野村総研、ネットビジネス・携帯電話・ブロードバンドの市場規模予測結果を発表
2011年までの国内IT主要市場の規模とトレンドを展望(2)
~インターネット広告が7、417億円、ブログ・SNSは1,706億円に拡大~
株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、社長:藤沼彰久、以下NRI)は、2011年までの国内IT主要5市場の分析と規模予測を行いました。2006年12月19日に発表した、ハード市場、放送市場に続く第二弾として、今回は、ネットビジネス市場8分野、携帯電話市場4分野、ブロードバンド市場6分野の市場規模予測を発表します。
●市場規模予測(単位:億円)
(※ 関連資料を参照してください。)
【 ネットビジネス成長の主軸は携帯電話へ 】
インターネットを活用したさまざまなビジネスが生活の中に着実に浸透してきていることを背景に、ネットビジネス市場は成長が見込まれます。成長の主軸は、PCから携帯電話に移ってきており、なかでも消費者向けインターネット通販(BtoC EC)、音楽配信、インターネット広告などに関しては、携帯電話向けサービスの成長が著しいでしょう。
インターネット広告の市場規模は、成長スピードはやや鈍化するものの、携帯端末向けインターネット広告が伸びてきたことに後押しされ、2011年には7,417億円と広告費全体の10%超まで拡大すると予想されます。ブログ・SNS市場は、2011年度末に、ブログサイト数1,813万サイト、SNS登録者数5,110万登録となり、金額ベースの市場規模は合計で1,706億円に達する見込みです。これに伴って、ブログ・SNSからECサイトへの誘導が促進され、BtoC ECの市場規模が2011年時点で6兆円を超えると予測されます。
【 携帯電話利用者は2008年に1億人超に 】
2006年の携帯電話市場は、移動体向け端末放送(ワンセグ)の開始、ソフトバンクによるボーダフォン買収、ナンバーポータビリティの導入など大きな動きがありました。これらの変化を受け、2011年に向けて、今後ますます市場の競争環境は激化していくでしょう。
携帯電話の契約回線数は微増傾向で、2008年の初めには1億回線を超え、2011年度末には1億826万回線まで増加する見込みです。しかし、市場規模は、モバイルキャリア各社のARPU(1契約当たり平均利用料)の下落を年率2%とする楽観的な予測においても、2009年度の7兆2,624億円を境に減少していくものと推計しています。
なお、通信方式別に見た携帯電話の契約回線数を予測したところ、2010年度末にはほぼ2Gから3Gへの移行が完了すると見られます(モバイルナンバーポータビリティによる影響および新規事業者の参入による影響は加味していない)。
【 ブロードバンドの世帯普及率が約60%に 】
ブロードバンド市場は成熟期を迎えるものの、光ファイバー化が緩やかに進み、2011年度末には加入世帯数は1,790万世帯、市場規模は7,806億円に達するでしょう。これら光ファイバーにケーブルテレビインターネット、ADSLを加えた家庭向けブロードバンドは、2011年度末で3,089万世帯に普及し、世帯普及率は約60%に達すると見ています。
また、IP電話は、一般消費者向けサービス加入者数が、2005年度末の940万回線から、2011年度末には1,808万回線に増えると予測しています。
今回のIT市場予測は、2000年、01年、03年、04年、05年に次いで6回目です。今回の予測の詳細は、単行本「これから情報・通信市場で何が起こるのか ~IT市場ナビゲーター 2007年版~」として、東洋経済新報社より本日発売されます。
※ご参考:市場の定義
(※ 関連資料を参照してください。)