フリースケール、i.MX31上で「M-DMPii」製品の開発プラットフォームを実現
フリースケールのi.MX31上に、アルファシステムズのalpha Media Link SDKを用いて、DLNAi規格に準拠したモバイルデジタルメディアプレーヤ「M-DMPii」製品の開発プラットフォームを実現
フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン株式会社(本社:東京都目黒区下目黒1-8-1、代表取締役社長:高橋恒雄、以下、フリースケール)は、ARM11採用i.MX31(アイドット・エムエックス31)マルチメディア・アプリケーション・プロセッサ上に、株式会社アルファシステムズの「alpha Media Link SDK」を使用して開発したM-DMP(Mobile-Digital Media Player)機能を搭載し、DLNA規格に準拠したM-DMP製品の開発プラットフォームを実現したことを発表しました。
この開発プラットフォームについて、5月16?18日に東京ビッグサイトにて開催される『第10回組込みシステム開発技術展(以下、ESEC)』(ブースNo.東32-50)にてデモンストレーションを行います。
今回開発したM-DMPは、デジタル家電などのホームネットワークの相互接続を可能にする「The DLNA Interoperability Guidelines v1.5」で定義されたモバイル機器向けの機能です。MP4ファイルシステム、H.264/AVC ビデオ・コーデックおよびAACオーディオ・コーデックに対応したデジタル・コンテンツを再生する機能を持ち、DLNAに準拠したDMS(Digital Media Server)の発見機能とコンテンツ情報の取得、およびPlayやStop、Pause等のメディア・オペレーション機能を実現しています。
家電製品や携帯電話などのモバイル機器を取り扱うメーカーは、この開発プラットフォームを使用することにより、簡単かつ効率的にDLNA規格に準拠したM-DMP機能を持つ製品を開発することが可能になります。その結果、通信のシームレス化が広がる中、機器間の相互接続およびメディア再生を家庭内のネットワーク内だけでなく、モバイルの世界でもいち早く実現することができます。
■デモンストレーションのハイライト
急速な小型化とネットワーク化が進むデジタル家電機器とDLNA規格に準拠したアプリケーション・プラットフォームの組み合わせにより、ユーザは新たなデジタル・メディアの視聴を体験することができます。その中でもM-DMP製品によるH.264/AVCデジタル・コンテンツの再生機能は、今後のモバイルデジタル家電機器において重要な位置を占める機能の一つです。
ESECでは、フリースケールのPowerQUICC通信プロセッサ「MPC8349E」を搭載したPowerQUICC II Proリファレンス・プラットフォーム「MPC8349E-mITXE」上で「alpha Media Link SDK」を用いて開発したDMSを稼動させ、M-DMPとDMPに対してH.264/AVCを含む複数のフォーマットのデジタルコンテンツを同時配信するデモンストレーションを実施します。
■各社の製品について
フリースケールのi.MX31マルチメディア・アプリケーション・プロセッサはARM11コアを搭載し、532MHzの高いCPU性能、266MHzのMobile-DDRメモリコントローラ、128KB L2キャッシュを兼ね備え、各種インタフェースや周辺機能の取り揃えによりモバイル向けメディア再生端末としてバランスの取れた仕様を持っています。ポータブル・メディアプレーヤ、ワンセグ再生機、モバイル・コミュニケータなど各種採用実績があり、その高い処理能力でDLNA機能に必要なUPnP、ネットワーク対応、各種メディア再生機能などの画像音声処理などがリアルタイムで実現できます。
製品の詳細は、http://www.freescale.co.jp/products/wireless_solution/imx.htmlをご覧ください。
アルファシステムズの「alpha Media Link SDK」は、「The DLNA Interoperability Guidelines v1.5」Marchに則したソフトウェア開発キットであり、複数のデバイスクラス(DMS、DMR、DMC)を1パッケージで提供します。また、さまざまなデコードシステムやレンダリングシステムを実装するためのインタフェースAPIが同梱されているため、既存のアプリケーションソフトウェア・ハードウェア資産の有効活用が可能です。M-DMP対応開発キットは、今後リリース予定であり、「alpha Media Link SDK」のサポートサービス利用者に無償提供されます。
