アナログ・デバイセズ、医療用イメージング・アプリケーション向けに
業界初の高速１４ビット・クワッドＡ／Ｄコンバータ「ＡＤ９２５９」を発表
８ビット・クワッドＡ／Ｄコンバータ「ＡＤ９２８７」も投入、
高速クワッドＡ／Ｄコンバータのラインアップを拡充
アナログ・デバイセズ社（ニューヨーク証券取引所：ＡＤＩ）は、本日、同社の高速マルチチャンネルＡ／Ｄコンバータ（ＡＤＣ）ファミリーを拡張して、業界初の４チャンネル高速１４ビット・データ・コンバータ（クワッドＡＤＣ）「ＡＤ９２５９」を発表しました。ＡＤ９２５９は、ハイエンドの超音波およびイメージング・システム向けに設計されています。これらのシステムは、たとえば５１２チャンネルで構成され、エコー量のごく微小な差も捕らえるために、高いダイナミック・レンジが必要となります。ＡＤ９２５９は、ＬＶＤＳ出力により、ボード・レイアウトを簡素化し、限られたプリント回路基板内により多くのデータ・コンバージョン・パスをルーティングすることができます。さらに、５０ＭＳＰＳのクロック動作では、現在入手可能な１２ビット・マルチチャンネルＡＤＣに比べてＳ／Ｎ比を３ｄＢ改善し、消費電力を競合デバイスと比較して約１／３に低減できます。
アナログ・デバイセズは、さらに、８ビット・クワッドＡＤＣ「ＡＤ９２８７」も市場投入し、当社の高速クワッドＡＤＣのラインアップは、８ビットから１４ビットまでをカバーする広範なものとなりました。ＡＤ９２８７は、最高１００ＭＳＰＳのサンプリング・レートが特長で、消費電力はチャンネル当たり１２６ｍＷです。これらの製品投入により、ＡＤＩは、８または１０ビットのＡＤＣを用いるハンドヘルド医療用イメージング・ソリューションから、１２または１４ビットのＡＤＣを必要とする超音波機器用までの様々なアプリケーションに適した低消費電力で高Ｓ／Ｎ比のコンバータ・ソリューション・シリーズを、イメージングの設計者に提供します。
アナログ・デバイセズ社、高速コンバータ事業部プロダクト・ライン・ディレクター、ケビン・カットマン（Ｋｅｖｉｎ Ｋａｔｔｍａｎｎ）は、次のように述べています。「システム設計者は、医療用イメージング技術の進化に伴って様々な問題に直面していますが、ＡＤ９２５９が達成したダイナミック・レンジ、分解能、およびチャンネル当たりの低消費電力という技術革新により、これらの課題の多くを解決します。例として５１２チャンネルという超音波システムにおいても、ＡＤ９２５９は、高精度のイメージングを実現するだけでなく、シリアル出力によりボード・スペースを節減し、更に、従来のソリューションに比べて最高１２Ｗも電力を節減することができます」
ＡＤ９２５９について
ＡＤ９２５９は５０ＭＳＰＳ（百万サンプル／秒）で動作し、ナイキスト周波数まで７３ｄＢのＳ／Ｎ比を実現し、高精度のイメージング能力を必要とするマルチチャンネル・イメージング・アプリケーションに最適なソリューションです。ＡＤ９２５９は、業界唯一の高速１４ビット・クワッドＡＤＣで、サイズは競合の１０および１２ビットＡＤＣの半分、さらに競合製品の１４ビット・デュアルＡＤＣより最高４０％も小さくなっています。これにより、設計者は限られたシステム内により多くのチャンネルを搭載できるようになります。
この低消費電力のＡＤ９２５９は、１．８Ｖで動作し、チャンネル当たりの消費電力はわずか９５ｍＷと、他の１２ビット・クワッドＡＤＣよりも２０％も低く、現在入手可能な１４ビット・デュアルＡＤＣよりも５０％以上低くなっています。ＡＤＩの他の高速ＡＤＣファミリー製品と同様、ＡＤ９２５９も、プログラマブル・クロック、データ・アライメント、およびシリアル・ポート・インターフェースを用いたデジタル・テスト・パターン生成を特長としています。このテスト・パターン生成により、設計者は出力データの制御・同期を容易に行うことができます。ＡＤ９２５９は、ＡＤ８３３４クワッドＶＧＡ（可変ゲインアンプ）とあわせて用いると、最適化された低ノイズ・アナログ・フロントエンド（ＡＦＥ）が形成され、ダイナミック・レンジおよび画質が向上します。
価格と供給について
ＡＤ９２５９とＡＤ９２８７は７ｍｍ×７ｍｍの４８ピンＬＦＣＳＰ（リード・フレーム・チップ・スケール）パッケージで供給します。両デバイスとも現在サンプル出荷中で、量産出荷は２００６年６月の予定です。ＡＤ９２５９およびＡＤ９２８７の単価は、１，０００個受注時で、それぞれ、７２．２５ドルおよび１９．００ドルです。（いずれも米国における参考価格です）
ＡＤＩのデータ・コンバージョン・テクノロジー：アナログとデジタルの重要な掛け橋
アナログ・デバイセズ（ＡＤＩ）は、データ・コンバージョン・テクノロジーにおける世界的リーディング・カンパニーです。データ・コンバージョン・テクノロジーにおけるＡＤＩの長年にわたるリーダシップは、顧客のシステム課題に対する深い理解、積極的な研究開発投資、および比類ないミックスド・シグナル設計専門技術力を重視する、同社のエンジニアリング・カルチャーに由来します。システムコスト低減のために設計された特定用途向けソリューションから、ＤＡＣおよびＡＤＣの速度、精度、および消費電力に関する最も広範囲の選択性に至るまで、アナログ・デバイセズは、顧客が実世界のアナログ信号と電子機器のデジタル世界との橋渡しを行なうにあたり、必要とする最良の製品、技術、およびサポートを提供します。ＡＤＩのデータ・コンバータは、コンスーマ・エレクトロニクス、ブロードバンドおよびワイヤレス通信、自動車システム、産業用および計測用機器、そしてメディカル・エレクトロニクス、さらにその他の新しい広範囲の市場のアプリケーションにおいて、広く利用されています。
アナログ・デバイセズについて
アナログ・デバイセズ（ＡＤＩ）は、半導体市場において４０年という長い間成長を続けてきましたが、その成長を支えてきたのが技術革新、高性能、および卓越した技術力を受け継いできた企業文化です。ＡＤＩは、データ・コンバージョンおよびシグナル・コンディショニング技術の世界的リーディング企業として、業界で高い評価を得ており、実質的にあらゆる種類の電子機器分野を網羅する世界各国の６０，０００社以上の顧客にサービスを提供しています。アナログおよびデジタル信号処理アプリケーションに用いられる高性能集積回路の世界的なリーディング・メーカーとして、４０年以上の歴史を誇るＡＤＩは、本社をマサチューセッツ州ノーウッドに構え、従業員数は８，９００名です。マサチューセッツ州、カリフォルニア州、ノース・キャロライナ州やアイルランド、フィリピンに製造拠点があります。アナログ・デバイセズの普通株はニューヨーク証券取引所に上場しており、ＡＤＩはＳ＆Ｐ５００インデックスに挙げられています。
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製品に関する読者からのお問い合わせ先
アナログ・デバイセズ株式会社
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