米デュポンとハネウェル、次世代自動車用冷媒の共同開発で合意
米国デュポン社とハネウェル社、次世代自動車用冷媒の共同開発に合意
地球温暖化に貢献する自動車用冷媒が自動車用エアコンシステムの持続可能なソリューションに
米国デュポン社(本社:デラウエア州ウィルミントン、会長兼最高経営責任者:チャールズ・O・ホリデー・ジュニア)およびハネウェル社(本社:ニュージャージー州モリス・タウンシップ、会長兼最高経営責任者:デビッド・M・コート)は、3月29日(米国時間)、自動車用エアコン産業向けに地球温暖化係数の低い次世代冷媒の開発および製品化を推進すべく、世界的規模の共同開発契約に合意したと発表しました。
この新しい冷媒を使用することで、自動車メーカーは、自動車用エアコンに対して地球温暖化係数(GWP)の低い冷媒の使用を義務付けるヨーロッパの新しい規制を順守することが可能となります。現在、自動車用エアコンにはハイドロフルオロカーボン(HFC)-134aが使われています。新たな規制は2011年に施行され、2017年までに移行期を終了、完全実施となります。
本合意の下、デュポン社とハネウェル社は、自動車業界で検討がなされている他の技術に代わるものとして、コスト効果の高い新たな低GWP冷媒の特定、開発、試験および認定を共同で実施します。自動車メーカーでは現在、こうした技術を用いた自動車用エアコンシステムの評価を行っています。自動車メーカーは理想的には従来のHFC-134a自動車用エアコンシステム技術と互換性があり、CO2技術よりも移行面でコスト効率の高く商業的に実現可能なフッ素化ガスによるソリューションを模索しています。
「ハネウェル社は、業界および顧客の要望に適った冷媒技術の開発で確かな実績を上げている」と同社フッ素製品事業担当副社長兼ゼネラル・マネージャーのテレンス・ハーンは語っています。「自動車産業向けに高価なシステム再構築の必要性を低減した、ドロップイン型に近い代替品を提供したいと考えている。消費者向けには、快適性や信頼性を損なうことなく、より環境に優しい、低GWPを実現するソリューションを提供していく」「デュポンの科学と革新は、クロロフルオロカーボンから代替製品への移行を容易にし、産業界と一般社会への貢献を果たした。当社は現在、安全、性能およびコスト効率において優れたバランスを持つべく、地球温暖化係数の低い新たな冷媒を求める世界規模での自動車産業の要望にすばやく対応している」とデュポンフロロプロダクト事業担当副社長兼ゼネラル・マネージャーのシンシア・C・グリーンは語っています。「デュポンとハネウェル社の資源を活用することで、規制を順守し、世界規模で地球温暖化ガスの排出量削減を推進することを目的に、新たなグローバル市場向けのソリューションを提供できる製品の認定および工業化の速度を速めることが可能となる」
デュポンとハネウェルの両社は合意事項の一環として、資源、投資、および技術を共有します。両社は2007年の半ばをめどに、自動車業界と緊密に協力しながら低GWP製品の認定を行います。
業界の推定によれば、全世界で4億台を超える数の自動車用エアコンシステムが搭載されており、それぞれ1~2ポンド(約450~900g)の冷媒が使用されています。ハネウェルおよびデュポンが開発しようとしているフッ素系の冷媒を使ったエアコンシステムは、特に周囲温度が高い環境下ではCO2ベースのエアコンシステムよりもエネルギー効率に優れています。
デュポンが同社製の低GWP冷媒とCO2ベースの冷媒を使って自動車用エアコンシステムの比較試験を行ったところ、フッ素系冷媒を広範に利用することにより、世界規模での排出削減量は、燃料に換算すると2017年までに年間2億3,000万ガロン(約87m3)に相当するとされています。
ハネウェル・インターナショナル社は310億ドル規模の各種テクノロジーおよび製造大手企業として、航空宇宙製品およびサービス、ビル・住宅および産業向け制御技術、自動車製品、ターボチャージャー、および特殊機能材料を世界中の顧客に提供しています。ニュージャージー州モリス・タウンシップに本拠を置く同社の株式は、ニューヨーク、ロンドンおよびシカゴで取引されています。同社の株はダウ・ジョーンズ工業株平均を構成する30銘柄の1つであり、また、スタンダード&プア社500種インデックスの構成銘柄でもあります。同社に関するさらに詳しい情報につきましては、http://www.honeywell.comをご覧ください。
ニュージャージー州モリスタウンに本拠を置くハネウェル・スペシャルティ・マテリアルズ社は46億ドル規模の大手グローバル企業として、フッ素製品、特殊フィルムおよび添加剤、高機能繊維および複合材、中間体、特殊化学品、電子材料および化学品、石油精製技術および材料などの高機能特殊材料を顧客に提供しています。
デュポン社は冷媒の大手サプライヤーとして、科学力と技術、市場に関する知識および世界規模のネットワークを使い、人々のより快適な生活、食品の保存、生産加工の効率化、環境負荷の削減をもたらす持続可能な材料およびソリューションを提供しています。
16年前、環境保全に関する目標を最初に公表した企業の一つであるデュポン社は持続可能性についての新しい公約の対象範囲を拡大し、環境負荷を削減するだけでなく、業績資金売上や研究開発への投資といった市場から期待される目標も含め、持続可能性についての公約の対象範囲を拡大しています。本そのゴール目標は、ビジネスの成長、特にグローバルでの主要な市場に対し、より安全で環境対応に優れた新製品開発と直接結びついています。
デュポン社は、科学的な発見や発明を基盤に製品やサービスを提供する企業です。創立は1802年、本社は米国デラウエア州ウィルミントンに置かれています。世界70カ国余りに拠点があり、農業・食品関連、建築・建設、通信、輸送の分野で、革新的な製品やサービスをお届けしています。世界中の人々の生活をより安全で豊かにするために、科学の力を生かした持続可能なソリューションを創出しています。
以 上