電気化学、LED放熱基板事業強化のための新会社を設立
LED放熱基板事業強化のための新会社設立について
電気化学工業株式会社(社長:川端世輝)と株式会社ダイワ工業(社長:吉村栄二、以下ダイワ工業)は、LED(発光ダイオード)の放熱基板として好適なAGSP(R)基板(後述)技術をベースとした高放熱基板の研究開発、製造、販売を行う新会社を設立することとしましたので、お知らせいたします。
1.背景と目的
当社は、電子部品の熱対策事業を電子材料事業の中核と位置付け、球状アルミナ、窒化ホウ素などの高熱伝導フィラー群に加え、放熱シート(“デンカ放熱シート・スペーサー(R)”)、金属基板(高熱伝導アルミニウム基板“デンカHITTプレート(R)”)、セラミックス基板(窒化アルミニウム基板“デンカANプレート(R)”)、金属基複合材料(“デンカアルシンク(R)”)などの部材事業を、パソコン、デジタル家電、自動車、電鉄などの電源、電装、モーター制御部品の熱対策部材として、100億円規模の事業を展開しています。
この中で、現在注力しているのが、急速な市場拡大が期待されるLED(発光ダイオード)分野における、熱対策のためのトータルソリューションとしての部材提供です。
ここ数年、LEDの光源用途での需要が急拡大しています。すでに、携帯電話の液晶バックライトとして大きな市場を形成しており、この分野で用いられるパッケージ(素子)の市場規模は、既に2,000億円ともいわれております。さらに今後は、大型液晶ディスプレイのバックライト用光源をはじめ、自動車のヘッドライトや一般照明機器分野で大出力LEDの採用が進み、今後5~10年でLEDパッケージ(素子)市場は1兆円規模に急拡大するとの予測もあります。
当社は、特に熱対策技術が発光効率や製品寿命の鍵となる大出力LED分野において、LEDの放熱性向上の要求に応えるべく、体制を強化して、保有する素材技術と部材技術の複合化により、既存製品の改良と新製品の開発に注力しております。
今般、当社では、当該分野の技術開発を加速して事業拡大を急ぐべく、従来のビルドアップ基板の欠点を飛躍的に改良し、銅に匹敵する高熱伝導性を備え、配線の高密度設計が容易に行える“AGSP(R)基板(登録商標:AGSP/Advanced Grade Solid-bump Process)”技術を開発したダイワ工業と、AGSP(R)基板技術をベースとした高熱伝導性基板の研究開発、製造、販売を行う新会社を設立することに合意しました。
熱対策事業については数年内に売上を倍増する計画ですが、今回のLED配線基板やLEDパッケージ基板などに好適なAGSP(R)基板技術と、当社の保有する金属基板技術および有機系・無機系素材技術の融合により、計画の前倒しを図るとともに更なる事業の拡大を目指します。
※AGSP(R)基板ダイワ工業が独自に開発した、金属Cuバンプを用いて、低コストで確実な層間配線接続を行うプロセスです。バンプは任意の位置に設計が可能であり、接続信頼性が高く、配線の高密度化が容易です。また、任意径の銅柱が層間を貫通しているため、銅に匹敵する高熱伝導性を発揮する樹脂系放熱基板が製造できます。
※以下は添付資料を参照