米ケイデンス、カスタムIC向けシミュレーション/検証ソリューションを発表
ケイデンス、業界初の完全なカスタムIC向けシミュレーションおよび検証ソリューションを発表
Virtuoso Multi-Mode Simulationソリューションにより、アナログ、RF、
カスタム・デジタル、メモリおよびミックスシグナル設計を網羅した、迅速かつ高精度な検証が可能に
電子設計のイノベーションで世界をリードするケイデンス・デザイン・システムズ社(本社:米国カリフォルニア州サンノゼ市、社長兼CEO:Michael J.Fister(マイケル・J・フィスター)、日本法人 本社:神奈川県横浜市、社長:川島良一、以下ケイデンス)は、5月15日(米国現地時間)、業界初の設計フロー全体をカバーするカスタムIC向けシミュレーションおよび検証ソリューションを発表しました。
Cadence(R) Virtuoso(R) Multi-Mode Simulation (MMSIMバージョン6.2)は、アナログ、RF、メモリ、ミックスシグナル設計および設計ブロックをシミュレーションするためのネットリストやモデルを共通化し、完全に統合したデータベースを使用しています。この画期的なソリューションにより、設計者は、あるシミュレーション・エンジンから別のシミュレーション・エンジンへと互換性や変換の影響を懸念することなく切り替えできるようになるため、設計期間やリスクを削減しつつ、設計の一貫性、精度、および設計のカバレッジが改善されます。その結果、導入コスト、サポート負荷などが削減され、製品の市場への投入期間が短縮されます。
また、Virtuoso Multi-Mode Simulationは、新しいVirtuosoカスタム設計環境と強固に統合されており、設計から検証までの完全なメソドロジを提供します。さらに、Virtuoso Multi-Mode Simulationは、画期的でコスト効率のよいトークン・ベースのライセンス・モデルを採用しており、設計者は異なるシミュレーション・テクノロジを最適な方法で使用できます。このライセンス形態は、異なるベンダーから提供される様々なシミュレーション・テクノロジを使用する際に発生しがちな導入およびサポート・コストを大幅に削減します。
Virtuoso Multi-Mode Simulationがキットをサポート:
新しいVirtuoso Multi-Mode Simulationは、Cadence AMS Methodology Kit、RF Design Methodology Kit、そしてLow-Power Methodology Kitをサポートしています。
これらの3つのキットは、検証向けのVirtuoso Multi-Mode Simulationを始めとする様々な機能を使用した先端的なメソドロジと最適な設計手法を提供します。
Virtuoso Multi-Mode Simulationバージョン6.2の新しい機能:
Virtuoso MMSIM 6.2は、全体的な統合されたシミュレーション・ソリューションとライセンスの共有モデルを提供することにより、様々なお客様のニーズに対応します。このソリューションは、Virtuoso Spectre Circuit Simulator、Virtuoso UltraSim Full Chip Simulator、およびVirtuoso AMS Designerを含んでいます。これらの各々のシミュレータは、設計の複雑度に応じて機能が強化されており、設計のレベルに合わせて最適な構成を選択することが可能となります。
■Cadence Virtuoso Spectre Circuit Simulator L
・既存のSPICEツールと比較して、最大で3倍の性能を実現する最適化されたエンジンによる高速かつ高精度なSPICEレベルのシミュレーション機能。
・強化されたMonte Carlo解析により、シミュレーションの回数を最大10分の1にまで削減。
■Virtuoso Spectre Circuit Simulator XL
・アナログ、RF、および高速ICの統合シミュレーション機能。
・強化された周波数ドメイン・マルチレート・ハーモニック・バランス・エンジンにより、高ダイナミック・レンジで、非線形性の低いノン・リニア RF回路の高速かつ高精度なシミュレーション機能。
・非線形性の高いノン・リニアRF回路向けに最適化された特許取得済みのタイム・ドメイン・シューティング・アルゴリズム。
・多くのミックスシグナルSoC設計のリスピンの根本原因となる、PLL内でのアナログ・ノイズとジッターを解析するための新しいフロー。
■Virtuoso UltraSim Full-Chip Simulator L
・アナログ、ミックスシグナル、RF、メモリ、およびSoC設計向け高速で大容量のトランジスタ・レベルのシミュレーション機能。レイアウト前およびレイアウト後に、ブロックおよびフル・チップ・レベルで検証でき、SPICEと同等の精度を実現。
■Virtuoso UltraSim Full-Chip Simulator XL
・数百万規模のトランジスタを含むカスタム・デジタル設計を、最大で10倍の性能で検証する高性能デジタル・ソルバー。
・メモリや大規模なアナログ・ミックスシグナル設計向けの電気的検証をサポートする、エレクトロマイグレーションやIR解析のための操作性の容易なフロー。
■Virtuoso AMS Designer
・Virtuoso Spectre L、Virtuoso Spectre XL、Virtuoso UltraSim L、およびVirtuoso UltraSim XLへ容易にアクセス可能なミックスシグナル・シミュレーション機能。
・強化されたミックスシグナル・RFシミュレーション機能を統合するVirtuoso Spectre XL。
・SoC検証期間を大幅に短縮するVitruoso UltraSim XL。
■各社コメント:
・Mark Merrill氏(Director of IBM Silicon Solutions Engineering and IP Development):
「IBM Global Engineering Solutionsは、ハイエンド・ファウンダリ向けデバイスからメモリ、SERDES、スタンダード・セル、I/O、コアおよびマイクロプロセッサに至るまで、連日幅広い範囲で設計に携わっています。我々は定期的に、RF設計向けにVirtuoso Spectre Circuit Simulator、Virtuoso Spectre XLを、回路シミュレーション、RF解析、そしてフルチップのミックスシグナル検証向けにVirtuoso UltraSimおよびAMS Design simulatorを使用しています。共通のテクノロジおよびインフラをベースとしたケイデンスのMulti-Mode Simulationにより、我が社の設計者は信頼性の高い検証ソリューションが得られるようになり、生産性が向上し、サポート・コストが削減されました。」
・Bill Meier氏(National Semiconductor社、Senior Cad Manager):
「National Semiconductor社は、ケイデンスのVirtuoso Multi-Mode Simulationの全てのコンポーネントを使用しているため、統合され、かつ選び易いシミュレーション・モデルを使用することのメリットをすぐに見いだしました。このソリューションにより、消費電力管理、データ・コンバータ、そして通信用インターフェースなどの先端のアナログ製品の設計工程全般にわたって、完全な検証が可能となりました。」
■ケイデンス・コメント:
・Charlie Gioretti (米国ケイデンス、Corporate Vice President of Marketing for Virtuoso and Allegro Platforms):
「この画期期的なケイデンスのVirtuoso Multi-Mode Simulationは、設計期間全般にわたり、また、複数の設計チームや異なるデバイス・タイプにもわたる検証を可能にします。お客様は、先端設計向けにフロントからバックまでをカバーする設計ソリューションを求めています。Virtuoso Multi-Mode Simulationは、新しいVirtuosoカスタム設計環境と強固に統合されているため、様々な設計領域におけるカスタムIC設計全般における検証の課題に対応し、設計から検証を通じた完全なメソドロジを提供します。」