サッポロ、2008年にプレミアム・ビール大麦「LOXレス大麦」の商業生産を開始
ビールの鮮度維持、泡持ち向上を可能にする画期的な原料用大麦
2008年プレミアム・ビール大麦「LOXレス大麦」の商業生産開始
サッポロビール(本社・東京、社長・福永 勝)は、ビールの鮮度を飛躍的に長持ちさせ、ビールの泡持ちを向上させる、プレミアム・ビール大麦「LOXレス大麦」(2003年に特許申請済)を、2008年よりカナダで商業生産することを決定しました。
プレミアム・ビール大麦「LOXレス大麦」とは、ビールの香味劣化を促す脂質酸化酵素「LOX-1」を持たない大麦のことで、試験醸造製品の比較で、ビールの香味劣化の原因となる物質「トランス-2-ノネナール」が約1/3、またビールの泡持ち低下の原因となる物質「トリヒドロキシオクタデセン酸」が約1/2となることが当社の実験で実証されています。(別紙2参照)
当社では、2008年にカナダ産「LOXレス大麦」を3,000t生産し北米、南米、豪州、欧州の香味耐久性や泡持ち向上を求めるビールメーカーへ供給する計画です。そのため当社は、世界の主要大麦生産地であるオーストラリアをはじめ、ヨーロッパ各地でも「LOXレス大麦」の品種開発を行い、2009年以降はグローバルな生産体制の構築に着手します。今後は2011年までに各地域の原料メーカーと提携し90,000t規模の供給体制を目指します。
現在、世界中の大手ビールメーカーは、ビールの鮮度維持向上をテーマに、設備、定温・低振動輸送、鮮度管理などの製造・物流工程の改善を競っています。更に、その中でも原料に関する先進的な研究開発力を兼ね備えたビールメーカーや育種機関においては、「LOX-1」を持たない大麦の商業化に向けた熾烈な研究開発競争が繰り広げられています。創業以来原料にこだわる当社では、製造・物流工程の鮮度維持向上アプローチに加え、原料のイノベーションの可能性にも取組んできましたが、今般、世界に先駆けて、2008年にカナダで「LOXレス大麦」の品種登録申請を行い、同年中の品種登録認可取得を目指す決定をしました。
今後はプレミアム・ビール大麦「LOXレス大麦」を使用したビールの商品開発にも取り組み、更に鮮度が長持ちする、泡持ちの良いおいしいビールづくりを目指します。
サッポロビールでは、1876年(明治9年)の創業以来、原料や品質にこだわり、独自の取組みである「協働契約栽培」の活動とともに、ビールの原料である大麦・ホップの研究も続けてきました。今後も原料の研究開発を通じてビール文化の発展に貢献していきたいと考えています。
記
参考資料
別紙1 補足説明
別紙2 研究内容
参考サイト
当社ホームページサイト“ものづくりノート”の特集
http://www.sapporobeer.jp/note/
「原料からビールを変える、LOXレス大麦」も合わせてご覧下さい。
(LOXレス大麦の開発に携わった大麦の当社研究員が、わかりやすく解説しています)