マイクロソフト、マウス製品でエルゴノミクス製品評価の実証実験結果を発表
■マイクロソフト、エルゴノミクス製品評価の実証実験結果を発表
●慶應義塾大学 SFC研究所(湘南藤沢キャンパス)の福田研究室が、マイクロソフトのエルゴノミクス デザインのマウス製品に注目
~Microsoft(R) Natural(TM) Wireless Laser Mouse 6000を「使い込むほど良さがわかるマウス」と評価~
マイクロソフト株式会社(本社:東京都渋谷区、以下、マイクロソフト)は、エルゴノミクス(人間工学)製品に対する消費者の理解を深め、ユーザーの利便性向上を図っていくための考察を得ることを目的に、慶應義塾大学環境情報学部の福田研究室(以下、福田研究室、(※注1))に、マイクロソフトのマウス製品「Microsoft Natural Wireless Laser Mouse 6000(マイクロソフト ナチュラル ワイヤレス レーザー マウス 6000)」(2007年1月26日発売)の実証実験の協力を依頼し、本年1月より3月にかけて2回にわたり人間工学の専門的な観点から、限定的な実証実験を行いました。その結果、福田研究室は当製品を、「使い込むほど良さがわかるマウス」と評価したことを発表します。エルゴノミクスの専門分野で数多くの研究発表や学術論文などの実績を残す福田研究室としても、PC周辺機器としては初めてのエルゴノミクス実験の対象製品となりました。
福田研究室は当製品が「疲労軽減を目指す」エルゴノミクス デザインの潜在的な優位性を見出しました。実験を通じて、Natural Wireless Laser Mouse 6000が従来のマウスと異なる独特な形状をしているにもかかわらず、従来型マウスの慣れが後押しする使用感と遜色がなくなっただけでなく、人によっては本製品のほうが使いやすいと感じるまでに向上したことがわかりました。このことは、異なるマウスを用いた眼球運動の測定値と大きな差異が見られなかった結果からも分かりました。また、一定期間連続使用した経過による主観的評価では、「使い込むほど良さがわかるマウス」という評価結果も得られました。一般的に主観的評価は、第一印象についてのみ行われることが多いのに対し、今回の実証実験では、連続使用中の評価測定を継続した結果であることから、製品の利用を考えるための価値ある情報であると言えます。これらの結果は、当製品のエルゴノミクス コンセプトを、使用に伴いユーザーへ正しく提供できることの証明ということができ、同研究室では、本製品を更なる分析に値する製品として注目しています。
マイクロソフトには、米国ワシントン州レドモンドの本社にハードウェア製品の開発研究所があり、マウスとキーボード専門のエルゴノミスト(人間工学研究の専門家)が製品開発と製品化のための試験を行っています。2001年にエルゴノミクス デザインのマウスを当時の市場に先駆け発売して以来、エルゴノミクス デザインのPC周辺機器を数多く発売していますが、製品化後のエルゴノミクス製品を評価するための実証実験は業界でも珍しい試みです。
福田研究室の福田亮子専任講師は、本製品の次の点に注目しています:
「本製品については、横から添えるユニークなデザインや寸法、重量について、エルゴノミクス研究者として興味を抱きました。今回の限定的な実験により、そのベネフィットについて主観的評価の結果からは幾つかの可能性を見出しましたが、収集したマウス使用時の眼球運動データや行動データを時間をかけて分析することによって、さらに具体的な実証データを提示することが可能であると考えています。今後のエルゴノミクスデザインの研究対象として、非常に興味深い製品であると注目しています。」
また、本実験に参加した、大学院修士課程1年の西山武繁氏は、両実験を通して、本製品を次のように評価しています:
「使用直後は、このマウスの独特の形状や重さに戸惑い、適切な持ち方がわからないという状態が続きました。しかし、長時間使用していく過程で使用方法のコツに気づくと、持ち方等を意識せずに作業を行うことができるようになりました。1月下旬から実験期間を含めて約3ヶ月使用を継続した現在は、従来のマウスに操作の違和感やもどかしさを感じるようになりました。」
なお、本実験の内容や方法、および実験結果については、福田研究室が主導で行っているものであり、マイクロソフトによる情報の改竄や捏造及び研究費等の金銭授受等は一切ございません。(※)評価用サンプル マウスの貸与を除く。
【実証実験の概要】
