gooリサーチ、「ジェネリック(後発医薬品)利用実態」に関する調査結果を発表
gooリサーチ結果 (No.132)
「ジェネリック(後発医薬品)利用実態」に関する調査結果
~ジェネリック認知度は62%で、効能への不安の払拭や制度そのもののPRが求められる~
国内最大級のインターネットアンケート・サービス「gooリサーチ」(*1)を共同で提供するNTTレゾナント株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:和才 博美)と株式会社三菱総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:田中 將介)は、「gooリサーチ」登録モニターを対象に「ジェネリック(後発医薬品)利用実態」に関する調査を実施しました。
ジェネリックを使用したことがある人は9.3%にとどまりましたが、内容を知っている人も合わせると認知度は62.3%にのぼり、徐々に定着しつつある状況が明らかとなりました。そのメリットとして最も認識されているのは価格差ですが、ジェネリックを使用しない理由として医者が薬を処方する際にジェネリックを選択しないこと挙げる声が最も多く、また、メーカーやその品質、効能に関する不安が続くことなどから、効能等への不安から医者が処方しないことを受け入れている側面が見受けられます。今後の普及に向けては、これら不安の払拭や、患者の側からジェネリックを希望することができる制度自体のPRが求められ、関係省庁、医師会、医者、病院、ジェネリックメーカー、健康保険組合など、関係先がそれぞれ利用促進活動を進めることが、普及・浸透のカギを握っているといえます。普及を行うのに適した媒体としては、TVCM・新聞広告といったマスメディアのみならず、病院、調剤薬局等での広告や小冊子の配布など、きめ細かい啓蒙活動の重要性が指摘されています。
処方された薬については、インターネットを通じて自ら関連情報を調べる人が過半数を占め、自分が受けている医療内容を改めて確認する風潮が強まりつつあると考えられ、インターネット等を通じたより質の高い医療情報の開示と充実が期待されていることが伺えます。
総括
有効回答者2,192名のうち、ジェネリックを使用したことがある人は9.3%にとどまりましたが、内容を知っている人も合わせると認知度は62.3%にのぼり、徐々に定着しつつある実態が明らかとなりました。新薬との価格差がメリットであると認識される一方で、普及が加速しない理由として医者が採用していないことを挙げる人が最も多く、続いてメーカーやその品質、効能に対する不安が挙げられ、ジェネリックへの不安から医者が処方しないことをそのまま受け入れている実態が見受けられます。更なる普及にはこれら不安感の払拭や、患者の側からジェネリックを希望することができるという仕組み自体のPRが求められ、関係省庁や医師会による啓蒙活動への期待も強いことが分かりました。また、ジェネリックの認知拡大にあたってはTVCM・新聞広告といったマスメディアの利用のみならず、病院、調剤薬局等での直接的な広告活動が効果的であるとする意見も多くみられました。
処方された薬については、インターネットで関連情報を調べる人が過半を占め、自分の受けている医療の内容を自ら調べ確認する風潮が強まりつつあると考えられ、インターネット等を通じた医療情報のさらなる開示と充実が期待されていることも明らかになりました。
調査結果のポイント
(1)ジェネリックの使用実績は9%程度である一方で、認知度は約6割に達する。
ジェネリックについて、使用したことがある人は9.3%で、知っているが使ったことはない人と合わせると62.3%の人が認知しており、その利用メリットとして価格の安さを挙げる声が多い。
(2)普及の課題として医者が処方しないからとする声が多く、関係省庁や医師会等の啓蒙活動に期待。
ジェネリックを使用していない理由としては、「医者が使わない」(33.9%)がもっとも多く、存在自体を知らないとする回答を除くと、「メーカーをよく知らないので不安」(16.8%)、「品質面での不安」(11.2%)、「効能が同じかどうか不安」(10.0%)と続く。ジェネリックへの不安から、医者が薬を処方する際にジェネリックを選択しないことをそのまま受け入れている実態が明らかとなった。この背景として、「医者と新薬メーカーとの強い関係」を挙げる人が多いことから、ジェネリックに関する制度そのものについて理解が進んでいないと思われ、一方で関係省庁、ジェネリックメーカーなどのアピール不足を指摘する声も多いことから、今後の普及向上には関係先による啓蒙活動が不可欠である実態が明らかとなった。
(3)TV広告・新聞広告と、病院・調剤薬局での広告の両面からの普及活動への期待も高い。
また、認知拡大と普及のための媒体としては、「TVCM」「病院での広告」がほぼ同率を占めた。TVCM、新聞広告といったマスメディアの活用と、病院や調剤薬局での広告といった対象者に直接訴えかける取り組みも、普及させる上で効果的であるとの結果が出ている。
(4)処方された薬についてインターネットを通じて調べる割合が大半を占める。
病院などで処方された薬については、64.8%の人が自分で調べたことがあると回答しており、インターネットを通じて「副作用」、「効果効能」、「成分」等について調べている人が大半を占めることが明らかとなった。このことからインターネットを通じて、質の高い医療情報のさらなる開示と充実を期待されていることが伺える。
《 補足 》
(*1)【 gooリサーチ 】 http://research.goo.ne.jp/
ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントと、日本のリーディングシンクタンクである三菱総研の調査企画力、コンサルティング力が融合した、高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービスです。携帯電話でアンケートに答える 「gooリサーチ・モバイル」モニター(5.6万人)、キーパーソンのビジネスマンを中心とする「gooリサーチ・ビジネス」モニター(3.5万人)、団塊世代・シニア層、ならびに若年層を中心とした郵送調査手法で回答する「郵送調査専属モニター」(3.1万人)を含め、88万人の登録モニターを擁し、消費者向け調査から、法人向け調査、グループインタビューまで、様々な市場調査ニーズに対応しています。(モニターの人数はいずれもH18年8月現在)
調査結果について
<調査概要>
1.調査対象:「gooリサーチ」登録モニター
2.調査方法:非公開型インターネットアンケート
3.調査期間:平成18年8月2日(水)~平成18年8月6日(日)
4.有効回答者数:2,192名
【男女内訳】:男性49.7%、女性50.3%
【年代別構成】:19歳以下19.8%、20歳代19.9%、30歳代20.0%、40歳代19.8%、50歳代15.3%、60歳代3.9%、70歳以上1.1%
調査結果データ
(※ 関連資料を参照してください。)