富士通、2メガビット単体FRAMの量産開始
2メガビット単体FRAMを量産開始
当社は、高速なデータ読み書き、低消費電力、書き換え可能回数の多さなどを特長とする不揮発性メモリであるFRAM(注1)において、量産レベルでは世界最大容量(注2)となる2メガビット単体FRAM「MB85R2001」、「MB85R2002」の量産体制を確立し、本日より受注を開始します。
近年、カーナビや多機能プリンタ、計測機器など情報機器において、各種パラメーターの格納、機器の動作状況の記録、セキュリティ情報の格納などの用途で、不揮発性メモリ(注3)が利用されてきています。特に、FRAMは同様の用途に使われているE2PROMに比べて書き換え可能回数が多く、低消費電力で、データを高速書き込みできるため、このような用途に適しています。これらの機器のさらなる高機能化にともない、FRAMの容量増加に対する需要も高まっています。
当社は、他社に先がけて1999年にFRAM製品を量産開始して以来、単体製品および組込み製品あわせて世界市場で約5億個の販売実績を達成しています。このたび当社は、FRAM容量増加の要求に応えるべく、従来の倍の容量を持つ、量産レベルで世界最大容量となる2メガビット単体FRAM製品「MB85R2001」および「MB85R2002」の量産体制をいち早く確立し、本日より受注を開始します。
従来のバッテリーバックアップSRAMに比べて、本製品を使うことで、データ保持用のバッテリーが不要になり、製造工程や保守作業の簡略化、部材排出の削減による環境負荷軽減に貢献します。
「MB85R2001」および「MB85R2002」
※製品画像は添付資料を参照
■サンプル価格、および販売開始時期
製品名 サンプル価格(税込) 販売開始時期
MB85R2001 2,000円 即日
MB85R2002 2,000円 即日
■販売目標
月間20万個
■本製品の特長
1.高速書き換えかつ低消費電力、高書き換え耐性
FRAMはRAMとROMの長所を兼ね備えた次世代メモリの一つであり、E2PROM(注4)と比較して1万倍以上高速の書き込み速度、数十分の一の書き込み電力、1万倍以上の書き換え可能回数などの特長を持ちます。
2.1メガビット製品と同一パッケージで大容量化を実現
量産中の1メガビットFRAM(「MB85R1001」、「MB85R1002」)の電気的特性を引き継ぎ、同一のTSOP-48パッケージでの提供によって、一つのアドレスの追加接続のみで、2メガビットへの移行を可能にしております。これにより、同一のプリント基板において、必要とするメモリ容量に応じて、1メガビットと2メガビットのいずれかのFRAMを選択することができます。
■想定される応用例
FRAMの高速書き込み、書き換え回数の多さという特長を活かして、事務機器のイベント数カウントや、イベントごとの各種パラメーターとログの格納などの用途において、書き換え回数を気にすることなく使用できます。FRAMでは100億回の読み書き回数が可能ですが、これは毎秒30回で10年間書き続けることに相当します。またFRAMは10年以上バッテリーレスでデータを保持することが可能です。計測機器などにおいては、電源遮断時にデータをFRAMに高速書き込みすることで、貴重なデータを失うことがありません。このようなFRAMの特長を活かし、SRAM、E2PROM、フラッシュメモリなどでは得られなかった機能の実現が可能となります。
■商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
■添付資料
「MB85R2001」、「MB85R2002」の主な仕様
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2007/04/18a.pdf
■注釈
注1 FRAM:
Ferroelectric Random Access Memory(強誘電体メモリ)。強誘電体膜をデータ保持用のキャパシタに利用したメモリ。電源を切っても内容を保持する。データの高速な書き込み動作、低消費電力、書き換え回数が多いといったROMとRAMの長所を併せ持つ。FeRAMとも呼ばれる。
注2 量産レベルでは世界最大容量:
当社調べ、2007年4月17日現在。
注3 不揮発性メモリ:
電源を切っても内容を保持するメモリの総称。
注4 E2PROM:
Electrically Erasable Programmable Read Only Memory。電気的に消去、読み書き可能なROMで不揮発性メモリの一つ。
以 上
■関連リンク
・電子デバイス・半導体関連Webサイト
http://jp.fujitsu.com/microelectronics/
■拡大画像
・「MB85R2001」および「MB85R2002」
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2007/04/18al.jpg