帝人ファーマ、1日1回投与製剤の喘息治療用吸入ステロイド剤「オルベスコ」を発売
医療用医薬品 喘息治療用吸入ステロイド剤
『オルベスコ(R)』の新発売について
帝人ファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:大八木 成男)は、本日、成人気管支喘息治療用の吸入ステロイド剤としては日本で初めての1日1回投与製剤である「オルベスコ(R)」(一般名:シクレソニド)が薬価収載されたことを受け、即日、本剤を発売しました。
喘息は、世界で約3億人、日本では300~400万人が罹患していると言われている疾病で、「気道の慢性炎症」という捉え方が浸透していることから、抗炎症作用を持つ吸入ステロイド剤の投与が、喘息予防・管理ガイドラインにおいて推奨されています。
これまで当社では、喘息領域の薬剤として、持続的な気管支拡張作用をもつβ2刺激剤「スピロペント(R)」、気管支収縮抑制作用を持つ抗コリン剤「アトロベント(R)」、そして去痰剤「ムコソルバン(R)」を販売してきました。また、在宅医療事業においては、今春より重症喘息患者さんのための新しい外来治療システムである「喘息テレメディスンシステム」のサービスを展開しています。こうした製品やサービスに加えて、成人気管支喘息治療用の吸入ステロイド剤としては日本で初めての1日1回投与製剤である「オルベスコ(R)」をこのたび発売したことにより、当社としては、今後、喘息治療に一層の貢献ができるものと考えています。
詳細は下記のとおりです。
記
1.「オルベスコ(R)」について
(1)「オルベスコ(R)」は、当社がドイツのアルタナ・ファーマ社(欧州のニコメッドグループ)より日本での開発・輸入販売権を取得し、国内開発を行った定量噴霧式エアゾール剤です。
(2)「オルベスコ(R)」は、新たな合成ステロイドであるシクレソニドを主薬としており、既に世界の44カ国で承認され、20カ国以上で発売されています。
2.「オルベスコ(R)」の主な特徴
(1)成人用として日本初となる1日1回投与の吸入ステロイド剤です。
「オルベスコ(R)」は、主薬であるシクレソニドの薬理学的および薬物動態学的特性により肺内に長時間滞留することから、成人用としては日本で初めての1日1回の投与で高い有効性を示す吸入ステロイド剤として承認されました。
また、「オルベスコ(R)」はシクレソニドが溶液となっているエアゾール剤であり、微粒子の割合が高いことから、薬物の肺内到達率が約52%(海外データより引用)と高いのが特徴です。
(但し、1日800μgを投与する場合は、朝・夜の1日2回に分けて投与することになります。)
(2)肺で活性化される局所活性化型の吸入ステロイド剤であり、口腔咽頭部の副作用軽減が期待されます。
本剤は吸入投与後に、主薬であるシクレソニドが肺でエステラーゼという酵素による加水分解を受けて、活性代謝物に変換される局所活性化型の吸入ステロイド剤です。また、薬剤の口腔内付着率が低いことから、吸入ステロイド剤で発現しやすいと言われている口腔咽頭部の局所副作用(嗄声、口腔内カンジダ症など)の軽減が期待されます。
さらに、タンパクへの結合親和性が高く、全身性の副作用を起こしにくいという特徴があり、肝臓での代謝も速いことからタンパクに結合した分子がすばやく不活性化して体内から排出されます。
3.販売目標
「オルベスコ(R)」は、将来のピーク時に薬価ベースで100億円規模の売上を期待しています。
以 上
< 参考 >ニコメッド(Nycomed)社について
欧州を基盤として、循環器、消化器、骨粗鬆症、呼吸器、疼痛を含む疾患領域に注力しているグローバルな製薬会社。病院・専門医・一般開業医といった医家向けの製品だけでなく、OTC薬(大衆薬)も手がけている。新薬は、自社創製とパートナーからの導入の2本柱。全世界50カ国でプレゼンスを有し、欧州全域ならびに南米・ロシア・アジア太平洋といった成長市場で事業を展開している。従業員は約12,000人、売上高は34億ユーロ(共に連結、2006年実績)。
以 上