昭和電工、電炉鋼生産に使用する30・32インチ黒鉛電極の供給体制を強化
30および32インチ 大口径黒鉛電極供給体制の強化
-需要が拡大するアジア・米国市場に向けて-
昭和電工株式会社(社長:高橋 恭平)は、昨年より電炉鋼生産に使用する30・32インチ黒鉛電極の供給体制の強化を日米の2拠点において進めてまいりました。国内拠点の大町事業所(長野県大町市)に建設を進めている黒鉛化炉1系列は本年7月に竣工の予定であり、グループ会社である昭和電工カーボン社(米国サウスカロライナ州)における大口径化対応工事も終了し、年央に生産を開始する予定です。これらにより当社は日米2拠点での30・32インチ大口径黒鉛電極の年産能力を、1万5千トンから2万5千トンに増強します。
鉄鋼生産は、過去、世界人口の増加に伴い伸びており、今後とも同様の伸張が予想されています。また、BRICs諸国の経済発展により、鉄スクラップの発生が増加しており、これらのスクラップを原料とする電炉メーカーによる鉄鋼生産の増加も見込まれます。さらに、電炉メーカーにおいてはより生産性の高い大型電気炉の導入が進みつつあり、大口径黒鉛電極の需要が増加しています。
黒鉛電極は原料のコークスを成型したものを焼成・黒鉛化することにより生産されますが、サイズを大型化すると焼成・黒鉛化の工程における熱処理にむらが生じやすくなり、高品位製品の安定生産が難しくなります。現状、電炉メーカーで使用される最大口径である30・32インチ黒鉛電極の生産において、当社は高い技術力と厳しい品質管理により信頼性の高い黒鉛電極を生産し、お客様にご提供しています。これらの大口径黒鉛電極において当社は既に世界シェアの40%を保有するトップメーカーです。なお、今回の黒鉛化炉等に関わる設備投資金額は10億円強です。
当社は、2006年からスタートした連結中期経営計画「プロジェクト・パッション」において成長戦略を加速すると共に、基盤事業の競争力強化を重点課題としています。黒鉛電極事業においても、徹底的なコストダウンと大口径電極へのシフトによる高付加価値化により、競争力の強化を図ってまいります。
以上