ミック経済研究所、UNIX/Win対応基幹業務パッケージソフトの市場展望を発表
-ERP市場は、小規模・中規模市場は低迷脱出、中堅市場は二桁増維持、大手企業向け市場は飽和感-
-SCM市場は、計画系は大幅減、実行系は堅調、管理系は市場拡大、統合系は低調-
情報・通信分野専門の市場調査機関である株式会社ミック経済研究所(本社:東京都港区、社長:有賀 章)は、UNIXおよびWindowsをプラットフォームとしたサーバ対応の基幹業務パッケージソフトの市場動向を捉えたマーケティング資料「UNIX・Windows対応基幹業務パッケージソフトの市場展望(2007年度版)」を、2007年4月10日に発刊した、と発表しました。2007年度版はハードウェアベンダー3社とソフトウェアベンダー88社を対象に15分野について調査しています。当調査は各社の取材数値を積み上げ、2005年度から2007年度の分野別UNIX・Windows対応基幹業務パッケージソフトの市場規模と、同3ヵ年の積み上げ数値をもとに2011年度までの中期予測をしています。
調査結果の概略は、以下のとおりです。
<市場全体>
基幹業務パッケージ(下記表)の総市場規模は2005年度約1,182億円、2006年度は約1,264億円で前年対比106.9%と堅調な伸びでした。ERPパッケージの全般的な伸びが貢献していますが、景気回復によりIT投資が活発化しつつある事が背景にあります。2007年度は出荷金額1,388億円、対前年比109.8%と更なる拡大が見込まれております。2008年度には1,494億円、そして2011年度には1,700億円を突破すると予想されます。
【 基幹業務パッケージ資料の調査対象分野 】
添付資料1をご参照ください。
<ERPパッケージ市場>
主にターゲットユーザー規模により、ERPを4つの製品市場に分類しております。
分類の概要は添付資料2の通りです。
以前はベンダーによってターゲット市場の棲み分けがある程度ありましたが、ここ数年その垣根がなくなり、区分が難しくなっております。大手企業向けのERPベンダーが中堅市場向け製品を投入する一方、小・中規模企業向けのERPベンダーも中堅企業をターゲットにした製品を投入しています。特に中堅市場でのERPパッケージ導入比率はまだ低く、潜在的に巨大なマーケットだけに各社販売を強化しており、激戦区の様相を呈しています。
4分野のERPパッケージ市場を合算したERPトータル市場は、2006年度出荷金額約954億円、前年対比108%でした【図表1参照】。中規模、小規模市場はここ数年低迷が続いていましたが、新会社法等の改定を追い風に伸びてきています。中堅市場は引き続き二桁台の成長を維持しそうです。大手企業向け市場はやや飽和感があり、システムの増強やリニューアル案件が中心になっています。
ERPパッケージ市場は、2007年度中堅市場の更なる拡大により、出荷金額約1,038億円と初めて1,000億円を突破、前年対比も108.8%と2006年度を上回る伸びが期待できそうです。
<SCMパッケージ市場>
添付資料3をご参照ください。
SCM全体の市場はSCPの大幅減少が影響し、2006年度約108億円、前年対比93.4%と減少しました【図表3参照】。
SCPの大幅減は、これまで市場を牽引してきたi2テクノロジーズやJDAソフトウェア(旧マニュジスティックス・ジャパン)などの低迷が大きく影響しています。
WMS市場は2006年度出荷金額約21億円、前年対比107.9%と、2005年度の大きな伸びと比較すると低調な伸びでした。2007年度は日本電気の本格展開もあり、出荷金額24億円、前年対比117.1%と大きな伸びが見込まれます。
TMS市場は2006年度横ばいであったものの、車載無線機器との連動によりリアルタイムに車両稼動状況の把握や、CO2排出削減などグリーン物流に取り組む需要が高まっており、注目されつつあります。2007年度には出荷金額8.5億円、前年対比106.3%の伸びが見込まれます。
SCE市場は2006年度出荷金額約59億円、前年対比95.2%とSAPジャパンの売上減が影響し、マイナス成長でした。
SCEM市場は2006年度出荷金額約4億円と小さい市場ながら、前年対比107.5%と徐々に拡大しています。2006年度にマンハッタンアソシエイツが市場参入した事もあり、2007年度は出荷金額約6億円、前年対比144.2%と高い伸びが見込まれます。