富士フイルムなど、医療現場の画像診断連携システム開発に関する共同研究を開始
-病院間をネットワークで結び、専門医による高度な画像診断が可能に!-
富士フイルムは画像情報システム「SYNAPSE」を用い、
横浜市大病院・神奈川こども医療センター・自治医大病院における施設間の
「画像診断連携」システム開発及び運用に関する共同研究を開始
富士フイルム株式会社(社長:古森 重隆、以下富士フイルム)と、富士フイルムメディカル株式会社(社長:加藤 久豊)は、公立大学法人横浜市立大学(理事長:宝田 良一)、神奈川県立こども医療センター(所長:大濱 用克)、学校法人自治医科大学(理事長:吉田 弘正)とともに、施設間が連携して実用的に画像診断支援を可能とするシステム開発及び運用に関する共同研究を開始いたします。本共同研究では、CRやCT、MRなどの各種モダリティから発生する大量の画像をネットワーク上で管理する富士フイルムが開発した次世代型医用画像情報ネットワークシステム「SYNAPSE」を軸に、各医療機関が連携して画像診断を行える実用的なシステム開発及び運用に関する研究活動を目指します。
近年、医療現場では、画像診断装置の高性能化、PETやMRIなど新しい検査法の開発・普及で患者一人当たりの画像検査枚数が増大しており、先端医療の役割を担う各医療機関では、より高度で専門的な診断が求められています。さらに、医療現場のIT化に伴い、臨床各科からの画像診断レポート要求件数も大幅に増加し、画像診断を専門とする医師の負担も年々増しています。こうした背景から、各々の施設の得意とする画像診断分野において、PACS(Picture Archiving and Communications System)を直接ネットワーク回線で接続し、相互に画像診断支援が行えるシステムの実現が強く求められています。
そして、このようなシステムが実用化されると、患者にとっては特定の医療機関で受診しながら、他施設の専門医の診断やセカンドオピニオンを得られる環境が整い大きなメリットとなります。
本共同研究に参画している医療機関での画像診断連携が実現すると、公立大学法人、神奈川県、学校法人とそれぞれ経営母体が異なる医療機関の間で、相互にPACSを活用した日本初の画像診断連携システムとなります。
PACS分野において国内トップシェアを誇る富士フイルムの「SYNAPSE」は、これまで放射線科のPACSとして高い評価をいただいており、世界中の1000を超える医療機関に導入されています。
今回の共同研究に参加する各医療機関には、既に最新のWeb技術を駆使した「SYNAPSE」が導入されており、医師や医療従事者は、診療の場面に応じて瞬時に高精度な全放射線検査画像(X線写真、CT、MRI、PETなど)をモニター上で閲覧したり、大量に発生する医療画像データを保管するなど、医療画像情報の一元管理に大きく貢献しています。また、「SYNAPSE」は、複数のデータベースを連携させるマルチデータベース機能を持つため、すでに米国における医療機関同士の画像診断連携に活用される実績をもつシステムです。
日本においては、外部の医療機関からの画像データ閲覧を可能にするにあたっては、医療機関ごとのシステムの運営規定の相違や、個人情報保護の観点からも依然として厳しい制約が課せられています。今回開発するシステムは、読影依頼を受けた他医療機関の医師は、自院のシステムから依頼元システムの中の依頼されたデータのみを限定して閲覧し所見の入力を行うという、権限の制御に着目した先進的な施設間画像診断連携システムを目指しています。富士フイルムは、「SYNAPSE」のもつ高度な画像情報システム機能と、グループ企業である富士ゼロックスの高い信頼性を誇るドキュメントセキュリティ技術を組み合わせることで、国内での実用的なシステム開発に大きく貢献していきます。
また、本研究成果は、近年極めて深刻化した画像診断専門医不足の対応策として展開されている「遠隔読影サービス」運用にもそのまま適用可能で、外部にデータを送信し、読影サービスを行う「遠隔読影システム」と比べ、画像データ転送の手間が省けることや運用コストなどの点でもメリットがあり、今後の新しい「遠隔画像診断連携」の実現が期待されます。
富士フイルムは、先進、独自の技術を持って、『人々のクォリティ オブ ライフのさらなる向上に寄与していく』という企業理念のもと、医療の質や効率の向上、人々の健康の維持増進に貢献してまいります。
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