塩野義製薬、特発性肺線維症治療薬「S-7701」の第3相臨床試験結果を発表
特発性肺線維症治療薬「S-7701」の第3相臨床試験の結果について
本日、塩野義製薬株式会社(本社:大阪市、社長:塩野 元三)は、米国マルナック社及びKDL株式会社(本社:東京都)から導入し日本国内にて開発中の特発性肺線維症治療薬『S-7701(一般名:ピルフェニドン)』の第3相臨床試験において主目標を達成しましたので、お知らせ致します。
特発性肺線維症とは、原因不明の疾患であり、肺胞壁の線維化が進行することにより、不可逆性の蜂巣肺*形成をきたす予後不良の疾患です。一般的に拘束性障害〔肺活量(VC)や全肺気量(TLC)の減少〕が認められます。症状(肺胞壁の線維化)が進行すると肺でのガス交換(酸素と二酸化炭素の交換)が困難になり酸素吸入療法等が必要になる場合もあります。当該疾患は、重症度によっては、特定疾患(いわゆる難病)に指定されております。
S-7701は、この特発性肺線維症に対する治療薬として開発中であり、希少疾病用医薬品(オーファン・ドラッグ)の指定を受けております。
*蜂巣肺:高分解能CTにて肺が蜂の巣様に写る状態
本剤の第3相臨床試験では、主要評価項目である肺活量(VC)の変化量(治療開始前から治療開始52週後までの変化量)において高用量(600mg1日3回服薬)、低用量(400mg1日3回服薬)ともにプラセボよりも有意に悪化を抑制しました。
当社では更にその他の解析検討を進めておりますが、今回の治験結果に基づき早急に申請作業を進め、今年度中には承認申請を完了させる予定です。
本剤の開発を進める過程では、特発性肺線維症の患者様やご家族の方々などから、開発の進捗度合いや「今すぐに投薬を受けられないか」といった切実なお問い合わせを数多く頂いておりました。
こうした現状を踏まえまして、本疾患で苦しんでおられる患者様に一刻も早くお役立ていただくためにも、当社では早期の承認申請、更には承認取得に向けて最善の努力を尽くしてまいります。
以上