オリンパス、脂肪由来細胞群を用いた再生医療のビジネス化加速で米社に追加投資
オリンパス、脂肪由来細胞群を用いた再生医療のビジネス化を加速
米「サイトリ・セラピューティクス社」に追加投資、連携を強化
オリンパス株式会社(社長:菊川 剛、以下オリンパス)は、これまで培ってきた医療機器開発・製造技術を活かした再生医療のビジネス化を加速していきます。その一環として、米国Cytori Therapeutics, Inc. (サイトリ・セラピューティクス社、以下サイトリ社、所在地: カリフォルニア州サンディエゴ、CEO: Christopher J. Calhoun)から、約1,100万ドル(約13億円)相当の株式を追加取得しました。
脂肪由来細胞群※1の研究を行うサイトリ社本体への投資を拡大することにより、2005年12月に設立した合弁会社(社名: Olympus-Cytori, Inc.〔オリンパス・サイトリ社〕、所在地: カリフォルニア州サンディエゴ)の役割である次世代の脂肪由来細胞群分離装置※2の早期開発・製造にとどまらず、オリンパスが上記装置を販売することも視野に入れた“脂肪由来細胞群を用いた再生医療のビジネス化”を加速していきます。
■脂肪由来細胞群と再生医療
近年、人間が本来持っている再生能力の限界、また移植する臓器の絶対的な不足により、高度な再生医療技術、また再生医療の領域の拡大が求められています。
その中でも脂肪由来細胞群は、細胞群内に含まれる幹細胞※3などが骨髄由来の幹細胞と似た特徴を持っており、機能不全の組織に対して好作用を及ぼすことが知られています。これを応用して、例えば乳癌などで失った乳房の再建や、心臓疾患における機能改善など、幅広い分野での再生医療としての貢献が期待されます。
※1 脂肪由来細胞群:脂肪組織に含まれる細胞群の総称。
※2 脂肪由来細胞群分離装置:患者さんから吸引した脂肪組織から脂肪由来細胞群を分離・抽出する装置。
※3 幹細胞:さまざまな組織に変化する可能性がある未熟な細胞。幹細胞は受精卵から採取する胚性幹細胞(=ES細胞)と組織や臓器に存在する体性幹細胞に分類できます。なお、今回の装置で扱う幹細胞は体性幹細胞です。
■提携強化の経緯・背景
オリンパスとサイトリ社は、2005年12月に合弁会社を設立し、再生医療向けの新装置である脂肪由来細胞群分離装置の開発に着手しました。
今回の投資による連携強化は、オリンパスが培ってきた医療機器開発・製造技術と、サイトリ社が持つ“脂肪組織から細胞を抽出する技術”を融合させ、次世代の脂肪由来細胞群分離装置の早期開発・製造、及び適用領域におけるアプリケーションの確立を含めた“脂肪由来細胞群を用いた再生医療のビジネス化”を加速することを目的としています。
現在、サイトリ社の既存の脂肪由来細胞群分離装置をベースに、更なる操作性及び品質の向上を目指した次世代装置を開発中ですが、今後は各国の法規制の状況を見ながら、2年から4年後の販売を目指します。
*会社概要などは、添付資料をご参照ください。
※本リリースに掲載されている社名、製品名、技術名は各社の商標または登録商標です。