本実験は、準備実験と本実験の計2回実施されました。初回の実験では評価者から、「2週間ないし、それ以上の時間をかけると使いやすさが実感できる製品」、「使用しているうちに肩こり、腕の疲れが感じられなくなった」という肉体的な感覚に関する考察が得られました。その検証を行うため、同研究室の専門である眼球運動の測定を含む、2回目の限定的な実証実験に取り組みました。
期間: 2007年3月、マウス使用の「初期段階」
評価者: 慶應義塾大学環境情報学部の学生6名、専任講師2名
※上記のうち5名は初回の簡易実験にも参加したが、残り3名は本実験で初めて当該マウスを使用。
条件: 評価者1人1台のNatural Wireless Laser Mouse 6000の他、比較のため、マイクロソフトの他のマウス製品2種類(Wireless Laser Mouse 6000、Wireless Optical Mouse 2000)を使用
実験方法: 課題遂行後それぞれのマウスに関する主観評価と眼球運動および行動データにもとづく多角的評価との対応関係の分析
※眼球運動および行動の比較検討課題: PowerPoint(R)の作業、Excel(R)の作業、ウェブの閲覧
測定機器: 眼球運動測定装置、行動記録用のビデオカメラ2台による録画
【評価および測定データ】
(上記実験方法で収集したデータのうち一部のデータについて分析)
●経験者(両実験への参加者)による全体的な評価:
・「左右非対称で表面に凹凸があり、表面加工や色遣いも従来のものに比べよい」
・Natural Wireless Laser Mouse 6000は経験者の1週間使用後の評価、および「また使ってみたい」との評価が他の2種類のマウスに比べて最も高く、使い慣れることにより主観的評価が向上することが明らかになった。
●フリーハンドで図形を描く場合、初心者では線が途中で細かく曲がるケースが多かったのに対して、経験者の場合は従来のマウスを使用した場合と同様、特に水平方向にスムーズに線を描くことが可能であった。
●眼球運動データのうち作業時の視線の平均停留時間は情報受容のしやすさを表す指標であり、マウスを使ったポインティングの際はこれが短いほど対象物を凝視しなくてもポインティングが可能であると言うことができる。マウスによる視線の平均停留時間の相違は被験者により異ったが、全体的にはマウスによる大きな差異は見受けられなかった。
【実験を通して得られた今後の検討事項】
●眼球運動、行動データ、その他のエルゴノミクス検証実験による、「疲労軽減度」の他覚的評価
●本製品に適したソフトウェアや作業の種類に関する検証とその推奨
●女性など、手の小さいユーザーを意識した、一まわり小さい製品の有用性の確認
注 1: 慶應義塾大学 SFC研究所(湘南藤沢キャンパス) 福田研究室:
日本におけるエルゴノミクス(人間工学)研究の第一人者として数々の研究を収めた環境情報学部教授兼政策・メディア研究科委員の福田忠彦教授率いる研究室で、1992 年に同大学で発足。「人間工学百科事典(共著)」(2005年丸善出版刊)、「人間工学ガイド:感性を科学する方法(監修)」(2004年サイエンティスト社刊)、「眼球運動の実験心理学」(1993年名古屋大学出版刊)等、エルゴノミクスに関する多くの著書を執筆。福田氏は本年3月で同大学を退任。福田研究室はHuman Performance Laboratory(HPL)としてエルゴノミクス研究を継承し、同大学の専任講師である福田亮子氏、加藤貴昭氏、永野智久氏により先端のエルゴノミクス研究を続ける予定。
福田研究室HP: http://hpl.sfc.keio.ac.jp/
Microsoft Natural Wireless Laser Mouse 6000 製品情報サイト
http://www.microsoft.com/japan/hardware/laser/na_wi_laser6000.mspx
(※添付資料あり)
◆マイクロソフトに関する詳細な情報は、下記マイクロソフトWebサイトを通じて入手できます。
マイクロソフト株式会社 Webサイト http://www.microsoft.com/japan/
マイクロソフトコーポレーション Webサイト http://www.microsoft.com/
*Microsoft、Excel、PowerPointは、米国Microsoft Corporationの米国及びその他の国における登録商標または商標です。
*Windowsの正式名称は、Microsoft Windows Operating Systemです。
*その他、記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。