MM総研、「2006年度国内パソコン出荷概要」調査結果を発表
2006年度国内パソコン出荷概要
■出荷台数は4年ぶりに減少、個人、ビジネス市場とも前年割れ
■Windows Vistaは高機能のPremiumが人気、平均単価も下げ止まる
■メーカーは高付加価値商品を強化、07年度出荷は前年度並みを予測
MM総研(東京都港区、所長・中島洋)は5月25日、2006年度(06年4月~07年3月)の国内パソコン出荷実績を調査、結果を発表した。それによると、国内パソコン出荷台数は、1302万5,000台、前年度比3.9%減となり2002年度以来の台数減となった(表1)。半期別では、上半期は前年比1.1%減の624.5万台、下半期は同6.4%減の678万を出荷。下半期の出荷減が響いた。
流通ルート別実績では、個人系ルートが前年度比5.6%減の548万9,000台、ビジネス系ルートが2.7%減の753.6万台と、両ルートで前年度比を割り込む結果となった。
メーカーシェアランキングは上位5社に変化はないが、3位のデルがシェアを1.2ポイント増やしたが、ランキング対象メーカーで前年度比二ケタ成長を遂げたメーカーはなかった。
出荷金額は、前年度比9.3%減の1兆5,600億円となった。平均単価は11万9,800円と2005年度から2,800円下落したものの、Windows Vista搭載モデルの登場で、ハイスペックのパソコンに需要がシフトしたため単価下落は鈍化した。
■個人市場は5.6%減、Vista需要も台数増に寄与せず
個人市場は、8.2%増と好調だった2005年度から反転し、出荷台数5.6%減の548.9万台に留まった。07年1月に満を持して新OSであるWindows Vistaが登場したが、2月~3月と大幅な出荷増には至らなかった。
当初のメーカー見込みではVistaは機能を絞り、価格を抑えたVista Home Basic搭載モデルと、Window AERO機能等を搭載したVista Home Premium搭載モデルを売りわける戦略だったが、実際フタを開けてみると、高機能のHome Premiumに人気が集中したことにより台数より本体単価増の傾向となった。
■ビジネス市場も前年割れ
ビジネス市場も前年度比2.7%減の753.6万台となった。IT設備投資意欲は堅調に推移しているが、PCリプレース需要は一巡しており06年度後半から07年度はリプレースの谷となるとみられる。個人市場同様、Windows Vistaが登場したことで、企業ユーザーによる新OSへの移行も期待される。
ただ、Vistaには、セキュリティ対策機能等、企業にとって魅力的な機能が強化されているものの、導入時にはシステム検証に加え、ハードウェアも高スペックを要求されるため、現状ではPCの入れ替え促進材料とまではなっていない状況である。
■07年度は1305万台と市場は横這い
2007年度の国内パソコン市場は、前年度比横這いの1,305万台を予想する。07年度上期では、PCの価格自体が高止まりしており、出荷台数は前年度比で横這いからやや減少といった展開となると予想される。ただし、下期から企業需要もリプレース需要が徐々に回復してくることや、個人向け商品でも高付加価値機の普及が徐々に加速することが予想され、年度下期から台数増に転じると見られる。
※参考資料を参照