長野計器、金属ガラス合金を用いた新型圧力センサを開発し実用化
金属ガラス合金を用いた新型圧力センサの実用化
経済産業省の「革新的部材産業創出プログラム」として、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの委託を受けた「金属ガラス成形加工技術プロジェクト(期間:5年間)」がこの程(平成19年3月)終了いたしました。当社はこの研究への参加によって、金属ガラス合金を用いた新型圧力センサを開発・実用化いたしました。
本研究は、東北大学井上総長の指導のもと、株式会社青山製作所茨城工場などの協力を得て推進し、新型圧力センサの実用化に至ったものです。
【新型圧力センサの特徴】
新型圧力センサは、感圧部に「金属ガラス合金」を用いることによって小型・高感度が実現しました。
金属ガラス合金は、ガラスの様に原子が不規則に並んだ非晶質(アモルファス)構造を持つ材料で、従来の結晶質合金に比べて、低ヤング率(高弾性)・高強度・高耐食性などの特徴を有します。
また、ガラス細工の様に高温で容易に変形(粘性流動加工)し、鋳造等により精密な型転写性を示します。
本研究において、圧力センサ感圧部に適した金属ガラスとその成形加工方法を新たに開発しました。金属ガラスの種類はその目的に応じて、ジルコニウム基(高感度用途)とニッケル基(高耐圧用途)を設定しました。また、金属ガラスの良好な型転写性によって、従来の直径5mmサイズから更に小型化することが可能となりました。
同時に開発した「金属ガラス材料に適合した薄膜歪ゲージの新蒸着方法」と、「継手部材への新結合方法」も利用することによって、現状の約4倍の高感度と2倍以上の高耐圧性能を持つ、小型・高感度圧力センサが実用化出来ました。
【新型圧力センサのターゲット市場】
小型且つ高感度圧力センサの実現によって、今まではサイズの制限によって取り付けられなかった箇所へのセットが可能となり、小型油圧システムやロボット等への用途が広がります。
・一般産業用全般(プロセス計測制御分野、油圧計測制御分野、省エネシステム分野など)
・車載用(燃料噴射圧、ブレーキ圧等の制御用)
今後は、さらなる製造技術の向上と用途拡大により、普及を図ります。
以 上
※製品画像は添付資料を参照