化を防ぎ、安定したガスバリア性を発揮します。
液晶部材、プリント基板、シリコンウエハー、ハードディスク等の精密エレクトニクス部品や医療・医薬品は、水蒸気や酸素を嫌うため、その搬送時に使用される包装材は、その透過を防ぐ優れたバリア性能が要求されます。そのため包装材には主にアルミ箔を使用したものが使われていますが、内容物の視認が難しいことや、欧州連合(EU)のRoHS指令で電気・電子機器に含まれる特定物質の使用が制限されることから、今後、透明蒸着ハイガスバリアフィルムの需要が高まることが見込まれています。
【用語解説】
※シリカ(SiOx=ケイ素酸化物)
シリカは、地殻の約60%を占める珪素の酸化物。地上で一般的に存在する無害な物質です。
【写真】
< 透明蒸着ハイバリアフィルム「テックバリア」 >