ロシュ・ダイアグノスティックス、ワルファリン投与患者向けPT-INR簡易迅速測定装置を発売
ワルファリン投与患者向けPT-INR簡易迅速測定装置「コアグチェック XS」の発売
ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社(代表取締役社長 兼 CEO:小川 渉)は、2007年4月25日より、経口抗凝固療法の管理に使用されるPT-INRの簡易迅速測定が可能な血液凝固測定装置「コアグチェック XS」および専用試験紙「ロシュ PTテストストリップ」を発売いたします。
「コアグチェック XS」はロシュ社が開発し、すでに世界各国で販売されています。今般日本市場において、ワルファリン(抗凝血剤)投与患者のPT-INR簡易迅速測定器として初めて導入いたします。
コアグチェックの初代モデルが1994年にドイツで発売されて以来、今日までに世界中で180,000台以上のコアグチェックシステムが医療関係者や患者の間で使用されています。(詳細後述 ※1)
ワルファリン管理を正しく実施するためにはPT-INRを用いたモニタリングが必要であり、その重要性は国内外の各種ガイドラインで指摘されています。(詳細後述 ※2)
「コアグチェック XS」は、コンパクトで持ち運びが容易であり、簡単に測定することができるため、血栓のリスクがある人工心臓弁や心房細動の患者などの経口抗凝固療法を管理する開業医での使用にも適しています。開業医でのモニタリングが促進されることで、これまで遠方への通院を余儀なくされていたワルファリン投与患者が、近くの開業医で短時間にPT-INRを測定してもらえるようになります。また、病院と開業医間での連携による相乗効果も期待できます。
ロシュ・ダイアグノスティックスは、今後、病院、診療所などの医療施設の臨床現場における診療前検査として「コアグチェック XS」の販売活動をおこない、「予防」から「モニタリング」まで幅広いPOCT(ポイント・オブ・ケア・テスティング)製品を総合的に提案し、患者さまのQOL向上に努めてまいります。
< 用語説明 >
PT :血液凝固外因系の検査(プロトロンビン時間)
PT-INR:プロトロンビン時間国際標準比(INR;International Normalized Ratio)
経口抗凝固療法の管理の際、施設間で生じる検査値の差を是正するために考案された
*製品特性などは、添付資料をご参照ください。
< 参考資料 >
(※1)欧州(ドイツなど)では、患者によるPT-INR自己測定が認められており、「コアグチェック XS」はワルファリン投与患者のPT-INR自己測定器として使用されていますが、日本国内では、患者本人によるPT-INR自己測定は認められていません。
(※2)
1.日本循環器学会ほか、心房細動治療(薬物)ガイドラインJpn Circ J 65(Suppl.5): 931-978, 2001
2.日本循環器学会ほか、循環器疾患における抗凝固・抗血小板療法に関するガイドラインCirculationJournal 68(Suppl.4): 1153-1219, 20047.
3.ACC/AHA/ESC 2006 Guidelines for the Management of Patients With Atrial Fibrillation - Executive Summary:Circulation 2006;114;700-752;