三菱重工、チリ向け石炭焚き発電設備をフルターンキー契約で受注
チリ向け石炭焚き発電設備をフルターンキー契約で受注
グアコルダ社から3基目
三菱重工業は、チリの発電・送電事業者であるグアコルダ社(Empresa Electrica Guacolda S.A.)から出力15万2,000kWの石炭焚き火力発電設備をフルターンキー契約で受注した。当社はこれまでにも同社から、それぞれ15万2,000kWの石炭焚き発電設備Guacolda 1号機および2号機を受注しており、今回の受注は3基目となる。運転開始は2009年9月の予定。
発電設備は、首都サンチアゴから北方約700kmのウアスコ地区(Huasco)に建設される。ボイラー、蒸気タービン、発電機、復水器などで構成される設備で、このうち、ボイラーおよび現地工事は横浜製作所、蒸気タービンおよび復水器は長崎造船所がそれぞれ製作を担当、発電機は三菱電機が手掛ける。取扱商社は三菱商事。
グアコルダ社はチリ国内中堅事業者。政府系の配電会社および民間の銅鉱山会社への長期の電力供給が事業の中心で、発電施設が顧客と近距離にあるなど立地条件に恵まれている。
同社向け3基目となる今回の成約は、当社の技術と既存設備の良好な運転実績が高く評価されたことによる。
チリ経済は、世界・国内経済の回復と、それに伴う国際銅価格の上昇などにより、2005年度成長率6.3%を達成、2006年度も5%前後の成長が見込まれ、電力需要が高まっている。
チリの電力市場は、水力発電が主流であったが、発電量が気候により変動し易い雨量に大きく影響を受けるため、天然ガスや石炭を燃料とする火力発電にウェイトをシフトしつつある。しかし、その一方で、火力発電用の燃料も外国からの輸入に依存しており、アルゼンチンが天然ガスの輸出を制限した2004年以降、不足した天然ガスに代わり、石炭焚き発電プロジェクトの需要が急増している。
当社は今後も、順調な経済発展を続けるチリを中心に、中南米市場全体への営業活動を一段と強化していく。
以 上