今回のM-DMP対応デモシステムにはテクノ マセマティカル社のH.264ビデオ、MPEG4/2 AAC(LC)オーディオのソフトウェア・ソリューションを搭載しています。テクノ マセマティカルは数学的手法を駆使した独自のアルゴリズム「DMNA」を用いて高品位なソリューションを提供しており、演算回数・処理量を格段に減らし、高速化、高画質化、高音質化、低消費電力化を実現しています。
また、OSとしては、組込みLinux市場向けの大手サービスプロバイダーであるTimeSys社(米国、ペンシルバニア州、ピッツバーグ)が提供するLinux2.6が搭載されています。日本国内ではTimeSys社のマスターディストリビューターである株式会社日新システムズが、組込みLinux開発者向けのサービス「LinuxLink」の販売やサポートを展開しており、TimeSys社が集約した最新コンポーネントや技術情報をTimeSysポータルサイトからWeb経由で提供しています。
■アルファシステムズについて
アルファシステムズは、“通信専門のシステムクリエータ”として1972年の創業以来一貫して基幹系通信システムのソフトウェア開発を中心とした事業を展開してきました。携帯電話向けアプリケーション・ソフトウェアの受託開発を含むモバイル・ネットワークシステムは、2006年度売上高の37%を占めています。当社では、主幹業務である通信専門のソフトウェア開発で培った技術力を活かし価値創造型の新製品の開発、新事業の創出を推進しており、alpha Media Link SDKを含む自社製品がお客様に提供する価値の向上に取り組んでいます。
詳細は、http://www.alpha.co.jp/
■テクノ マセマティカルについて
株式会社テクノ マセマティカルは、2000年6月に東京都品川区に設立、2005年12月に東京証券取引所 マザーズ市場に上場しました。東京大学 客員教授で工学博士の田中正文によって設立された、数学の専門家とエレクトロニクス技術者が結集したアルゴリズムスペシャリスト集団です。
同社の開発した数学的手法を駆使した革新的演算アルゴリズム「DMNA」(Digital Media New Algorithm)は画像や音声/音響の圧縮伸張処理で使われている、各種の負荷が重い演算処理を、さまざまな数学的手法を組み合わせることで、演算の負荷を大きく減らし、画質や音質を損なうことなく高速処理することを可能にする計算手法です。
同社のミッションは、独自のアルゴリズム「DMNA」を駆使した差別化技術で、低消費電力、高速、高画質、高音質の圧縮伸張ソリューションを、成長著しいモバイル機器やデジタル家電等に提供して、お客様の成功を実現、夢と感動を与え続けることです。 http://www.tmath.co.jp
■日新システムズについて
日新システムズ社は“Embedded Solution Partner”として組込みシステム開発のインテグレーターであり、リアルタイム制御とネットワーク分野で高い技術力を誇る企業です。組込みソフトウェア開発においては、OSのカスタムボードへのポーティング、デバイスドライバ開発、アプリケーション開発に高い技術力を保有しています。また、米国TimeSys社のマスターディストリビューターとして組込みLinuxの開発者向けのサービス「LinuxLink」の販売やサポートを展開し、更に組込みTCP/IPプロトコルスタック、組込みファイルシステムなどのミドルウェア「EmbeddedWorks」シリーズの販売、カスタマイズも行っています。詳しい情報は、http://www.co-nss.co.jp/(日本語)に掲載しています。
■フリースケール・セミコンダクタについて
フリースケール・セミコンダクタ・インクは、自動車用、民生用、産業用、ネットワーキングおよびワイヤレス・マーケット向け組込み用半導体のデザインと製造の世界的リーダーです。フリースケールは、テキサス州オースチンを本拠地に、世界30カ国以上の国で、半導体のデザイン、研究開発、製造ならびに営業活動を行っています。フリースケールは世界的な大手半導体メーカーです。2006年度の売上高は64億ドル(USD)でした。詳細は、http://www.freescale.com(英語)、またはhttp://www.freescale.co.jp/(日本語)をご覧ください。
【読者からのお問い合わせ先】:
テクニカルインフォメーションセンター
Tel:0120-191014
Email:support.japan@freescale.com
FreescaleならびにFreescaleのロゴマークは、フリースケール社の商標です。文中に記載されている他社の製品名、サービス名等はそれぞれ各社の商標です。
(c)2007フリースケール・セミコンダクタ・インク
i)DLNA
Digital Living Network Alliance。AVコンテンツを取り扱うデジタル機器間の相互接続仕様を策定する標準化団体である。
ii)M-DMP
コンテンツソースDMS選択、ディレクトリ検索(Browse)、メタデータによる検索(Search)、コンテンツプロパティ取得、音量調整、コンテンツ再生を行うDMPのモバイル対応版。