日本TI、工業用制御機器など向け高精度リファレンス内蔵の16ビットDAコンバーターを発売
日本TI、工業用制御機器の小型化と高精度の実現に最適化された
2ppm/℃の高精度基準電圧源内蔵、超低グリッチの16ビットDAコンバータを発表
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、高精度リファレンスを内蔵した新型DAコンバータ(デジタル-アナログ・コンバータ)シリーズ初の製品となる『DAC8560』を発表しました。
この製品は1チャネル内蔵の16ビット高性能DAコンバータであり、ストリングDAコンバータとしては最良のINL(積分非直線性誤差)、かつDAコンバータに内蔵されたものとしては最も高精度の温度ドリフト性能を持った内蔵基準電圧源と16ビットの単調性を併せ持つDAコンバータです。具体的には0.15nV-s(ナノボルト・秒)の超低グリッチ性能、2.7V(ボルト)動作時に1.5mW(ミリワット)の超低消費電力、2ppm/℃(百万分の一/℃)の温度ドリフト特性ならびに±0.004%の初期精度を持つリファレンスを内蔵するという特長を備えています。高性能DAコンバータに高精度リファレンスを組み合わせた『DAC8560』は、ポータブル計測機器、光ネットワーク、工業用プロセス制御、マシンおよびモーション・コントロール、データ・アクイジション・システムをはじめとするクローズド・ループ制御の各種アプリケーションに、柔軟性があり使いやすいソリューションを提供します。本件の詳細に関してはhttp://www.tij.co.jp/sc07067(日本語)から参照できます。
先行の『DAC855x』シリーズのDAコンバータ製品は、コード遷移に伴って出力に発生する過渡電圧(グリッチ)が極めて小さく、優れた性能を持ちます。
『DAC8560』は『DAC855x』シリーズを踏まえて開発された新製品です。この超低グリッチ特性によって、クローズド・ループ・システムにおいてはリンギングを誘発する不要な過渡電圧波形の発生を防止できるほか、波形発生回路では高調波歪みの発生など、DAコンバータに共通する問題を解決できます。
『DAC8560』は電源の通電開始後、正しいデータが書き込まれるまでDAコンバータ出力をゼロに保持するためのパワーオン・リセット回路も内蔵しています。またシリアル・インターフェイス経由でアクセスできるパワーダウン機能によって、5V動作時の消費電流を1.2μA(マイクロアンペア)まで低減できます。
さらに、4LSB(代表値)のINL(積分非直線性誤差)、0.5LSB(代表値)のDNL(微分非直線性誤差)、フルスケールの±0.003%以内まで8μs(マイクロ秒、代表値)のセトリング時間、動作温度範囲で16ビット単調増加性の保証など、数々の特長を備えています。
『DAC8560』はTIの『MSP430』超低消費電力マイクロ・コントローラ、『TMS320C2000(TM)』デジタル・シグナル・コントローラ、ならびにハイパフォーマンス・アナログ製品のポートフォリオとの組み合わせに最適化されており、全機能内蔵のシステム・ソリューションを提供できます。
供給と価格について
『DAC8560』は現在、MSOP-8パッケージで出荷中で、TIおよび販売特約店から供給されます。1,000個受注時の単価の参考価格は3.5ドルから設定されています。
評価モジュールも供給されます。また新型の16ビット高性能DAコンバータ製品、『DAC8550』、『DAC8551』、『DAC8552』、『DAC8554』、『DAC8555』も供給中です。
TIではアナログ技術者向けにセミナ、デザイン・ツール、技術資料、評価モジュール、サンプル提供などの幅広いサポートを提供しています。TIの包括的なアナログ・デザイン・サポートの詳細に関しては、http://www.ti.com/analogelabの『eLab(TM)』デザイン・センター(英文)から参照できます。
ハイパフォーマンス・アナログ製品に関する情報は、インターネットでも発信しています。(http://www.tij.co.jp/analog)
*すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。
【テキサス・インスツルメンツおよび日本テキサス・インスツルメンツについて】
テキサス・インスツルメンツ(本社:米国テキサス州ダラス、社長兼CEO:リッチ・テンプルトン、略称:TI)は、グローバルな半導体企業であり、デジタル家電、ワイヤレス市場などに向けたDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)とアナログICを中核とするトータル・ソリューションを提供しています。そのほか、教育関連テクノロジーを展開、世界25ヶ国以上に製造・販売拠点を持っています。
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は、テキサス・インスツルメンツの子会社で日本市場における大手の外資系半導体サプライヤです。資本金は362億5,000万円です。大分県日出、茨城県美浦に生産工場があり、茨城県つくばと神奈川県厚木にテクノロジー・センターがあります。TIに関する情報はインターネットでも発信しています。
【お問い合わせ先】
日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
プロダクト・インフォメーション・センター(PIC)
URL:http://www.tij.co.jp/pic/
以 上