エドワーズライフサイエンス、弁膜症患者のQOL向上に貢献する人工心臓弁を発売
弁膜症患者のQOL向上に貢献する人工心臓弁を発売
エドワーズライフサイエンス株式会社(代表取締役社長:ケイミン・ワング)はこのほど、「カーペンターエドワーズ牛心のう膜僧帽弁(うししんのうまくそうぼうべん)プラス」を発売いたしました。この人工心臓弁は、僧帽弁(*)用の生体人工心臓弁(生体弁)で、牛の心臓を包む心膜組織(心のう膜)を加工しており、弁膜症で機能不全に陥った心臓弁の代用として使用されます。
5月1日から保険適用となり、保険償還価格は967,000円です。
(*)僧帽弁・・・心臓内の血流を調節する弁の一つで、左心房と左心室の間にあります。
【カーペンターエドワーズ牛心のう膜僧帽弁プラスの特長】
1.正確かつ安全なインプラントを実現できるホルダー
悪くなった心臓弁を人工心臓弁に置き換える弁置換術では、人工心臓弁をホルダーと呼ばれる部品に取り付けて患者さんの体内に植え込む作業を行います。当製品付属の「トライセントリックス・ホルダー」は、弁を適切に固定することができ、また、術中に縫合糸が巻き込まれるといったリスクを軽減するデザインです。
2.綿密な設計・製造
牛心のう膜は、コラーゲン含有率が高く、その分布が網状に分散されているので、耐久性を必要とする生体弁に適しています。また、僧帽弁は、心臓の中でも血流が多く圧の高い部位に位置するため、当製品では、弁の局所的な負荷を避ける設計や、コラーゲンの構造に変化を与えないような処理を行っています。さらに、構成部品を改良したことで、より高い耐久性が期待されます。
3.患者さんのQOL向上に貢献
人工心臓弁には、牛心のう膜などで作られた生体弁と、カーボン素材などで作られた機械弁の2種類があります。機械弁は、その特性から血栓ができやすく、血を固まりにくくするための抗血液凝固剤の服用や食事制限などが一生必要になります。一方、当製品のような生体弁は、一定の期間を過ぎればその必要はなくなるため(**)、患者さんの生活の質(QOL)の向上に貢献します。米国では、機械弁より生体弁の割合が多く、日本でも高齢者を中心にその使用は年々増加しています。
(**)心房細動などがある場合は、引き続き抗血液凝固療法が必要になります。
販売名: カーペンターエドワーズ牛心のう膜僧帽弁プラス
医療機器承認番号: 21900BZY00040
【弁膜症について】
弁膜症は、心臓弁に狭窄(弁が硬くなり開きが悪くなる)や閉鎖不全(弁が完全に閉じなくなる)が起こり、血流が妨げられたり、逆流を起こしたりする病気です。 このような状態は心臓への負担を増大させ、心不全などを引き起こすことがあります。弁膜症は自然に治ることはないので、進行すると外科治療を行います。外科治療法は、自己弁を修復する弁形成術と、人工心臓弁と入れ替える弁置換術があります。世界では年間30万人以上、日本でも年間約2万人が外科手術を受けています。
エドワーズライフサイエンス株式会社は、米国エドワーズライフサイエンス社(NYSE:EW)の日本法人です。2002年10月1日、商法の会社分割制度(吸収分割)を適用し、バクスター株式会社の心臓血管製品事業を承継しました。主に人工心臓弁(生体弁)や心機能測定用カテーテル製品を輸入販売しています。