コスモバイオ、石原産業の製品遺伝子導入や細胞融合関連試薬を米国で独占販売
石原産業株式会社 製品遺伝子導入および細胞融合関連試薬「GenomONE」
シリーズの米国内独占販売の開始に関するお知らせ
当社は、石原産業株式会社と、同社が製造する遺伝子導入試薬および細胞融合試薬「GenomONE」シリーズの米国内独占販売を開始いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。
記
1.販売開始の理由
石原産業株式会社(以下、同社とします)が製品化したGenomONE(ゲノムワン)シリーズは、完全に不活性化し、病原性や毒性などの問題がないことを確認済みのHVJ(センダイウイルス)エンベロープ(*1)を用いた画期的な高効率の遺伝子導入(*2)試薬及び細胞融合(*3)試薬です。
当社はこの試薬が遺伝子治療研究やライフサイエンスの基礎研究に有用であり、市場において大きなシェアを占めるとの考えより、2007年1月1日から米国内における独占販売を開始することといたしました。
なお同社は、国内において、大阪大学ならびに同大学発バイオベンチャーとの産学共同開発の成果として、2002年4月から純国産の遺伝子導入試薬“GenomONE”(HVJ エンベロープベクターキット)を、また、2003年9月からは“GenomONE-Neo”の製造・販売を各々開始し、順調にそのマーケットに参入を果たし、成功裏に販売を拡大しております。また、2006年2月からは、細胞融合試薬”GenomONE-CF”(HVJ エンベロープ細胞融合キット)を販売しております。
*注 この製品化のため、同社は基本技術の特許をもつジェノミディア株式会社と提携しております。
2.契約の内容
(1)石原産業株式会社が製品化したGenomONE(ゲノムワン)シリーズに関する米国内における独占販売権。
(2)契約期間 2007年12月7日より2年間(解約の意思表示なき場合は1年毎の自動更新)
3.石原産業株式会社の概要
商号 石原産業株式会社
代表者 代表取締役社長 田村藤夫
所在地 〒550-0002
大阪市西区江戸堀一丁目3番15号
設立 昭和24年6月(1949年)
主な事業の内容 酸化チタン、機能材料、農薬、有機中間体、医薬等(医薬原末、HVJ-E ベクター)、化成品、他の製造販売
資本金の額 420億円(2006年10月31日現在)
上場取引所 東京・大阪(第一部)
4.業績見通しに与える影響
本商品は中長期的に大きく伸びるものと期待しておりますが、当事業年度の業績見通しに与える影響は軽微と考えております。
以上
【語句説明】
*1 HVJエンベロープ
エンベロープとは、一部のウイルス粒子に見られる膜状の構造のことで、それらのウイルスにおいて、エンベロープはウイルス粒子(ビリオン)の最も外側に位置しており、ウイルスの基本構造となるウイルスゲノムおよびカプシドタンパク質を覆っています。
HVJ(センダイウイルス)は、1950年代に日本で発見されたウイルスで、このHVJの中のゲノムを全て除去し、膜のみとしたものがHVJエンベロープです。
HVJエンベロープは、膜に細胞を融合(細胞融合)する作用があることから、遺伝子を細胞に導入する効率が高く、しかもウイルスゲノムが全て除去されているため、ヒトに対する安全性も高いと評価されています。
*2 遺伝子導入(トランスフェクション)
遺伝子の実験系を用いて目的遺伝子をある生物から抽出し、その生物とは別の生物の細胞に、その目的遺伝子を導入します。そして、その遺伝子が別の生物の細胞において有効な形質を発現できるように仕向けることを遺伝子導入(トランスフェクション)といいます。
*3 細胞融合
異なる生物の細胞同士を人為的に融合させて、両方の染色体を持つ新しい細胞を作ることを細胞融合といいます。