プレナス、廃食用油を回収して再利用する「廃食用油リサイクルシステム」を導入
自社の排出する廃食用油を回収、バイオディーゼル燃料に精製して再利用
「廃食用油リサイクルシステム」
来年1月より九州・山口地区で本格導入、来年中にも東日本地区に拡大
株式会社プレナス(本社:福岡市博多区、代表取締役社長:塩井辰男、東証第一部9945)は、静岡県以北の東日本地区および九州・山口地区で持ち帰り弁当店「ほっかほっか亭」2,229店舗とごはん処「やよい軒」142店舗、合計2,371店舗を運営しております。
地球環境に対する関心が世界中で高まっている中、地球温暖化防止と資源循環型社会の実現に向け、当社は、フレートライナーサービス有限会社と共同で「廃食用油リサイクルシステム」を構築し、平成19年1月より九州・山口地区で本格導入することとなりました。同システムは、当社が運営する「ほっかほっか亭」「やよい軒」の各店舗から出る廃食用油を回収して、専用施設「プレナスエコステーション」で精製。これによりできたバイオディーゼル燃料(BDF)を、当社の商品を各店舗に配送する車両の燃料として再利用するシステムです。
上記各店舗からは、年間約370万リットルの廃食用油を排出しており、これら全てを回収し精製すると年間約330万リットルのバイオディーゼル燃料が製造できます。この量は現在日本で製造されているバイオディーゼル燃料の全体量に相当します。これを当社の商品を配送する車両の燃料として使用することで、約8,600トンのCO2が削減できます。この取り組みによって、当社は地球環境に配慮・貢献し、企業としての社会的責任が果たせるものと考えています。
まずは、「廃食用油リサイクルシステム」を平成19年1月より九州・山口地区(離島・沖縄県を除く)の上記店舗のうち936店舗(ス成18年8月末時点)で本格導入し、東日本地区にも順次拡大導入を予定しております。このような、自社専用の施設を利用して廃食用油の回収から燃料として使用するまでを自社で完結するリサイクルシステムは、日本初となります。
【 「廃食用油リサイクルシステム」導入の目的とメリットについて 】
地球環境に対する関心が全世界で高まっている中、地球環境に配慮することは、企業にとって果たさなくてはならない社会的責任であるといえます。
当社が運営する「ほっかほっか亭」「やよい軒」全2,371店舗では、菜種油の中で最も高品質で健康にも良いとされるHOLLキャノーラ油(「高オレイン酸=High Oleic」かつ「低リノレン酸=Low Linolenic」)をフライ油として年間約610万リットル使用し、約370万リットルの廃食用油を排出しております。
「廃食用油リサイクルシステム」を導入することによって、
(1)当社が運営する店舗から出た廃食用油をリサイクルし、資源循環型社会の一端を自社内で担うことができる。
(2)チェーン店という特性を生かし、同じ品質の廃食用油から品質、量ともに安定したバイオディーゼル燃料を製造することができる。
(3)バイオディーゼル燃料のCO2の排出量はゼロカウントとされているため(カーボンニュートラル)、地球温暖化防止に繋がる。
(4)廃食用油をバイオディーゼル燃料化することで、限られた地球資源の使用量を削減できる。
(5)原油高による配送費の上昇を抑制できる。
といったメリットが生まれ、このことで地球環境に配慮・貢献し、企業としての社会的責任が果たせるものと考えています。
<バイオディーゼル燃料とは>
バイオディーゼル燃料は植物の含有油脂を原料とした、ディーゼルエンジンを稼働させることのできる軽油代替燃料です。
その大きな特徴は、地下資源の石油から製造する軽油に代表されるディーゼル燃料が、燃焼時に二酸化炭素を排出し、地上の二酸化炭素絶対量を増加させるのに対して、バイオディーゼル燃料は、原料となる植物が成長過程の光合成で吸収しているため、燃焼時に発生する二酸化炭素が、地上の二酸化炭素絶対量を増加させない(カーボンニュートラル)という点です。そのため地球温暖化防止に大きく貢献できます。さらに自動車排ガス中の黒煙を減少し、酸性雨の原因とされる硫黄酸化物(SOX)もほとんど発生しない、環境にやさしい燃料であるといえます。
現在、バイオディーゼル燃料は世界中で年間約30億リットルの生産量があるとされ、主にヨーロッパでの生産が盛んに行われています。特に生産量の多い国はフランス(約9億リットル)、ドイツ(約8億リットル)、イタリア(約2億5,000万リットル)となっています。
日本では、現在その生産量は年間300万リットル程度にすぎず、今後の取り組みに大きな期待が寄せられています。