J.D.パワー、「2006年日本サービスステーション顧客満足度調査」結果を発表
サービスステーション(ガソリンスタンド)の顧客満足度、Mobilが第1位
2006年日本サービスステーション顧客満足度調査
CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー アジア・パシフィック(本社:東京都港区、代表取締役社長:蓮見南海男、略称:J.D. パワー)は、2006年日本サービスステーション顧客満足度調査の結果を発表した。
当調査は、日本全国のサービスステーション(ガソリンスタンド)13チェーンを対象に、利用者の店舗での経験やサービスに対する満足度を調べるもので、全国の自動車保有世帯の18歳~69歳の男女を対象にしている。2回目となる今回は、直近半年間に利用したサービスステーションについて今年5月に郵送調査を実施し、12,378人から回答を得た。
当調査では、フルサービスとセルフサービスの各タイプのサービスステーションの利用者特性の違いに着目し、それぞれの顧客満足度を構成するファクター(要素)と各ファクターの総合満足度に対する影響度(重要度)を明らかにしている。これは満足度に関わる複数の質問への回答結果を基に統計解析の手法を用いて客観的に導き出されたものである。ファクターおよびその影響度(%)は次の通りである。
フルサービス:
「スタッフ/オペレーション」(46%)、「雰囲気」(30%)、「価格」(9%)、「油外サービス」(9%)、「アクセス性」(6%)
セルフサービス:
「スタッフ」(35%)、「アクセス性」(25%)、「給油オペレーション」(23%)、「価格」(12%)、「油外サービス」(5%)
◆セルフサービスのランキング上位チェーンが総合顧客満足度の上位を占める◆
調査ではフルサービスとセルフサービスの顧客満足度を個別に測定し、両方の結果を合わせた総合顧客満足度ランキングを算出し発表する。今回の調査結果では、フルサービスと比べセルフサービスの顧客満足度水準が高かった。総合顧客満足度ランキングでは、セルフサービスにおいて評価が高いチェーンが上位にランキングされている。
ランキング対象となった13チェーンのうち、Mobilが625ポイントを獲得し第1位となった。フルサービスでは第4位だったが、セルフサービスでは第1位だった。また、セルフサービスでは5つのファクターのうち、顧客満足度に対して最も影響度の高い「スタッフ」と「給油オペレーション」の2つのファクターで業界トップとなっている。
第2位は、Esso、Shell、JOMOの3チェーンが620ポイントで並んだ。Essoはフルサービスでは第8位だったが、セルフサービスでは第2位だった。セルフサービスの全てのファクターで業界平均を上回り、バランスの取れた評価を得た。Shellはフルサービスとセルフサービス共に第3位で、フルサービスでは「スタッフ/オペレーション」、「雰囲気」、「油外サービス」で業界平均を上回り、セルフサービスでは「油外サービス」でトップだった。JOMOはセルフサービスでは第10位だったが、フルサービスでは第1位にランキングされた。フルサービスでは「雰囲気」、「油外サービス」、「アクセス性」の3つのファクターでトップに立った。
第5位は617ポイントでENEOS、第6位は616ポイントでゼネラルがランキングされた。ENEOSはフルサービスでは第2位にランキングされている。以上6チェーンが業界平均の615ポイントを上回った。
◆セルフサービスでは店作りや店舗スタッフの強化が望まれる◆
今回の調査では「主に利用するのはセルフサービスのサービスステーション」と回答した顧客が2005年調査と比べて増加している。また、セルフサービス店舗を利用する顧客に対し、主に利用するサービスステーションを選ぶ際に最も重視する理由をたずねたところ、2005年調査と同様に「ガソリンや軽油の価格の安さ」が重視されていることがわかった。
しかし、セルフサービスの顧客満足度を構成する5つのファクターの中で最も影響度の高いのは、「価格」ではなく、店舗スタッフの対応などに関する「スタッフ」で、顧客満足度に対する影響度は35%だった。2005年の調査結果では、ほぼ同様の内容のファクター「スタッフ対応」の影響度は11%で、8つのファクター中4番目の高さだった。今回の調査では「アクセス性」や「給油オペレーション」といった立地や店舗環境、給油操作に関するファクターや「価格」よりもスタッフの対応が顧客満足度に大きく影響する結果となった。
さらに、より詳細な項目を見ると、フルサービスに比べてセルフサービスでは「店舗の清潔感・きれいさ」、「照明の明るさ」といった店舗施設の環境や「支払方法の豊富さ」、「精算にかかる時間」といった精算のしやすさに関する項目で満足度が高くなっている傾向がある。セルフサービスの顧客満足度の向上のためには、ガソリンや軽油の価格の安さのみならず、店舗スタッフの接客対応向上や雰囲気が良く利用しやすい店作りが今後さらに重要となるだろう。
<株式会社J.D. パワー アジア・パシフィックについて>
当社は米国J.D. パワー・アンド・アソシエイツの日本を含むアジア地域でのビジネスの拠点として1990年に設立された。自動車業界を始めコンピューター、通信関連、OA機器、サービス産業、金融など様々な業界において顧客満足に関する調査やコンサルティングを実施している。ISO9001およびプライバシーマーク取得。会社概要や提供サービスなどの詳細は当社ウェブサイト www.jdpower.co.jp まで。
<J.D. パワー・アンド・アソシエイツについて>
ザ・マグロウヒル・カンパニーズの一部門であるJ.D. パワー・アンド・アソシエイツ(本社:米国カリフォルニア州ウェストレイク・ビレッジ)は、マーケティング・リサーチ、生産・販売予測、コンサルティング、教育・トレーニングおよび顧客満足度調査を実施している国際的な情報サービス企業である。数百万人の消費者からの回答をもとに品質や顧客満足度に関する調査を毎年行なっている。ISO9001取得。
<ザ・マグロウヒル・カンパニーズについて>
1888年に設立されたザ・マグロウヒル・カンパニーズは、スタンダード&プアーズ、マグロウヒル・エデュケーション、ビジネスウィーク、J.D. パワー・アンド・アソシエイツなどを通じて金融サービス、教育、ビジネスに関する情報を提供している国際的な情報サービス企業である。世界38カ国に290カ所以上の拠点を有し、2005年の売上高は60億ドルにのぼる。詳細はウェブサイト www.mcgraw-hill.com まで。