ワコム、重さと厚みを半減させたタブレットPC向け新センサー・システムを開発
タブレットPC向けセンサー・システムの性能を向上させ、重さと厚みを半減
― 電子ペンによる入力・操作の用途を広げる技術が製品化へ ―
株式会社ワコム(本社:埼玉県北埼玉郡、代表取締役社長:山田正彦)はこのほど、タブレットPC向け電磁誘導方式(EMR(r))センサーの信号出力を従来のものから50%以上向上させながら、重さと厚みでそれぞれ約50%の削減を実現した新しいセンサー・システム、ワコム・ペナブルテクノロジー「G5」を開発しました。このセンサー・システムは、米ゲートウェイ社が本年4月に米国で受注開始するノート型タブレットPC「E-155C」に世界で初めて採用されます。
1.信号出力向上の利点
(1)センサーが外部から受ける電気的なノイズの干渉を受けにくくなる。
(2)電子ペンの動きを検知できるディスプレイからの距離が高くなり、ペンの操作性が向上する。
実現できた理由:
センサーの背面に付着するバックプレートに新しい基板材料を採用したため。
2.センサー軽量化・薄型化の利点
(1)液晶ディスプレイモジュールを軽量化・薄型化することが可能。タブレットPC本体の軽量化やコスト削減を実現できる。
(2)ペン入力操作機能を持った携帯端末や電子ペーパーなど、さまざまな電子機器に応用できる。
実現できた理由:
1)センサー基板素材を薄くて軽い素材に変更したため。
2)バックプレートを薄くて軽い素材に変更したため。
3)コネクターやケーブル部分を小型化したため。
4)液晶ディスプレイとセンサーの実装方法を簡素化したため。ディスプレイの裏側にセンサーを直接貼り付けることで、ディスプレイに手を加える必要がほとんどなく、実装のための取り付け部品とその作業工数を削減した。
さらに「G5」は、画面から電子ペンと指の両方でパソコンの入力操作ができる当社のセンサー・システム「Penabled DualTouch(ペナブル・デュアルタッチ)」もサポートしています。抵抗膜方式タッチセンサーなどと組み合わせて電子ペンと指による入力操作機能をPCに搭載することも容易です。マイクロソフト社の最新OS「Microsoft(r) Windows Vista(tm)」(Home Basic版を除く)では、マウスやキーボードに加えて、電子ペンと指による入力操作も標準機能として搭載されていますので、この機能を持ったより薄く軽いPCを提供することができます。
「G5」は本年2月から量産出荷を開始しており、最初の1年間で100万セットの出荷を見込んでいます。
【主な仕様】
センサー本体重量:約40グラム(12.1インチワイド型液晶用)
センサー本体厚さ:約0.35ミリメートル(コントローラ部含まず)
筆圧感知:256段階(512段階をオプションで提供)
読取分解能:0.001mm
読取精度:±0.4mm
読取速度:133ポイント/秒以上(160ポイント/秒をオプションで提供)
読取可能な高さ:5mm~14mm(条件による)
消費電力:3.3V/20mA(ペンを検出していない状態)
【ワコム・ペナブルテクノロジーについて】
当社は、EMRセンサーと電子ペンの技術を「ワコム・ペナブルテクノロジー」と呼び、左記のロゴと共に技術供給を推進しています。今回開発した「G5」は「ワコム・ペナブル・テクノロジー」の応用技術です。この技術を搭載した情報端末は互換性があり、同じ技術を持つ当社の電子ペンで他の端末を操作することが可能です。当社は、電子の紙とペンを誰もが直感的かつ自然に使えるようにする「ワコム・ペナブルテクノロジー」に注力しており、この技術を幅広く供給することで、さまざまな情報端末の主要技術供給メーカーとしてグローバルリーダーをめざします。
*「EMR」は株式会社ワコムの登録商標です。
*WindowsおよびWindows Vistaは、米国Microsoft Corporationの米国及びその他の国における登録商標または商標です。
<この発表に関するお客様からのお問い合わせ先>
コンポーネント統括 営業部 マーケティング担当
電話:03-5309-1508
<株式会社ワコムについて>
株式会社ワコムは、1983年に創業し全世界で事業を展開するペンタブレット分野のグローバルリーダーです。独自の電子ペン入力技術であるペナブルテクノロジーによるコードレス&電池レスで筆圧、消しゴム、傾き検出、デバイスIDなど先進的な機能を搭載した入力デバイスを世界に先駆けて製品化してきました。ペンタブレットのシェアは国内で96.7%(2006年、BCN調べ)、海外では80%以上を誇ります。また、現在、世界で生産されているほとんどのタブレットPCにはワコム製のセンサーとペンが使われています。