高千穂交易、電気の力でオートフォーカスを実現する仏社製の液体レンズを販売開始
高千穂交易、仏バリオプティック社製液体レンズを販売開始
― 機械部品を使わず液体と電気の力でオートフォーカスを実現―
高千穂交易株式会社(本社:東京都新宿区、社長:戸田秀雄、東証:2676)は、液体レンズ研究開発のパイオニア、仏バリオプティック社と代理店契約を締結し、同社製液体レンズの販売を開始します。
液体レンズは眼の水晶体の原理と似たような動きをします。容器に入れた水と油の境界面をレンズとし、電圧をかけて境界面の形状を変化させ、光の屈折度を調整することでレンズの焦点距離を合わせる光学部品です。(図1)バリオプティック社は”Electrowetting”(エレクトロウェッティング/パテント取得済)という独自の技術を用い、液体レンズの商用化に初めて成功しました。
現在、オートフォーカス(AF)機能や光学ズーム機能には固体レンズが使用されており、多くはステッピング・モーター、ボイスコイル、圧電素子を動力源とし、レンズを動かすことで焦点を合わせます。固体レンズはメカニカルな構造のため、消費電力が大きく、故障しやすい、部品点数が多く製造コストがかかる等の課題があります。
また、携帯電話やデジタルカメラは落下が故障の原因となりやすく、メカ機構をなるべく使わない構造が求められています。
液体レンズはメカ機構を持たずにAFやズーム機能を実現できることから、固体レンズの問題を解決する大きなメリットがあります。
【液体レンズを使用するメリット】
1. サイズダウン
2. 低コスト
3. AFスピード向上
4. 高耐久性
5. 低消費電力
高千穂交易は、液体レンズの優位性を活かした提案営業を推進し、固体レンズとの差別化やコスト削減など、顧客の幅広いニーズに対応します。
液体レンズは当社が中期的に注力している市場・アプリケーションに最適な新製品であることから、まず産業用途向けCMOSイメージセンサーで採用実績のあるカメラモジュールメーカーなどへ販売し、バーコードスキャナー・車載カメラ・監視カメラ等への搭載を目指します。また今後、液体レンズの更なる小型化、高解像度化が進み、量産体制が確立すれば携帯電話やデジタルカメラ等のアプリケーションへ拡販する予定です。
売上目標額は2009年には20億円を見込んでいます。