松下、長期屋外使用でも色あせや感度低下のないロバストなイメージセンサーを開発
世界初、*色あせや感度低下のないイメージセンサ**
高耐候性、高耐熱性の堅牢なイメージセンサを開発
2007年11月よりサンプル出荷開始
* 2007年5月14日現在、当社調べ
** 年間屋外紫外線照射量を約300MJ/m2として、20年間屋外にて使用するとした加速度試験結果
【 要旨 】
松下電器産業(株)は世界で初めて無機材料によるイメージセンサ[1]を開発し、長期の屋外使用でも色あせや感度低下のないロバスト(堅牢)なイメージセンサを実現しました。本開発のロバストなイメージセンサ(ν Maicovicon(R)(ニュー・マイコビコン))は屋外利用機器など幅広い用途に適用できます。2007年11月よりサンプル出荷を開始します。
【 効果 】
本製品は受光部[2]を無機材料で構成しており、常時屋外の炎天下にさらされるような厳しい条件下でも材料の劣化がなく、長期間の連続カメラ使用などの用途でも初期画像と変わらない鮮明な画像を得ることができます。また耐熱性が高いためリフロー[3]などのプロセスにも対応可能。劣化のない綺麗な画像が実現できます。
【 特長 】
本製品は以下の特長を有しております。
1.受光部のマイクロレンズおよびカラーフィルタを無機材料で形成することにより、屋外における20年相当の紫外線量を照射しても色あせ無し
2.面内で均一な感度を実現するデジタルマイクロレンズにより周辺部まで鮮明な画像が得られるため、超薄型カメラモジュール化を実現
3.1チップで可視光も赤外線も撮影でき、昼夜を問わず高感度を実現可能
4.チップ実装時のリフロー工程など高温プロセスでも変色、色あせ、変形のない高耐熱性
【 内容 】
本製品は以下の技術によって実現しました。
1.無機材料の粗密でレンズ効果を実現する世界初のデジタルマイクロレンズ技術と、無機材料の波長選択層により自在な色選択を実現する世界初のフォトニックカラーフィルタ技術
2.デジタルマイクロレンズを画素[4]ごとの入射角度に最適設計し、画面中央部も周辺部も均一な受光量の画素を実現する最適化設計技術
3.赤外線検知画素を組み込むことで、夜間と昼間の撮影を高感度で両立する赤外線検知技術
4.本質的に経時変化のない無機材料からなるデジタルマイクロレンズとフォトニックカラーフィルタを、光の波長以下の精度で形成する最新の半導体プロセス技術
【 従来例 】
従来のイメージセンサは樹脂材料を用いたマイクロレンズと有機顔料を用いたカラーフィルタを使用しているため大量の紫外線によって有機材料が劣化し、画像が色あせたり暗くなるという問題がありました。また屋外の炎天下で長期間連続的にカメラを使用するために、紫外線に強いイメージセンサが求められていました。
【 特許 】
国内 74件、外国 52件 出願中
【 特長の説明 】
(※ 関連資料を参照してください。)
【 内容の説明 】
(※ 関連資料を参照してください。)
【 用語の説明 】
[1]イメージセンサ
撮像部に投影された二次元画像を電気信号に変換する半導体デバイスのことです。撮像部と、撮像部の信号を読み出すための走査回路から構成されています。
[2]受光部
光の検出部分のことです。画素内に占める受光部の面積が広いほど効率よく光を取り入れることができます。
[3]リフロー
半田をペースト状にしたものをプリント基板表面に印刷し、部品実装後、炉(リフロー炉:熱風や遠赤外線等)で半田を溶かし半田付けをするチップの実装方法です。環境負荷を考慮した鉛フリー化が進むにつれて、通常の半田付け温度より高い融解温度をもつ半田(スズ・銀・銅)が使われるようになってきています。
[4]画素
写真のフィルムに相当するイメージセンサの撮像部にマトリクス状に並んでいる赤、青、緑の色を検知する最小単位。1つの画素は、光を受けて電気信号を発生するフォトダイオードと呼ばれる光電変換素子と、その信号を読み出す働きをする部分から構成されています。
(※ 参考画像、特長の説明、内容の説明、用語の説明の詳細は関連資料を参照してください。)