IRジャパン、DC-DCコンバータ用の出力MOSFET2品種を発売
インターナショナル・レクティファイアー
DC-DCコンバータ用の出力MOSFET 2品種を発売
~ 耐圧30V、IR社独自の小型金属パッケージ「DirectFET」採用 ~
パワー・マネジメント(電源管理)技術で世界をリードするインターナショナル・レクティファイアー・ジャパン(IRジャパン)株式会社(本社:東京都豊島区、江坂文秀代表取締役社長)は23日、DC-DCコンバータ(*1)の出力回路を構成する制御(コントロール)用MOSFET「IRF6631」と同期整流(シンクロナス)用MOSFET「IRF6638」のチップ・セットを発売しました。2品種とも耐圧は30Vで、IR社独自の小型金属パッケージ「DirectFET(R)」を採用しています。パワーMOSFETチップは最新のHEXFET(R)パワー MOSFET技術を採用しました。
用途は、最新のノート・パソコン、デスクトップ・コンピュータ、通信/ネットワーク機器などです。このような機器の小型化、高効率化、熱伝導特性の向上に貢献し、電力密度が向上します。
このDirectFETチップ・セットは、出力電流が15A~18A程度のDC-DCコンバータ向けで、5A~8Aの範囲では効率を1%以上改善します。8ピンSOP(SO-8)のパワーMOSFETを3個使っていた用途では、今回のDirectFET 2個で済むため、実装面積が半分になります。
制御用のIRF6631は、ゲート電荷を12nC(標準値)と小さくして、スイッチング損失を小さくしました。オン抵抗とゲート電荷の積は99.6mΩnCとなり、これまでの製品に比べて16%も削減しています。同期整流用のIRF6638は、オン抵抗(内部抵抗)を標準値で3.0mΩ、最大値で3.9mΩと小さくして導通損失を減らしました。ゲート電荷を既存品と同じ値に抑えたまま、オン抵抗を12%も削減しました。また、逆方向回復電荷も減らしました。サンプル価格はIRF6631が180円、IRF6638が280円(いずれも税込み)の予定です。データシートと画像データはIRジャパンのホームページ( www.irf-japan.com )から入手できます。
<DirectFET(R)技術について>
インターナショナル・レクティファイアー(IR)社のDirectFETパッケージには、標準のプラスチック・パッケージでは実現できなかった設計上の利点があります。金属缶構造の採用により、プリント回路基板に熱を放散させて、最新マイクロプロセッサ(MPU)の深刻な発熱の問題を解消します。パッケージの表と裏の両面から放熱できるので、MPUに
電源を供給するDC-DCコンバータの電流供給能力を倍増させられます。デスクトップ・パソコンの高級機や、ノート・パソコン、ルーター、サーバー、デジタル・テレビといった用途で能力を発揮します。欧州の規制RoHS(特定物質の使用規制)に準拠しています。
●表 ノート・パソコンの電源回路向けパワーMOSFET 2品種の概要
* 関連資料 参照
<用語説明>
*1)DC-DCコンバータ:直流電圧を直流電圧に変換する回路です。パソコンやインターネット機器などの内部で、論理ICやマイクロプロセッサ(MPU)、メモリーなどのICを動作させるためのさまざまな電源電圧、例えば5V、3.3V、1.7V、1.2Vなどを作る回路です。DC-DCコンバータの出力回路は一般的に、制御(コントロール)用のMOSFETと同期整流(シンクロナス)用のMOSFETを組み合わせて構成します。
<インターナショナル・レクティファイアー(IR(R))社について>
IR社はパワー・マネジメント(電源管理)技術のリーダーです。IR社のアナログIC、アナログ/デジタル混在IC、最先端デバイス、電源回路やモーター制御回路の部品やシステムは、コンピュータ、インバータ・モーター搭載の白物家電製品、照明器具、車載用電子機器、宇宙航空用電子機器など幅広い分野において、機器の小型化、省エネ化、高機能化に貢献しています。本社は米国カリフォルニア州エルセグンド。IR社のホームページはwww.irf.com。
注:IR(R)、HEXFET(R)、DirectFET(R)はInternational Rectifier Corporationの登録商標です。当資料に記載されるその他の製品名の商標はそれぞれの所有者に帰属します。